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俺が物心つくのは周りの人よりも遅かった
ゲームみたいにダウンロードの時間が長かった、50%とか67%とかで止まるみたいに
言葉を話すのも人より遅れ、喃語を話していた。
父も母も何か頭の障害じゃないかと思い病院に連れて調べて貰っても「個人差があるからね」と病院の先生に言われ、安心した様子だった。
いつの日だったか
「ぶーぶー」を「くぅま」と呼び
父と母を「まま」「ぱぱ」と呼び
「わんわん」を「いぬ」と呼び
俺は段々と喃語からちゃんとした言葉を話していった。
ダウンロードが90%くらいに動いた様なものだ
だが後の10%はどれだけ時が過ぎようとも得なかった。
衝撃的な出来事が起こればどうにかなるだろうと考えた両親は様々な所へ連れて行ってくれた。
ある日の帰り、車に乗って帰っていたんだ
俺は疲れてチャイルドシートに乗ってウトウトとしていた。
瞬間、大きな揺れと叫び声で眠気は吹っ飛んだ。
ヴィランが出たんだ
テレビ越しでしか見たことの無い異様な光景に俺は固まった
俺の隣に座っていた母が俺を庇う様にして覆い被さったんだ。
地震の様な大きな揺れは車内にあったぬいぐるみやおもちゃをぐちゃぐちゃにして、何個か母に当たったが子供用のおもちゃだったからか大きな怪我も打撲もなく母を無事だった。
母の腹が刺されたんだ、多分ヴィランの個性だろうね
運転席にいた父の頭から大量の血が流れてた
突然の出来事に母は目を見開いて、痛そうに呻いた「ゔゔゔぅぅ」ってね。
母の口から血が垂れて、母が一つ咳をしたんだ
そしたら大量の血が吐き出されたんだ
吐き出された血は俺の顔を汚して、衝撃を与えた。
そこで、残り10%が溜まった
俺の物心が付いたのはその瞬間、大量の赤い血に汚れたその時なんだ。
ん?簡単に言えって?
ん〜……そうだね。
俺が物心付いたのは大量の血で汚れた時なんだ
だからこそ、俺は血で汚れるのが好きなんだ…
だってあの綺麗な光景がまた見たいからね。
「理解出来た?弔くん」
「弔くんに分かりやすいようにゲームのダウンロードで例えたけど」
「あぁ、十分理解出来たよ」
「お前が根っからの”ヴィラン”だってよ」
「っく、ふふ」
「面白い冗談だね、ヴィランなんてさ」
「俺はちゃんとヒーロー免許持ってるヒーローだぜ?」