ー登場人物ー
一ノ瀬(いちのせ)→「」
小林(こばやし)→〈〉
ーーーーーーーーーーーーーーーー
⚠️注意⚠️
・捏造注意
・タヒ表現あります
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
ー 一ノ瀬視点 ー
「……食事の時間ですよ……。」
〈うん………………。〉
まさか。貴方とこんな会話をするとは思わなかった。
まさか、貴方が捕まってしまうなんて。
まさか、貴方が事件の犯人だったなんて。
前までは貴方は僕と一緒に働いていた。
僕にしょっちゅう仕事を押し付けて来て、面倒くさい所もあったが、明るくて仲間思いの良い人だった。
今回だって、、仲間思いが故の行動だったんだ。仲間を…大事に思っていたから……貴方は道を踏み外してしまったんだ……。
そうして、月日が経ち、数ヶ月後。
貴方に違和感を覚え始めた。
僕が食事の時間に迎えに行った時、貴方は何かを編んでいた。縄………、?なのか、?
どこから集めたのかは気になるが………大人しくしているなら良いかと思いスルーした。
「その時…僕がスルーしなければ……。」
日に日に縄は長くなっていき少しずつ作っていたのか、一年が経った。
一年が経った今日もまだ縄は長くなっている。
だが、遂に今日、貴方は縄を編む手を止めた。
思い通りの長さになったのだろうか?と思ったら突然
〈紙と……ペン……ほしい……〉
と言い始めた。縄で暇つぶしをしていたが飽きて次は何か書き始めるのか?と疑問に思いながらも貴方に2枚の紙と一本のペンを渡した。
その日から、ずっと貴方は時間が余れば紙に何かを書き進めていた。
いくら暇つぶしをしているんだろうと思ってもやはり少し気になる……。
刑務作業が終わった時間の後に貴方に問いかけた。貴方から返ってきた言葉は
〈すっ、少し、、暇だったから、絵を描いていたんだ、!!〉
だった。少し焦り気味な声で、無理に元気を出していそうな様子だった、。だが、その場では
「そっ、そうなんですね。」
とだけ答えた。
その後、職員室に繋がる廊下を歩いている時、僕は内心、
「あの人って…どんな絵を描くんだろ…後で少し見せてもらおうかな…」
と期待していた……………
多分……普通に絵を……描いていた………だけなんだ…………………そう思っていたのに……
その次の日、自由時間の時、貴方を迎えに行った。
だが、貴方の返事はなかった。
不自然に思い牢屋のドアを開け、中に入った。
僕の目の前に広がっていた光景は、綺麗に整った部屋、上には輪っか状にされた縄が下がっており、その輪っかの部分に頭を潜らせたまま力尽きた貴方が居た。
僕は考えることが出来なかった。
いや、考えたくなかった。
部屋には2枚の紙が落ちていた。とても綺麗に折られていて、宛先は僕だ。
紙を開いてみたら、絵ではなく、手紙だった様だ。
そこには文章がずらりと書いてあった。あまりにもびっしりと書いてあったため、あまり理解は出来なかったが、最後の一行はすぐに理解できた。最後の一行は…
〈さようなら。そしてごめんなさい。〉
だった……………………………
ーーーーーーーーーーーーーーーー
ー 小林視点 ー
「食事の時間ですよ………」
聞き慣れた声が部屋中に響く。
どうやら俺を呼びにきた様だ…。
君はとても悲しそうな表情をしている。
何かあったのかと疑問に思いながらも俺には関係の無い事かと思い何も言わずにたださっき君に言われた言葉にだけ返事をした………。
その日の刑務作業。俺はとある事を決めようとしていた。
いくら仲間のためとはいえ、人を◯してしまった以上悪人だ。看守長と言う立場だった俺がだ。
もう……こんな罪の意識に支配されるのは…限界だ…………だから。1から縄を作ろうと思っているんだ。
いや。作ろう。
君には気づかれない様にそこら辺に生えている長めの雑草をむしり、1日に少しづつ編んでいった。
それを隙間時間に少しずつ続けていき、数ヶ月が経った。
縄はかなり長くなった。だが、まだ足りない。
そうして縄を編み始めて一年が経った。
縄は思い通りの長さになった。
次は手紙を書くか……。
君から紙とペンをもらい、また君にはバレない様に手紙を少しずつ書き始めた……。
それから数日経った。突然刑務作業の終わりの時間に、何を書いてるのかと君に問いかけられた。
一瞬びっくりした。でも、まだ……君には教えられ無い………
まぁ。そのうち知る事にはなるけど…ね。
とりあえず君には暇つぶしに絵を描いていると誤魔化して伝えた。
その日の夜。自分で編んだ縄を牢屋の天井に括り付け、書き終わった手紙を丁寧に折り、君の名前を書いた。
縄の輪っかの部分に自分の頭を潜らせ、一言だけ告げた。
〈ごめんね…………。皆んな。そして………さよなら。〉
泣かないつもりだったのに……、、自然と涙が零れて来てしまった。
1分経ち、どんどん息が出来なくなっていった……
数分後。俺は力尽きた。
皆んな……最後まで……ごめんね……。
ーFinー
コメント
2件
あ(絶句&気絶)