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『12話 逃走』
【保健室】
俺と仄暗鎖で、いなくなった生徒を探すことになった
仄「……」
七「…本当に、怪我を回復できるのか?」
仄「…は?まじで信じてたの?」
七「え?」
仄「あんなの嘘に決まってんじゃん」
…………
じゃあ、もしかして
七「…失敗したら後がないってことっすか?」
仄「そうなるな」
終わった、普通に死ぬ
初仕事で死ぬなんて運が悪い、幸運なのに
七「………終わった」
仄「大丈夫だよ、爆弾は」
七「なんでそう言い切れるんすか?」
仄「…それは後で説明する、それより先にいなくなった生徒のことだ」
七「はぁ…」
そう言うと、仄暗鎖はまた薬品棚や、ベットの下を探し始めた
仄「…無さそうだな、次は図書室に行こう」
七「…」
【図書室】
七「なんで図書室を選んだんすか?」
仄「ほら、図書室って隠し部屋ありそうだし」
仄「頭上には気をつけろよ、砲丸が落ちてくるかもしれないから」
七「砲丸…」
半ば揶揄うような口調で楽しそうにそう言った
なんのネタだろうか…
七「…」
仄「…あっ」
図書室内を探して10分ほど経っただろうか
図書室の壁際にある分厚い辞書を出そうとするとカチッと音がした
すると…
仄「お手柄じゃん」
七「マジで開いた…」
図書室の本棚が開いた
仄「すごっ…中にヌイグルミ製造機とかあんのかな」
七「だから、さっきからなんのネタっすか?」
仄「それはさておき、入るか」
俺の言葉をガン無視し、仄暗鎖は図書室の隠し扉の中へと入って行った
それに続くように俺も、早歩きで暗闇へ飛び込んだ
【隠し部屋】
仄「意外とあっさり見つかるもんだな…」
七「……」
仄「…怖いの?」
七「…全然」
普通に怖い
暗くて狭くて、前が見えない
俺はバレないぐらいにそっと仄暗鎖の服を掴み、歩いて行った
【???】
仄「…」
七「うわっ…」
いきなり止まったからびっくりした
七「なんで急に…」
仄「…逃げよう。」
七「は?」
仄「…これはやばい」
俺は仄暗鎖を押し除け、目の前の光景を見た
七「…」
裸体の女子高校生の死体が沢山ある
小腸が飛び出た者、目が抉り出されている者、四肢がないもの
無惨な光景だ
七「…これ…」
仄「………ドールの仕業か」
七「ドール?」
仄「七星、急いで体育館に向かおう…それで逃げるんだ。望とあの女を連れて…」
そう言うと俺の手をガッと掴み、一目散に走りだした
【体育館】
仄「…頼む…無事であってくれ」
七「ドールってなんなんすか…!?」
仄「それも後でだ…逃げてから話す…」
相当切羽詰まっているようだ
【体育館倉庫】
仄「望…!」
七「…!」
泉「……結構早かったね。」
体育館倉庫。
そこで広がっていた光景は
血塗れになり、息が苦しそうな薬代百合の姿と
血が付着した鎌を持っている先輩、泉田望の姿だった
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