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テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで
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年始は実家で過ごし、久しぶりに会う姪っ子のいろはちゃんとこれでもかと遊び倒した。初詣は実家近くの神社に家族総出で訪れて、義理のお姉さんである真奈美さんから「ここ、縁結びの神様らしいわよ。利幸《としゆき》くん、私と結婚できますようにって、ここで神頼みしたんですって」なんて惚気けられた。利幸くんっていうのは私の兄で、神頼みなんてしなさそうな兄の意外な一面を聞いて、みんなでからかった。


「お兄、そんなことしてたんだ。真奈美さんのこと好きすぎじゃん」


「うるさい。俺はどうしても真奈美と結婚したかったんだよ」


そう言って恥ずかしげもなく真奈美さんの腰を引き寄せる兄。

うわあ、新年からお熱いことで。

仲が良いのはイイコトデスネ。


なーんて少しばかり羨ましく思っていたら「結子も結婚できるように祈っとけ」といろはちゃんと共にお賽銭を握らされた。私は子どもか!


「ゆうちゃんだれとけっこんするのー?」


三歳のいろはちゃんが無邪気な笑顔を向けてくる。

さあ、誰と結婚するかしらね。そもそも結婚できるかしら。まだ片想いが始まったばかりよ……なんていろはちゃんに言えるわけもなく。


「えへへー、ないしょー」


なーんて適当に返事をする。

とりあえず祈ることにしよう。


順番が来て、パンパンと柏手を打った。


神様……えーっとえーっと、どうしよう。いや、どうしようじゃなくて……あー、そのー、長峰といい感じになれたら嬉しいなーなんて思ったりするわけですよ。うん、そう、好きになっちゃったし、できればやっぱり、彼氏になったら素敵だなーとか思ったりして。でも私、年上だし、自信ないし。あーでも、なんかこう、上手いこといかないかなぁー。


「ゆうちゃんまだまんまんしてる。いっぱいおねがいしてるのかなぁ?」


「必死すぎてウケる」


「あら、可愛いじゃない」


兄たちがそんな会話をしていることすら耳に入らないほど、私は神様にグチグチお願いをしていた。


年が明けたんだもの、心機一転頑張るしかないわよね。

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