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『11話 爆弾』
【一階 教室A】
真っ暗な校内、そこを薬代百合の持つランプの光とほのかな月の光を頼りに歩き続けていた
仄「…中々見つからないねぇ」
泉「だね…明日まで掛かっちゃうかな…」
薬「本当に申し訳ないです」
仄「別にお前が悪いわけじゃないけど」
七「…電気ってつけちゃダメなのか?」
薬「はい、犯人に気づかれて逃走してしまう恐れがあるので」
七「…そっか」
なんとなく気まずい
話が続かない
薬「…体育館に移動しませんか?」
泉「な、なんで体育館に…?」
薬「私の友達で何人かの子が聞いたらしいんです」
薬「体育館の床から女の子の声を…」
薬代百合の顔がランプの光に照らされて不気味に思える
仄「噂話好きだよな、女子高校生って」
七「…行ってみるか?」
仄「敬語」
七「…行ってみますか?」
仄「行こうか。」
泉「…ちょっと怖いけどね」
薬「では案内させていただきます。」
俺たちは薬代百合の後ろをついて行きながら体育館へと向かった
【体育館】
全面ガラス張りの体育館、月の光が床に映り、キラキラしている
仄「どう?望、なんか聞こえる?」
泉「…………」
仄「…七星はなんか聞こえる?」
七「いや、特に…」
薬「…やはり、勘違いでしたか…」
少し残念そうな顔をした
泉「待って。」
七「???」
仄「何?どうしたの?」
泉「……あそこの体育館倉庫、開けられる?」
薬「え?えぇ…一応」
泉「開けてもらえるかな…?」
薬「わかりました。」
泉田望の願いにより、体育館倉庫を開けることになった
いったい何があるって言うのだろうか
【体育館倉庫】
体育館倉庫にはマットやネットなどの体育で使う道具が入っている
体育館よりも5度近く温度が低く、寒い
七「…寒っ」
薬「一体ここに何があるんですか?」
泉「……」
泉田望は体操マットを勢いよく退けた、そこには…
仄「………爆弾?」
泉「…やっぱり」
残り時間が表示されている時限爆弾だった
薬「爆弾…!?嘘……!」
七「これ…本当に爆発するんすか?」
泉「うん、確実にね…」
仄「くそっ…嫌がらせか」
薬「み、みなさん!早く避難を!」
仄「…避難できない」
薬「え?」
仄「もし体育館の下や近くにいたら消えたやつはタダじゃ済まない。だから…」
七「…俺たちは死ぬかもしれないのに………」
泉「その心配はないかな」
七「え?」
泉「寿命が30は残ってれば火傷ぐらい回復できるし」
また維月パイセンは大切なことを伝えてくれていない
七「…なら、なら俺も残る…」
仄「勿論俺も望も残る。お前は一人で逃げれるか?」
薬「………私も、残ります。」
泉「え?」
薬「私一人だけ逃げるなんて、そんなの到底できません。」
少し震える拳を握りしめながら、そう言い放った
泉「…爆弾は解除できるかやってみるけど、命の保証はないよ」
仄「しかも俺たちみたいに寿命は使えないし」
薬「それでも、私は残ります」
薬「ここの生徒は、私の命と同じぐらい価値があるんです。」
薬「だから……私も探すのに命をかけて協力させてもらいます」
真っ直ぐとこちらを見ている
仄「…わかった。」
泉「じゃあ薬代さんにはここに残ってもらっていい?」
七「…?爆弾の近くなのに?」
泉「…うん、申し訳ないけどさ」
薬「………わかりました。」
仄「じゃあ行こう、七星。」
七「はい…!」
そうして俺と仄暗鎖、泉田望と薬代百合で別れて行動することになった