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あまね🍡💠
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記者会見開始まで、残り三十分――。
東洋未来ホールディングス本社。
建物の周囲には、能力犯罪総合対策本部の隊員たちが厳重な警備を敷いていた。
御堂鷹臣(みどう たかおみ)は周囲を見渡す。
「配置完了。」
「少しでも異変があれば、すぐ報告しろ。」
「了解!」
その隣で、副隊長・篠宮玲司(しのみや れいじ)が目を閉じる。
「空間把握(サーチ)」
能力を発動。
半径百メートルの人影が頭の中へ浮かび上がる。
「一般人多数。」
「報道関係者。」
「現時点で異常なし。」
御堂は静かに頷いた。
「……奴らは必ず動く。」
「最後まで気を抜くな。」
-–
同時刻――。
都内某所。
高層ビル屋上。
グラビティ、ゲイル、ノイズ、ブレイブの四人が配置についていた。
イヤホンからヴォイアントの声が響く。
『全員、準備はいいか。』
「問題ありません。」
グラビティが答える。
『第二段階を開始する。』
「了解。」
ノイズがパソコンへ手を置く。
「電子妨害、開始。」
能力が発動した瞬間。
テレビ局。
報道システム。
SNS。
動画配信サイト。
あらゆる通信網へ侵入していく。
「侵入成功。」
「いつでも全国配信できます。」
その横でブレイブが通信状況を確認していた。
「通信、全回線安定しています。」
その時だった。
ゲイルが首を回す。
「今日は妙に身体が軽いな。」
グラビティも拳を握る。
「力が自然と湧いてくる……。」
ノイズも驚いたように呟く。
「反応速度まで上がってる。」
三人の視線がブレイブへ向く。
「え?」
本人だけが理由を知らない。
鼓舞の能力は、無意識のうちに仲間を強化していた。
ヴォイアントが静かに微笑む。
『順調だ、ブレイブ。』
-–
廃工場。
薄暗い奥で二つの影が作業を続けていた。
工具を握り、武器を組み上げる男。
黒く輝く金属へ静かに触れる男。
ヴォイアントが呼びかける。
『フォージ。』
「武装、全て完成しています。」
『アルケミスト。』
「特殊金属への変換も終了しました。」
二人の表情は暗闇に隠れたままだった。
-–
午後七時。
記者会見が始まる。
無数のカメラが社長へ向けられる。
社長は深く頭を下げた。
「本日は、お集まりいただきありがとうございます。」
静まり返る会場。
社長は真っ直ぐ前を見つめる。
「私はエデンの脅迫には屈しません。」
「しかし、この問題から逃げるつもりもありません。」
「社員、その家族、そして社会への責任があります。」
その瞬間――
ブツッ。
大型モニターが暗転した。
「何だ!?」
照明が一瞬だけ点滅する。
全国のテレビ。
スマートフォン。
駅前ビジョン。
SNSライブ。
すべての映像が一斉に切り替わった。
「乗っ取られた!」
御堂が叫ぶ。
「篠宮!」
「発信源を探れ!」
「了解!」
篠宮は即座に能力を発動。
「通信班!」
「逆探知を開始!」
一方――
屋上ではノイズが静かに笑う。
「逆探知を確認。」
グラビティが頷く。
「予定通り。」
ヴォイアントの声が響く。
『政府も優秀だ。』
『だが、それも想定済みだ。』
-–
全国の画面に、一人の黒いシルエットが映し出される。
顔は見えない。
聞こえるのは静かな声だけ。
『日本国民の皆さん。』
『私はエデン代表、ヴォイアント。』
日本中が息を呑む。
湊。
小春。
神童。
博士。
御堂。
誰もが画面を見つめていた。
『私たちは能力を否定しているわけではない。』
『能力は道具だ。』
『問題なのは、その道具を私利私欲のために使う人間である。』
画面が切り替わる。
映し出されたのは大量の資料。
送金履歴。
裏金の帳簿。
政治家との資金の流れ。
東洋未来ホールディングスと政治家の癒着を示す証拠だった。
会場が騒然となる。
「本物なのか……!」
「そんな……。」
SNSでは瞬く間に、
#エデン
#裏金
#東洋未来ホールディングス
がトレンドを埋め尽くしていく。
テレビを見ていた政治家たちは顔色を失った。
「終わった……。」
「全部、知られてしまう……。」
一人の政治家は震える手で電話を取る。
「至急、対策会議を開け!」
「何としてもこの情報を止めろ!」
別の企業幹部も椅子から立ち上がる。
「社長に連絡しろ!」
「海外口座の資料は残っていないだろうな!?」
政府関係者も顔を見合わせる。
「まずい……。」
「ここまで証拠を握られていたのか。」
誰もが焦り始める。
ヴォイアントの声だけが静かに響いた。
『真実は隠せない。』
『残された時間で、自らの罪と向き合え。』
画面はブラックアウトした。
会場には重苦しい沈黙だけが残る。
第46話へ続く
コメント
1件
うわあ……第45話、めっちゃ熱かったですね……! 全国放送ジャックからの証拠暴露、ヴォイアントの静かな声が逆に怖くてかっこよくて。 ブレイブが無意識に仲間を強化してるところも、チームの絆みたいなの感じられて好きです。 そして政治家たちの焦り方がリアルすぎて、現実のニュース見てるみたいな気持ちになりました。 次どうなるんだろう……続きが気になって仕方ないです🥀