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桃彩学園SNS部

第4話

「7月 ~祭~」

夏休みを迎えたSNS部員の面々。当然、学校も夏季休業を迎えたが、部活動は普通にある。SNS部ではインスタ映えする作品を作るグランプリに向けて、ある準備をしていた。

なおきり「これを見てくれ。柴が先日、こういう情報を入手した。」

直切は柴が入手したという情報を部のプロジェクターで公開する。画像には「真夏の太陽よりアツアツ♥カップル画像グランプリ」と書かれていた。絵は当然、ラブラブカップルの如くキスする男女の絵が描かれている。

じゃっぴ「…またセンス感じねえタイトルだな。おい。」

るな「…何ですか?これ。」

なおきり「見りゃ分かるだろ。カップルの画像や動画を募集するんだ。これに参加するぞ。」

一同「はあ!?」

直切の突然の発表に部員一同は驚きを隠せない。直切はさらに進める。

なおきり「男女半々居りゃあ丁度なんだが、あいにく、この部は男子9人、女子3人だからな。なので、ここは3組まで作ろう。」

直切は1人で事を進める。その専制に枝美が反発してきた。

えと「何1人で勝手に決めてんのよ!こういうのは全員で決めるモンでしょ!」

なおきり「まあ待て。優勝したら賞金15万円もらえるんだ。」

えと「…ならしょうがないな。やるか!」

るな「もう、枝美ちゃん現金!」

枝美は「賞金」と聞くと態度を一変して参加する気満々になった。その現金ぶりには流菜がツッコミを入れる。

ヒロ「で、カップリングの組み合わせはどうすんの?」

なおきり「俺ら男子はくじで役割を決めよう。それぞれ彼氏、カメラ、編集者の役に分かれる。くじはここに作ってあるから、順番に引いてくれ。」

直切は前もって用意していたくじを男子部員たちに引かせる。くじ引きの結果…

Aチーム 社(彼氏)、乃愛(彼女)、達矢(カメラ)、悠安(編集兼現場監督)

Bチーム 直切(彼氏)、枝美(彼女)、龍宇(カメラ)、博文(編集兼現場監督)

Cチーム 風太(彼氏)、流菜(彼女)、土井(カメラ)、柴(編集兼現場監督)

となった。

たっつん「…何や、ありきたりな組み合わせになったな。」

えと「…あんた、ちゃんとくじ作ったの?」

なおきり「作ったって。ま、良いじゃねえか。ありきたりな方が日頃の付き合いもあって相手のこと分かるだろ。」

ありきたりな組み合わせに達矢と枝美がツッコミを入れる。だが、直切は日頃の付き合いを考慮して、敢えてこの組み合わせで良いだろうと判断した。

そして後日。SNS部員たちはバスで大型の水族館に来た。

ゆあん「ひゃっほー♪水族館楽しみー♪」

どぬく「お主、何しに来たか忘れておらぬか?」

バスから降りて元気にはしゃごうとする悠安とその態度を見て忠告する土井を先頭に、SNS部員たちは最後の打ち合わせをする。

なおきり「さて、台詞回しはしっかり頭に叩き込んだよな?まずは彼氏役が走ってきて”待った?”て聞いて、彼女役が”ううん、今来たとこ♥”て言うんだ。」

えと「…そんなこと言うの?しかも♥付けるの?」

じゃっぴ「つーか、お前の声でそういう台詞聞きたくねーよ。」

なおきり「うるせー!俺だって恥ずかしいんだ!演出上必要だろ!」

じゃっぴ「知らねーよ!」

のあ「もう、また…ケンカしてる場合じゃないでしょ。」

事前の打ち合わせでケンカしそうになる直切と社を乃愛が止める。

たっつん「しかし、3人とも結構ガチで可愛くキメてきたんやな。」

えと「当たり前でしょ。賞金かかってるんだから。」

るな「枝美ちゃん、賞金のことばっかし。」

達矢はデートを意識してしっかりおめかししてきた女子3人を称賛する。そして、それを社にも振る。

たっつん「ほれ、じゃっぴ。のあちゃん、いつもに増して可愛くなったやろ?」

じゃっぴ「は?興味ねーよ。」

たっつん「なっ!?」

のあ「…」

社のあまりに素っ気ない反応に達矢は絶句する。しかし、1番ショックなのは乃愛だ。

じゃっぴ「乃愛の服なんてもう何千、何百万回と見てっからな。裸見せてくれるなら興味あるけどな~」

社は鼻を穿りながら適当に言う。そんな露骨な態度を取る社に乃愛は完全に激怒した。

のあ「死ね!」

じゃっぴ「ぶへっ!?」

乃愛は社の股間に強烈な蹴りをかます。社もこれにはたまらず、その場に倒れ転げて股間を押さえた。

のあ「ふん!」

乃愛は怒りを隠そうともせず、1人で水族館に入っていく。その目は薄っすらと涙を浮かべていた。

たっつん「…お前、ホントデリカシー無いんやな。」

もふ「…これで1組リタイヤですかね。」

達矢と風太は倒れている社に飽きれる。

水族館に入館したSNS部一行は当初の打ち合わせ通り、三手に分かれて撮影を始める。まずは最初に入館した乃愛と、彼女を追って入館した達矢、悠安、そして無理矢理叩き起こされた社の4人だ。4人はアクアリウムの蒼が光で反射して程よい蒼さを放っている。だが、乃愛は男子3人とは距離を取っている。

たっつん「のあちゃん、機嫌直してくれや。」

のあ「嫌!」

達矢の言葉に乃愛は露骨な怒りを混ぜて拒否する。だが、達矢もそう簡単には引き下がらない。

たっつん「頼むって!これじゃ撮影できんやん!」

のあ「知らない!」

達矢は両手を合わせて懇願する。だが、乃愛の態度は変わらない。それどころか、乃愛は1人でどんどん先へ進んで男子3人と距離を取る。達矢は肩を落としてガックリした。そして、適当に水族館の中を見ている社を叱る。

たっつん「おい!どうすんや?お前のせいでのあちゃん激おこプンプン丸やで!」

じゃっぴ「ああ?俺のせいかよ?」

達矢は古い言い回しで社を責めるが、社は全く自覚がない。その会話の中に悠安が空気を読まず入ってきた。

ゆあん「おーい!見てみろー!サメの迫力すげー!」

悠安は1人で水族館の適当な場所を散策していた。その中で一際大きなジンベエザメに興味を抱いたのか、アクアリウムの前をぴょんぴょんと跳ねている。

ゆあん「今度はあっち行ってみようぜー!」

悠安はジンベエザメに飽きると、今度は別の面白いモノを求めて水族館中を走り回った。その道中、従業員に度々注意されながら。

たっつん「あいつ、完全に目的忘れとる…」

達矢は悠安の相変わらずの能天気ぶりに飽きれた。

一方、直切らBチームは社らAチームから少し離れたところを歩いていた。彼氏役の直切と彼女役の枝美が先頭を、その後ろをカメラマンの龍宇と監督役の博文が行く。

えと「で、何か具体的なプランはあるの?」

なおきり「いや、無い。」

えと「はあ!?」

枝美はここに来て直切にどうするか聞くが、直切は特に具体的なプランは考えていなかった。当然、枝美は問い詰める。

えと「言い出しっぺがノープランてどういうこと?」

なおきり「プラン立てずに自然な感じで行く方が良いと思ったからな。プラン通りに行くとも思えねえし。」

えと「そんなこと言って、あんたこれまで何人と付き合ってきたの?」

なおきり「いや1人も。俺、そんなモテたことないからな。」

えと「このバカ!」

直切の超が付く適当ぶりに枝美は怒る。それを見ていたカメラマン役の龍宇と監督役の博文も飽きれた。

うり「ナオのヤツ、何も考えてなかったのかよ…」

ヒロ「ま、未経験のこととか分からないとこではなるようになる、て考えるタイプだからね。」

博文は直切のその辺りの性格を知っている。直切は元々、分からないことは適当に流すタイプだ。なので、今回もそれでイケると思ったのだろう。

うり「…しかし、彼氏役が俺じゃなくてよかった。」

ヒロ「ん?女子の相手は嫌だった?」

うり「当たり前だ。俺がいつも女子うるさいって言ってウザがってるの知ってるだろ?」

ヒロ「知ってるけど…」

クールな容姿とスポーツ万能の龍宇だが、女子の黄色い声が上がると少々萎える面があった。それは部員全員が知っているが、博文は敢えてそこを掘り下げることはしなかった。

そして、Cチーム。彼氏役の風太と彼女役の流菜が並んでアクアリウムや展示品を見て回っている。その少し後ろでは、やはりカメラマン役の土井と現場監督役の柴がカメラをスタンバイして様子を伺っている。だが、風太と流菜の会話はおよそデートと思えないモノだった。

るな「紫苑君は勉強してないのに何で成績優秀なんですか?」

もふ「さあ?人間(ひと)には生まれ持った容量というモノがありますからね。」

るな「そうですか。じゃあ、私が紫苑君に勝つにはどうすれば良いと思いますか?」

もふ「それは分かりません。敢えて言えば、俺以上に努力すること、ですかね。」

るな「努力してますよ。でも、紫苑君に1回も勝てません…」

もふ「では、その努力が足りないということではないでしょうか?」

るな「じゃあ、紫苑君のノートを見てみたいです。宿題とか見せてください。」

もふ「いや、それはダメですよ。」

シヴァ「ちょっとちょっと!」

どぬく「お二方!」

水族館まで来て学業の話をする風太と流菜を柴と土井が注意する。

シヴァ「あのさ、デート画像の撮影中なんだけど。」

どぬく「もう少し楽しそうとか、恋愛感が出そうな感じにはならんのか?」

るな「そんなの言われても、私そういう経験ないから実感沸かないですよ。」

もふ「俺もです。何なら、柴君か土井君に彼氏役譲りますよ?」

シヴァ「い、いや…俺もそういうのはちょっと…」

どぬく「俺も演技等は苦手だ。」

4人は首を傾げる。4人とも恋愛経験はない。故に、デートのイメージは沸かない。

正午の昼飯時、合流した3チームは頭を悩ませていた。

なおきり「はあ…」

たっつん「あかん…台無しや…」

シヴァ「こっちも…」

直切、達矢、柴の3人は休憩所のテーブルに突っ伏す。雰囲気は控えめに言っても「どんより」だ。

なおきり「やっぱノープランてのがいけなかったか…」

たっつん「のあちゃん、機嫌直さへん…」

シヴァ「全滅か…」

3チームは結局、デートやカップルぽい動画や画像を撮影することはできなかった。

どぬく「…そもそも、何故この企画に参加したのだ?」

なおきり「賞金欲しかったからな。3組のうち1組でも当たりが出りゃイケると思ったんだが…」

うり「現実(リアル)はそう生易しくねえ、てか。」

もふ「現実(リアル)と想像(シミュレーション)のギャップに悩みますね。」

どんなに予定をシミュレーションしたところで、必ずしもその通り行くワケではない。SNS部員たちは身を以て実感した。そこで、博文が話題を少し逸らす。

ヒロ「ところで…」

たっつん「ん?」

ヒロ「アイツらどうする?」

博文が指さした先には海を見て声を上げて遊んでいる社と悠安がいた。

なおきり「あいつら…」

全く会話に参加しないどころか、小さい子供のようにはしゃいでいる2人に直切ら7人は怒りを覚えた。

たっつん「じゃっぴ!ゆあん!」

じゃっぴ・ゆあん「ん?」

男子部員たち「遊んでねえで話に参加しろ!」

その頃、乃愛は1人でイルカショーを見ていた。しかし、彼女の頭の中からは社のことが離れなかった。

のあ「あのバカ…」

乃愛は未だに社に言われたことが頭から離れなかった。そこに、流菜と枝美が来た。

えと「あ、乃愛!」 るな「乃愛ちゃん!」

流菜と枝美は乃愛の傍に駆け寄る。だが、乃愛は未だに気分が晴れなかった。

のあ「…」

るな「…まだ怒ってるの?」

えと「アイツのせい?デリカシーない男ってホント最低だね。」

乃愛はまだ気が晴れない。そこに、流菜がある提案をする。

るな「知ってる?今日、ここの港で花火大会だって。この近くで浴衣もレンタルできるらしいよ。」

えと「マジで?」

のあ「?」

るな「これで男子たちを骨抜きにしてやりましょう♪」

えと「良いね。んじゃ、浴衣のことは男子組には隠しといて、それまで適当なとこで時間潰そうか。」

るな「乃愛ちゃん、良いよね?」

のあ「う、うん…」

乃愛は2人に流されるように賛成した。

一方、男子組もまた花火大会の情報を入手した。こういう情報を最初に仕入れるのはもちろん柴だ。

シヴァ「お、今日花火大会だ。しかもこの港で。」

なおきり「ん?そうなのか。」

花火と聞いた男子陣は少し耳を傾けた。だが、皆既に気力がない。そこに、風太があることを思いつく。

もふ「花火?…そうだ!それですよ!」

ヒロ「何が?」

もふ「この花火大会こそカップルの写真を撮る絶好の機会かもしれません。」

風太は花火と一緒にカップル写真を撮影することを提案する。直切もこれに賛同する。

なおきり「…確かに良いかもな。よし、早速女子組にも連絡すっか!」

ヒロ「OK。」

博文はスマホを開いて早速、枝美に連絡を入れる。その後、すぐに枝美から「知ってるよ。」と返事が返ってきた。

ヒロ「…だってさ。」

たっつん「知っとるなら話早いわな。」

女子組からの返事を受け取った男子組もまた夜祭まで適当に時間を潰すことにした。

そして、夏祭りの時間、男子組は夜の港を見渡した。港には多数の露店が出ている。かき氷や唐揚げ、焼きそば等のセオリーなモノだけだが、彼らの腹を鳴らすには十分だった。

なおきり「おー結構夜店出てるな。」

たっつん「小さい街やのに、意外とやるモンやな。」

直切と達矢は小さい街ながらも頑張っているモノだと称賛した。その一方で、博文が女子組の到着が遅いのを気にかける。

ヒロ「しかし、女性陣遅いな。」

もふ「まあ、待ち合わせまでまだ時間ありますよ。」

ゆあん「あ~ななチキ食いて~」

じゃっぴ「あ~牛串食いて~」

どぬく「…買って来ればよかろう。」

そういうやりとりをしている間に女子3人が来た。3人ともキッチリ、普段のイメージカラー通りの色をした浴衣を着て。

えと「お疲れー♪」

なおきり「おう、お疲れ。」

たっつん「へへ、皆かわいいやん♪」

えと「でしょ♪」

るな「丁度いい浴衣があってよかったですよ~。当日は中々借りれなかったりするらしいですから♪」

シヴァ「ほら、じゃっぴも。」

じゃっぴ「…」

のあ「…」

シヴァ「…どした?」

SNS部の面々は他愛もない会話を行う。しかし、社と乃愛は別だった。2人はお互いの顔を見るなり、浮かない表情になった。

その後、全員で祭を巡った。悠安は牛串や唐揚げを博文に借金してたらふく買い、達矢は射的で景品を当てたり、流菜と枝美はフルーツ飴を2人で別々のモノを買って食べあっこしたり、直切と土井、柴、龍宇はバンドグループのステージライブを聴いたりして祭を満喫した。その一方で、社は1人、人気の全くない高台の隅に来ていた。

じゃっぴ「達矢のヤツ、ここなら花火がよく見えるって言ってたのに…真っ暗じゃねえか。」

社は達矢の勧めに従い、人気のない高台で待つよう言われていた。渡された非常食用のオムそばを片手に持って。

じゃっぴ「つか、誰も来ねえ!夜店のに戻るか…」

社は1人で待っていても誰も来ない状況にイライラしてきて、夜店の並ぶ方へ戻ろうかと思ったが、その矢先に乃愛が来た。

のあ「じゃっぴ?」

じゃっぴ「乃愛…?」

社は乃愛を認識すると立ち止まり、乃愛に道を譲った。乃愛は座れる場所に腰掛ける。そして、2人は適当に会話を始めた。

じゃっぴ「…まだ怒ってんのか?」

のあ「…うん。」

じゃっぴ「…悪かったな。ほら。」

社はぶっきらぼうながらも乃愛に謝罪した。そのうえで、渡されたオムそばを彼女に渡す。

のあ「食べ物でごまかすのやめて。もらうけど。」

じゃっぴ「ちょっとした詫びだ。お前の大食いはよく知ってるからな。」

のあ「またそういう!私、確かによく食べるけど、女の子に大食いは失礼でしょ!」

じゃっぴ「…それも悪ィ。」

のあ「…ま、私もじゃっぴがデリカシー無いのよく知ってるけどね。」

2人はちょっとした痴話げんかのような会話をしつつ、乃愛はもらったオムそばを平らげる。

のあ「隣、座っていいよ。」

じゃっぴ「ん?」

乃愛は気が済んだのか、社に自分の隣に座ることを許可する。だが、それには理由があった。

じゃっぴ「何だ?いきなり。」

のあ「この花火大会、最後にピンクの♥型の花火が上がるんだって。それを見たいの。」

じゃっぴ「…そんだけか?」

のあ「うん。ちょっと付き合って。」

社は乃愛の隣に腰掛ける。その際、乃愛は社の左手に自分の右手を重ねる。

じゃっぴ「ん?俺の手がどうかしたか?」

のあ「…あ、ちょっと乗せても良い?」

じゃっぴ「…別にいいぞ。」

花火大会も終盤となった。そして、最後の1発。ピンクの♥型の花火が上がった。

のあ「キレイ…」

じゃっぴ「だな。」

2人が♥型の花火を見上げていたその時、その後ろで柴と風太がその様子を撮影していたのを2人は気付かなかった。

じゃっぴ「ちース…?」

のあ「おはよう…?」

10日後、SNS部室に来た社と乃愛。しかし、そこでは他の部員10人が2人を見てニヤニヤしていることに違和感を覚えた。

ゆあん「おー今回のヒーローとヒロインが来たー♪」

たっつん「いやーさすが幼馴染のお2人さん♪」

ヒロ「絶妙なタイミングだね♪」

じゃっぴ「は?何の話だ?」

もふ「2人のおかげで良い写真が撮れましたから♪」

シヴァ「バッチリ♪」

えと「1位は逃したけどね♪」

るな「でも特別賞ですよ~♪私的には1位ですけど♪」

うり「背景が暗過ぎたからな。」

なおきり「ま、見てみろコレを♪」

じゃっぴ・のあ「!?」

部員たちはニヤニヤしながら2人を称賛する。そして、直切と土井が立っていた場所をのくと、その後ろには夏祭で♥型の花火を見ていたときの社と乃愛の写真がB2サイズで印刷されてタペストリーのように飾られていた。

じゃっぴ「な!?」 のあ「…」

社と乃愛は驚きを隠せない。第一、いつの間に撮られたんだ?と思った。

どぬく「うむ。お主らの手柄だぞ♪」

なおきり「賞金10万、まずはお前らに1万ずつ渡しとくからな♪」

直切と土井は2人を称賛するが、社は完全に頭に血が上り、顔を真っ赤にして大きな怒声を上げた。

じゃっぴ「うるせー!盗撮してんじゃねー!」

社の大声に部員たちは思わず耳を塞ぐ。

ヒロ「…お前が1番うるさい。」

えと「つか、盗撮すんなってあんたが言う?」

るな「学校一の問題児ですからね~」

じゃっぴ「がー!」

社は部室の中を暴れ回る。その様子を見ていた乃愛はまた頭を痛めた。

のあ「嗚呼、またケンカ…あ、そうだ。紫苑君、その写真くれる?」

もふ「良いですよ。」

風太はPCに入れてあった画像を乃愛に送る。乃愛はその画像を見て嬉しそうに微笑んだ。冗談だと思っていた♥型の花火を手をつないで見てると結ばれる、という都市伝説を信じてみたくなった。


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