テラーノベル
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ヴォイアントの映像が消えた直後――。
東洋未来ホールディングス本社。
静まり返った記者会見場。
ヴォイアントの映像が消えた後も、誰一人として口を開けなかった。
やがて社長がゆっくりとマイクの前へ立つ。
「……先ほど公開された資料について、お話しします。」
会場中の視線が集まる。
「資料の内容は事実です。」
どよめきが広がった。
「私の能力は、物質を金へ変える能力です。」
フラッシュが一斉に光る。
「ただし、生物を金に変えることはできません。」
「私が触れた無機物だけが対象です。」
「一度金になった物は元には戻らず、一度に変えられる量にも限界があります。」
社長はゆっくり息を吐いた。
「私はこの能力を利用し、会社を大きくしました。」
「資源探知能力者の協力により世界中で資源開発を行い、多くの利益を得ました。」
「その利益の一部が政治家へ流れたことも事実です。」
報道陣が一斉に質問を浴びせる。
「裏金を認めるということですか!」
「政治家の名前を公表する考えは!」
社長は静かに頭を下げた。
「全て私の責任です。」
「ですが……。」
「社員には何の罪もありません。」
「どうか社員と、その家族だけは守ってください。」
深く頭を下げる社長の姿に、会場は再び静まり返った。
───
首相官邸。
緊急対策本部。
大型モニターにはニュースが映し出されている。
「社長が全て認めました。」
その一言で会議室が騒然となる。
「今すぐ証拠を回収しろ!」
「いや、自首すべきだ!」
「ここで隠しても意味がない!」
「黙れ!」
政治家同士が激しく言い争う。
隠蔽派。
自首派。
政府内部は完全に二つへ割れていた。
───
東洋未来ホールディングス本社。
営業部。
海外事業部。
電話が鳴り止まない。
「契約停止の申し入れです!」
「こちらもです!」
「欧州企業からも……!」
社員たちは必死に頭を下げ続ける。
「どうか契約だけは……!」
「必ず信頼を取り戻します!」
誰一人として諦めてはいなかった。
───
廃工場。
グラビティたちは静かにニュースを見ていた。
ブレイブが小さく呟く。
「本当に……世界が変わっていく。」
ヴォイアントの声が通信から響く。
『恐れる必要はない。』
『世界が変わる時、人は必ず混乱する。』
『その混乱から目を背けた結果が、今の社会だ。』
ブレイブは静かに頷いた。
まだ迷いはある。
それでもヴォイアントの言葉を否定することはできなかった。
『第二段階は終了。』
『最終段階へ移行する。』
グラビティたちの表情が引き締まる。
「了解。」
───
能力犯罪総合対策本部。
篠宮が解析結果を御堂へ報告する。
「逆探知は失敗しました。」
「ですが、一つだけ成果があります。」
「通信経路の一部を記録しました。」
御堂は資料へ目を通す。
「十分だ。」
「奴らも完全ではない。」
「必ず痕跡は残る。」
篠宮は静かに頷いた。
「追跡を続けます。」
御堂はモニターに映るヴォイアントの映像を見つめる。
「次は……こちらから動く。」
───
翌日。
学校。
教室では昨日のニュースが話題になっていた。
「エデンのおかげで政治家の悪事が明るみに出た。」
「でも、テロは絶対に許せない。」
「いや、やり方はともかく結果は正しかったんじゃないか?」
教室でも意見が真っ二つに割れていた。
湊は静かにその様子を見つめる。
そして小さく呟く。
「正しいことのために……。」
「間違った方法を選んだら。」
「それは本当に正義なのかな……。」
誰にも聞こえないほど小さな声だった。
───
廃工場。
ヴォイアントが静かに立ち上がる。
『グラビティ。』
「はい。」
『最終段階へ移る。』
一拍置き、静かに告げる。
『東洋未来ホールディングス社長一家を確保する。』
グラビティは迷うことなく答えた。
「了解。」
静まり返る廃工場。
ついに、エデン最後の計画が動き出そうとしていた。
第47話へ続く
コメント
1件
社長が全部認めた瞬間、胸がギュッてなった😭「社員と家族だけは守ってください」って……ただの悪人じゃないのが余計に苦しいよ。湊くんの「正しいことのために間違った方法を選んだら、それは本当に正義なのかな」がめちゃくちゃ刺さった。教室で意見が割れるのもリアルで、正義ってほんと答えが出ない……。そして最後の「社長一家を確保」で一気に不穏に!最終段階どうなるの?次回が待ちきれない😭✨
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あまね🍡💠
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