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「ん、」
「あれ?」
気づいたら一面に広がるシロツメクサと三葉の草原にいた。
「ここどこだ、」
周りには何も見当たらず、ただ草原が拡がっていてとても快晴な空があるだけだった。
少し歩いてみると、そこには少年がいた。
小学生ぐらいの小さい子だった。
「あれ?葵お兄さん!」
「え?なんで俺の名前を、」
おれは知らない少年に急に名前を呼ばれてびっくりした。
「てか、ここはどこ?きみは誰なんだ?」
少年は言った。
「知らなくてもいいことだよ!」
「なんでだ?」
「こんなの知ったって忘れちゃうじゃん!」
知らなくてもいいこと?
俺は困惑しすぎて頭を抱え込んだ。
「そんなことより、お話しようよ!」
「例えば、この草原!三葉かと思ったでしょ?実は四葉なんだよ!」
「ほんとだ、」
よく見てみると四葉しか無かった。こんな幸運なんてないと思うほど。
「それでさ、それでさ…..」
…………….
とても長い時間知らない少年と会話をした。
話し方が上手でとてもたのしかった。
「あれ、もうこんな時間。」
「時間、?」
時計も何も無い、そして空の色すら変わってなかった。
「もうお別れの時間だね!」
「ちょ、勝手に終わらすな!てか、俺何もお前のこと知れてない!」
「あはは、」
少年は苦笑いをした後に言った
「元気でね!あと、いつか僕のこと思い出してよね!ばいばい!」
言葉を発しようとした瞬間、だんだん視界が暗くなってゆく。
薄らと少年が見えた。涙を流しているようだった。
………………
「はっ!」
目を開けたら見覚えのある天井があった。自分の部屋だ。
「夢だったのか、」
とても不思議な夢だったなと思いながらリビングに行く。
そこには何かを見ている母さんがいた。
「母さん何してんの」
「まぁ!葵」
「あんたの小さい頃の写真よ〜とってもかわいいんだから。今の高校生のあんたもかわいいけど、ほら!」
俺の小さい頃の写真がたくさんアルバムに貼ってあった。
その中の1枚に、さっき夢ででてきた少年がいた。
「母さん、この子って誰?」
「ん?あら四葉くんよ!」
「四葉、?」
「忘れちゃったの?小学生の時かな、あんたを庇って交通事故で亡くなっちゃった子よ。この子のおかげであんた生きれてるのよ」
「あんたとは幼なじみで仲が良かったんだから〜」
「へぇ、」
母さんを見ると驚いた表情でこっちを見ていた。
「あんた急に泣いて、どうした?大丈夫?」
「え?」
頬を触ると涙が出ていたことに気づいた。
「あれ、なんでだろ、」
思い出したんだ。忘れちゃいけない存在を。