テラーノベル
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二つの光が、一直線に激突する。
ドォォォォォンッ!!
轟音。
衝撃波が雲を吹き飛ばし、屋上を覆っていた瓦礫が宙へ舞う。
レウコイドの白刃が唸る。
エグゼイドの拳が火花を散らす。
一撃。
二撃。
三撃。
互いの攻撃が音を置き去りにする速度で交錯する。
「無駄だ。」
レウコイドが拳を振るう。
「私は完全体を超越した。」
「何度傷つこうと、 再生する。」
白い拳がエグゼイドの肩を掠める。
装甲が砕ける。
それでもエグゼイドは止まらない。
「……だったら。」
低く呟く。
「核ごと、お前を終わらせる。」
「できるものか。」
レウコイドの胸部の核が眩く輝く。
膨大なレウコイド因子が渦を巻き、一気に解き放たれた。
屋上全体を飲み込む純白の奔流。
飛彩たちは腕で顔を庇うことしかできない。
「永夢!」
視界が白に染まる。
その中心で。
エグゼイドは一歩も退かなかった。
純白の装甲から、銀色の光が静かに溢れ出す。
レウコイドウイルスだけに反応する、特効薬の光。
侵食。
分解。
浄化。
レウコイド因子が触れた端から、雪が溶けるように消えていく。
レウコイドの表情が初めて歪んだ。
「……何?」
「私の因子が……消えている?」
「これがお前の、特効薬だ。」
エグゼイドは静かに構える。
「そして――」
ドライバーにガシャットを叩き込む。
『MAXIMUM CRITICAL FINISH!!』
全身を白銀の光が包み込む。
空へ。
大きく跳び上がる。
その姿を見たレウコイドは、胸部の核へすべての因子を集中させた。
「来い。 」
「貴様の希望ごと、消し去ってやる。」
巨大な白黒の奔流が天へ伸びる。
エグゼイドは、その中心へ一直線に飛び込んだ。
「うおおおおおおっ!!」
「消えろォォォッ!!」
二つの力がぶつかる。
世界から音が消えた。
そして。
核の奥から、小さな緑色の光が灯る。
『永夢。』
「!」
『今だ。』
レウコイドの動きが、ほんの一瞬だけ止まる。
その身体が震える。
「やめろ……!」
初めてレウコイドが叫んだ。
「っ……貴様ァァァ!!」
核の内側。
拘束されたパラドが笑っていた。
『悪いな。』
『ゲームは最後まで分からないから面白いんだ。』
緑色の光が核の内部から溢れ出す。
レウコイドの支配が、一瞬だけ揺らぐ。
その一瞬を、エグゼイドは逃さない。
「パラドォォォーーーッ!!」
渾身のライダーキックが、核へ突き刺さる。
バギィィィィィンッ!!
白黒の核に、一本の亀裂。
二本。
三本。
無数の亀裂が走る。
「そんな……。」
レウコイドの瞳が大きく見開かれる。
「私は……完全……」
「完全じゃない。」
エグゼイドは静かに告げる。
「命を踏みにじるものに、完全なんてない。」
次の瞬間。
パァァァァァンッ!!
核が砕け散った。
眩い白と緑の光が空へ解き放たれる。
レウコイドの身体は音もなく崩れ始めた。
#二次創作
よんがつ
132
#夢小説
しらすのお部屋
568
つばさ
206
腕が粒子となり。
脚が光となり。
やがて胸元まで消えていく。
レウコイドは最後にエグゼイドを見つめる。
「……そうか。」
その声には、もう敵意はなかった。
「これが……人間の……」
言葉は最後まで続かなかった。
身体は無数の光となり、風に溶けるように消滅した。
静寂。
白い光が、静かに降っていた。
レウコイドの身体は完全に粒子となり、風に溶けるように消えていく。
誰も言葉を発しない。
長く、長く続いた戦いが、本当に終わったのだと理解するまで、誰も動けなかった。
その静寂を破るように。
一つの影が、ゆっくりと崩れ落ちる。
「パラド!」
永夢は迷うことなく駆け出した。
地面へ倒れる寸前、その身体を抱き留める。
変身が解除される。
純白の装甲は光となって消え、そこに残ったのは、宝生永夢の腕に抱かれたパラドだった。
「パラド……!」
呼吸はある。
鼓動もある。
だが、その身体には無数の傷が刻まれていた。
レウコイドに取り込まれていた影響なのだろう。
永夢は震える手で肩を支える。
「おい……。」
返事はない。
「パラド。」
もう一度呼ぶ。
ゆっくりと。
閉じられていた瞼が震えた。
「……ん。」
かすかに息を吐き、赤い瞳が少しずつ開く。
ぼやけた視界の先。
最初に映ったのは、自分を抱きかかえる永夢の顔だった。
しばらく瞬きを繰り返し。
ようやく現実を理解したように、小さく笑う。
「……なんだ。」
掠れた声。
「そんな顔、するなよ。」
その一言だけで。
永夢の張り詰めていた糸が切れた。
「……っ。」
思わず息を詰まらせる。
「お前……。」
その声は震えていた。
「命、張りすぎ。」
パラドは少しだけ目を細める。
そして、小さく鼻で笑った。
「……誰のせいだと思ってんだよ。」
その返しに。
永夢は思わず笑ってしまう。
「はは……。」
涙が滲む。
「そうだった。」
「お前、そういうやつだったな。」
少し離れた場所では。
飛彩が静かに息を吐いた。
「助かった……か。」
「……ったく。」
大我は苦笑しながら頭を掻く。
「心配かけさせやがって。」
貴利矢は腕を組み、大きく笑った。
「おかえり、問題児。」
ポッピーは涙を拭いながら駆け寄る。
「パラドぉ……!」
「もう、本当に心配したんだから!」
ニコも腕を組んだまま顔を背ける。
「バカ。」
「戻ってくるの、遅すぎ。」
そう言いながらも、その目には涙が浮かんでいた。
パラドはみんなの顔を一人ずつ見渡す。
飛彩。
大我。
貴利矢。
ポッピー。
ニコ。
そして。
最後に永夢。
ずっと会いたかった相棒。
レウコイドに身体を奪われ、どれだけ抗っても声しか届けられなかった。
助けに行きたくても行けなかった。
隣で戦いたくても戦えなかった。
ようやく。
ようやく、帰ってこられた。
パラドはゆっくりと息を吸う。
少し照れくさそうに笑って。
「……ただいま、永夢。」
その一言に。
永夢は何も迷わなかった。
穏やかな笑みを浮かべて、まっすぐ頷く。
「ああ。」
「おかえり、パラド。」
その言葉を聞いた瞬間。
パラドの表情から、ようやく張り詰めていたものが消えた。
肩の力が抜ける。
帰ってきた。
もう、独りじゃない。
その事実だけで十分だった。
しばらくの間。
誰も何も言わなかった。
朝の風が静かに吹き抜け、戦いの傷跡だけが、この場所で起きた出来事を物語っている。
永夢はゆっくりと立ち上がった。
空を見上げる。
厚く垂れ込めていた雲はいつの間にか消え、東の空が淡い橙色に染まり始めていた。
長かった夜が、終わろうとしている。
永夢は振り返る。
そこには、まだ地面に腰を下ろしたままのパラドがいた。
目が合う。
互いに何も言わず、小さく笑う。
永夢は一歩近づき、静かに右手を差し出した。
パラドはその手を見つめる。
あの日。
敵として出会い、何度も拳を交えた手。
相棒となり、命を預け合った手。
そして、どれだけ離れても、自分を信じて待ち続けてくれた手。
パラドはふっと笑う。
「……ああ。」
迷うことなく、その手を握った。
ぐっと力を込めると、永夢はその身体を引き上げる。
二人は並んで立った。
同じ景色を見つめる。
その背後では、飛彩が静かに腕を組み、小さく口元を緩めていた。
「ようやく、全員揃ったな。」
大我は肩をすくめながら笑う。
「相変わらず、世話の焼ける奴らだだ。」
「でも。」
貴利矢が続ける。
「それでこそ、俺たちだろ。」
ポッピーは満面の笑みで頷き、ニコも照れ隠しに顔を逸らしながら小さく笑った。
誰一人欠けることなく。
みんながそこにいた。
永夢はゆっくりとパラドへ視線を向ける。
優しく、けれど確かな信頼を込めて。
「頼りにしてるよ、パラド。」
パラドは一瞬だけ目を丸くした。
そして、いつもの自信に満ちた笑みを浮かべる。
「ああ、永夢。」
握った手に、もう一度力が込められる。
その瞬間。
地平線の向こうから昇った朝日が、二人の背中を優しく照らした。
黄金色の光は、CRのみんなの笑顔を包み込み、長い夜の終わりと、新しい朝の始まりを告げる。
もう、誰も一人ではない。
悲しみも、絶望も、乗り越えてきた。
命を救いたいと願う医師と。
その願いを誰よりも近くで支える相棒。
二人のゲームは、これからも続いていく。
だが――それはもう、終わりのためのゲームではない。
誰かの未来へと繋がる、希望のゲームだ。
朝日に照らされながら、七人はゆっくりと歩き出す。
その足取りは軽く、迷いはなかった。
GAME CLEAR.
CONTINUE?
その答えは、もう決まっている。
CONTINUE
彼らの物語は、これからも続いていくのだから。
コメント
1件
最終話、めちゃくちゃ良かった…!戦闘シーンの解像度が高くて、特にエグゼイドが特効薬の光を纏って突っ込むシーンは鳥肌立ったわ。パラドが核の内側で「ゲームは最後まで分からないから面白いんだ」って笑うところ、まさに相棒ものの最高到達点だよ。そして「おかえり」の一言で全部報われる感じ、涙止まらなかった。本当にお疲れさま、つばささん!🔥