中学卒業後から高校へ入学するまでの持て余した白い時期。その当時、願いはたった1つだけだった。
「ーもう誰一人として、大切な人が居なくならないで欲しい」
それが、何もかも失った僕の、唯一の願いだった。
ー幸せとは、なんなのか。
不意にこの疑問に囚われる時がある。だがこの囚われた監獄のようなものから脱出は誰一人出来ていない。
幸せというのは、人によって変わる。幸せとは何か、という物に対する明確な答えがないのだ。
お金、愛情、友情、長生き…。幸せなんて、その人の感性でしか捉えることは出来ない。
その人がどうあれ、僕には関係ない。だが、僕の”幸せ”と言うのがもしも、この生きている時間全てなのだとしたら、どうなのだろうか?
僕は、幸せと言うのはいまいちよく分からない人だ。だが、ここで、もしもの話をしよう。
もしも、幸福感が体を包み込むように、幸せになって行く、しかし、その包み込んだ優しさを超えるかのような闇、不幸な目に遭う人が居たとしたら。
幸せになるが、その後、不幸に遭い、最悪生命の灯火が消える。
それとも、幸せも無く、不幸もない、色褪せたつまらない人生だが、死ぬのは老衰。
ー僕はそんなこと頭で想像を膨らませて行く、そんな中、今日もまた曇った黒い空の下、眠りにつく。