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3 - ⑶ 離さないから

♥

945

2023年08月30日

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♡1000ありがとう✨️


𓂃.◌𓈒𖡼𓂂


⚠︎︎ぷわ攻め・あっきーな受け⚠︎︎


⚠︎︎この作品はご本人様達と一切関係はありません。全て主の妄想で作り話です。


⚠︎明那が怪我してます

苦手な方はブラウザバック推奨💧‬



𓂃.◌𓈒𖡼𓂂















意識が、








「明那!!!」



嘘だ…。嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ!!!!


急いで階段を降りて明那に駆け寄る。

嫌だ、嫌だ…!

明那!!!



「あきなっ…!!明那!!ねえ!!

ねぇ!目覚まして!!…ッお願い!!」





____明那が階段を踏み外した。





意識がない…。

ガンって……、

人間の体からあんな音が出るんだってくらいの信じられないくらい痛々しい音が聞こえた。


明那頭凄い強く打ち付けたよな…?!



明那の体を起こそうと思い、優しく頭に触れると、手にぬるっとした感触があった。


恐る恐る見ると、そこには赤黒い血がべっとりと手のひら満遍なくついていた。



「…ッ!?あき、な、の血…!!?」




もうショックどころでは無くて、言葉が何も出ない。

呼吸が荒くなって、自分もどこかおかしくなっているのを感じる。





____こんな…、こんなところまで、

真っ暗な中…夜なのに、来てくれたの…?


走って…?

俺を追いかけて…?




こんな…、こんな、いきなり自分の都合で急に明那の家を飛び出した身勝手な俺を…?




ごめん、ごめん明那





俺、本っ当バカやね……。







「あきな!!!あきなっ!!!」


思わず声を荒らげてしまう。いくら呼んでも返事がない。

いつも、いつもなら明那は…!






____『おー!ふわっち〜!!』


____『なになにどーしたの??』


____『見て見てふわっちこれw』







そんな明那が、今はいない。






視界が潤む。

やだ…!!嫌だよ…!

俺が何とかするから…!絶対!



明那の胸に耳を寄せる。

心臓はとくんとくんと動いている。





___明那まだ生きてる!!



てかこんな事してる場合じゃない!!

救急車…!!救急車呼ばんと…!!





電話は無事繋がり、重症だと伝え、救急車がここまで来てもらえることになった。



お願い、生きて




しんじゃいやだ









あんな最低な終わり方いやだ








「あきな…!ごめん…っ、ごめんなぁ…!」

動かない明那の身体をぎゅっと抱きしめる。


あの時、明那の家で抱きしめた時よりも、ずっとずっと切ない感覚だ。





___もう、俺なんかのこと、好きじゃなくたっていいよ。


だって俺、明那には笑っててほしいよ。

目が覚めないまんまの明那なんて、俺、やだ…!

痛かったよね、ごめん、ごめん…!



俺、子供過ぎたよね。

俺が勝手に好きになったのに、”分かって欲しい”なんて。


わがままだったよね…。


もう絶対あんな事口にしない。

…明那が幸せならなんだっていいよ、俺。




____あの日の配信みたいに

笑顔でまたリスナーと笑い合ってくれたら。


もう何も望まない。






通行人が俺達をじろじろと見ていたが、

そんな事どうだって良かった。


見世物じゃない、早くどっかに散ってくれとしか思えなかった。



𓂃.◌𓈒𖡼𓂂




明那は救急隊員に応急処置をしてもらい、無事病院へ搬送された。



俺は一緒に明那の救急車に乗り、搬送先の病院に到着した後、明那の容態を医者から聞いた。



「…かなり危ないですね。目が覚めるまで少し時間がかかると思われます。何せ頭部を一番強く打ち付けてしまったようですからね。」

「そう、ですか…。」


医者のその一言一言が俺の心臓を抉る。

辛くて聞きたくないけど、これは他の誰でもない明那の為だから。


「三枝くんの容態をよく見たところ、きっと話を聞く限り、私の想定では階段から落ちる前だと思われるのですが…、




___頬や左足を…、かなり深く負傷していました。」





…!?

どういう事…?





医者が途切れ途切れに続ける。

「あの時点で骨にヒビが入っていました。本当、よく走れたと思います。ましてやあの足で階段を上るなんて規格外です。きっと、左足の傷の痛みで階段を踏み外してしまったんだと思われます。」

「ッ…、!!そう、なんですか…!?」





__言葉が詰まる。

明那は階段に落ちる前からもう既にボロボロだったってこと…?



「…今、明那は?」

「三枝くんは今はもう手術が無事終わって病室で眠っています。

明日には面会が出来ると思いますよ。」


…!

手術なんともなかったんだ…。

良かった…。


「そうですか…。ありがとうございます。また来ます。」



ガラガラと扉を閉める。

夜の病院は誰もいなくて、怖いくらいにしぃんと静まり返っていた。



______「ッ、明那…。」





医者が言っていた言葉を思い出す。



『頬や左足を____』



そうだ…、確か明那、俺が体を起こしてやった時、ほっぺ怪我してた……。


俺を追いかけてる途中で…?




追いかけてる途中で転んだんかな…?あんなかわいい顔に傷がついていたなんて、ほんと耐えられない…。


そんな状態で俺のことを…。





唇を強く噛みしめる。


「俺、の、せいだ…。」



暫くの間、病院の出口の前で下を向いていた。






𓂃.◌𓈒𖡼𓂂


帰り道、明那の事で頭がいっぱいの中、

とぼとぼと歩く。


(明那…。)




「あれっ、ふわっち〜?」



…!


明那…!?




一瞬、ほんの一瞬だけ、明那が見えた気がした。

けど、目の前に立っていたのは、


「やっぱりそうだぁ、ふわっちだ〜!久しぶり〜。」

「かなかな!!??」

「やっぱその頭目立つね〜、すぐ見つけられちゃう。」


かなかな(叶)がひらひらと手をふってこちらに微笑みかけている。

その優しくて柔らかい声に、今の俺にとってとてつもない安心感があった。


「あれ〜?なんか目真っ赤じゃない?もしかして泣いたの?」


ぎくり…、鋭いなぁ。

かなかなが俺の方に駆け寄り、まじまじと顔を見つめる。



「んはは〜、やっぱかなかなには敵わんなぁ。」


𓂃.◌𓈒𖡼𓂂


俺達は近くの小さな公園に移動して、そこにあったベンチに腰掛けた。



かなかなが急に真剣な顔になり、単刀直入に聞いてくる。


「ねぇ、何があったのか教えて?僕、ふわっちが泣いてるのはちょっと見過ごせないなぁ。僕で良ければ話だって何だって聞くし、力になるよ。」



その言葉で、またぽたぽたと生暖かいものがこぼれ落ちてしまう。



「…ッ!うぁ、お、俺…!!うぅ、かなかなぁぁ…!!」

「あーあー、ほら大丈夫大丈夫。僕がいるよ、おーよしよし〜。」


かなかなが優しくぎゅっと抱きしめる。優しい匂いがする。


あぁ…、おかんみたいな安心感、包容力…。








かなかな、どうしよう…!明那が…!俺のせい…?おれのせいで…!

明那がもうこのままずっと目が覚めなかったら、おれもうやだ、絶対生きてけないよ…!



明那が俺からいなくなるなんて、絶対嫌だ…!!





俺さ、明那に言いたいの…

ごめんって、俺が勝手に傷ついて感情的になって、馬鹿だから…、子供過ぎたから…

あんなちっぽけな理由で

家を出てってごめんって…!


あの日、配信で明那は俺とオフ会するのめっちゃ楽しみにしてた筈なのに、

俺の勝手な一言で今日を台無しにして、

もう1回今日をやり直させて欲しいって思ってるわがままな俺がどこかにいて、




もうわかんないの…!




「…ッ、ぁ、ッッひっく、グス…。」


「ふわっち?ゆっくりでいいよ。話して?」


かなかなの腕の中がただただあったかい。



「うん……。」






こんな泣いた日、もう他にないだろう。



𓂃.◌𓈒𖡼𓂂


「えっ……!?明那が…!?」

かなかなは驚いた表情をしたと同時に、とても切なそうな顔した。



___明那、かなかなにめっちゃ懐いてたもんね。




「…おれの、せい、なの。」





深呼吸をする。


「俺が、きゅうに、明那に好き、なんて言ったから…。わがまま、言ったから…。明那絶対おれのこと、嫌になったよね…。」


かなかなが眉をひそめて俯いている俺を見ている。


「けどね、もう、いいんだ。俺、明那の幸せしか望まない。俺なんかよりもっと良い奴なんて、世の中にたくさんいるんだから。




…俺が、明那の傍に、いたら…ッ、あきなに辛い思いさせちゃうから…!」


また、目が潤む。

膝に置いた拳をぎゅっと強く握りしめる。




「…だから俺、明那と距離置くよ。俺、酷いこと、たくさんしちゃったから…。」

「それは違うんじゃない?」


かなかなが俺の言葉をスパッと切るように言う。


「そもそも、明那はふわっちが嫌になってたら追いかけて来なかった筈でしょ?」

「え…」








「明那に対するふわっちの想いって、本当にその程度?」



ズキ…と胸が痛む。

正論を真正面からかまされた。



確かにそうだ。どんだけ酷い怪我しても、俺を追いかけてきてくれたんだ。








____ッ明那…










胸が、堪らなく苦しい。




「ふわっちの今言った言葉は嘘だよ。

そんな事、本当は思ってないんでしょ?

他のやつにとられてもいいなんて、変だよ。



明那が他の人と幸せになっても、ふわっちは本当にそれでいいの?」






手が、震える。






「ふわっちは…!

明那と幸せになりたいんじゃないの…!?」



その一言で、また目が熱くなる。







かなかながポケットからスマホを取り出す。

すいすいと右手を動かし、俺に見せる。


「これ見て。」

「…え?何や、これ…?」

「明那の配信の切り抜き。まぁ、見ててよ。」


loading画面からぱっと映ったのは、笑顔の明那だった。


(…!明那…。)




『そうそう〜wなんかもうね〜ww』




元気そうに話す明那を見て、胸が痛む。

目を覚ましてもう一度、こんなふうに話してくれたらって思ってしまう。



『いやぁ〜〜、やっぱふわっちの幸せは俺の幸せだよ?それぐらい俺ら絆深くねって思うんだけどな、俺の片思いですかこれーー』







え?





「よく聞いててね。」

かなかなが優しく微笑む。


動画は淡々と続く。




▷もし否定する野郎いたらどうする?(⚠︎リスナーのコメント)


『え〜〜?あー、うーん、…俺が相手してやるぞ!?うははwwwwww』


▷疑問形で草


『いや違うって!!!!疑問形ではない断じて!!』


▷そういうやついたら結局どうする


『んー、まぁそりゃ、許せないよね。てかふわっちはええ男だって事を俺がそいつらに分からせちゃうねw舐めんな〜?この最強あちなを。ふわっちアンチは全俺が許さん🫵見てるぞ』


画面越しの明那が、そう言って笑う。





『ふわっちめっちゃ最高よ?本当に!俺の最高のダチ。マジで優男なんだよ絶対モテるしモテてる現在進行形で。あ、おーい!!ふわっち〜〜!!見てるか〜??w

いつもありがとなー!!!!』














涙腺が










『俺お前のこと、愛してるよーーー!!!』









崩壊しちゃう











そこで切り抜きが終わり、チャンネルのエンディングに入った。

かなかながスマホの電源を切る。





「…どうだった?」




ずっと鼻水をすする。


「…ッ、かなかなさぁ…、なか、泣かせに来てるでしょ…。その切り抜き保存してる時点で俺達のこと好きすぎやん…w」

「えへへ〜、バレたか。」







けど、また顔が涙で濡れていくのを感じてしまう。



「…ッッ、でもっ、でも…!どうしよう……!!俺…!おれ、あきなにひどいことしちゃった…!俺があきなんち飛び出さなければ…!!…おれの、俺のせいで明那は…!!」


かなかなが俺の背中をぽんぽんと優しく叩く。



「明那が怪我しちゃったのはふわっちのせいじゃないよ。大丈夫。明那がふわっちのことあまりにも好きすぎて、焦って走って、きっと気持ちが高ぶっちゃったのかもね…。明那はふわっちの事嫌いになったりしないよ、絶対。明那はそんな奴じゃないから。」


僕には分かるよ。




かなかなはそう言った。




かなかなの口から出る一言一言が、あまりにも優しすぎて、心がぎゅっとなる。





____「ふわっち、明那のこと、本当はどう思ってるのか、教えてよ。」




「____んとは…。」

「…本当は?」


「…ッ!!ほん、とは…!!」



また、止まんなくなる。




「あきなともっと配信したい…っ!

あきなともっと歌うたいたい…っ!

あきなと色んなとこ行って、美味しいもん食べて、!あきなと変な話してわらって、!!」




かなかなが頷く。

目から溢れる涙は止まんなくて。





泣いてるせいで言葉は途切れ途切れで、不器用で、少しみっともないけど____









「明那に、俺もありがとうっていいたい…!

他のやつになんか、とられたくない…!

もーいっかい、もう一回だけ!

…叶うなら、

今度こそすきって、大好きなんだよって…!!

いいたいよ…!」




「___よく言えました。偉いね、ふわっち。」





かなかなが俺の頭を撫でる。

そして少し下を向いて、続けて言う。


「俺もさ、もし葛葉が明那と同じ状況だったらそう言ってる。僕にも、そういう大事な人がいるから、分かるよ。」

少し切なそうにかなかなが笑う。


「えっ?もしかしてのもしかして???かなかなずはのこと好きなん??」

「…。」





かなかながきょとんとした顔をしてから、急に上を向いて空を眺め始めた。

「あ〜、今日は満月だね〜〜〜。」

「いやめっっっっっちゃ欠けてますよ叶さん!?!?」

「まぁまぁ、僕の話はいいじゃない〜。」


あははとわざとらしく笑う。

茶化されたなこれ…。

少し煽ったのが悪かったのか…。

でも二人のことは心の中で応援しよう(真剣)



かなかながベンチから立ち上がる。


「僕はそろそろ行くね。あ、明日絶対明那のお見舞いに行くから。僕達くろのわに案件来てて、その配信しなくちゃいけないから、多分ふわっちとはお見舞いの時間ズレちゃうかもだけど…。ふわっちも確か、Twitterで配信の告知してたよね〜?」


「うん、スプラの配信やる予定だったんやけどね。けど今は全然明那のことのほうが大事だし、もしかしたら伸ばすかも。」


「そりゃそうだよね〜。てか、明那のこと事務所にも言わないとね…。」

「そうなんよな…、多分しばらく入院すると思うし…。俺から連絡しとくよ。」



かなかながこくりと頷く。

サイドに一つにまとめた髪の毛が風に揺れている。


「じゃあふわっちお願いね。

…元気だして。

明那、きっとすぐ目、覚ますから。」




その言葉で少しだけ心が軽くなった。

思わず頬が緩んでしまう。


「うん…!俺も目、覚ますと思う!

てか今日はありがとなぁかなかな…!

いっぱい慰めてもらって話も聞いてもらっ

て…、色々と申し訳ない…。」


「うん。大変な状況だとは思うけど、僕がいるから大丈夫、いつでも頼って。ふわっち、本当にあまり思いつめないでね」


「うん!俺、かなかなのことも好きやで!」


「え〜w照れるなぁ〜。僕もふわっちと明那のこと好きだよぉ〜。」


「明那はおれのだからね!!!!」


「はいはい、分かってるって。夜なんだからあんま大きい声出しちゃダメだよ、じゃあね〜。」


「ばいばい〜!」


手を大きくぶんぶん振る。

やがてかなかなの姿は遠ざかって見えなくなり、自分も家へと歩き出す。






かなかなは本当に凄い。

あれだと人の話聞くの相当慣れてるんだろうな…。

でも、本人自身の悩みはちゃんと他の人に打ち明けられているのかどうか、そこは少し気になるし、心配だななんて思う。


俺も、今度はかなかなが辛い時、話を聞いてあげたいって思う。


そんなことを考えながら、街灯がぽつぽつと灯った暗い夜道を、一人で歩いた。







𓂃.◌𓈒𖡼𓂂


-次の日-

俺は明那のお見舞いにやってきた。

一応退院するまで毎日通うつもりだ。

だって俺明那のこと大好きだから(断定)


あと、事務所にも明那のことを報告した。明那のマネージャーもびっくりしていて、絶対お見舞いに来るとのことだった。


明那の仲がいいライバーにもすぐその情報は出回ったそう。きっとみんな来てくれるんだろうなぁ。


受付に行き、明那の病室の番号を聞いた。

どうやらB棟の221号室らしい。


明那が前好きだと言っていた、セ○ンの金のバニラアイスをお見舞いの品として行く途中で買ってきたんだけど、受付の人に冷凍庫があるかどうか聞いてみたところ、「病室にはありません」ときっぱり言われた。



いやぁ流石に馬鹿やなぁ俺。これ病室で一人で黙々と食うと思うと絵面めちゃくちゃシュール過ぎないか…。

しかも寝てる明那の前で食うとか、なんか申し訳ない気持ちが…。なにしてんのマジで。

今度はちゃんと別の持ってこよ。





「221号室…。221号室…、お、ここかぁ。」


この部屋に、明那がいる。

昨日ぶりだな…。


病室のドアを開けようとする自分の手が微かに震えていた。




きっと、明那の痛々しい姿を見るのが内心怖いのだろう。

分かってる、そんなこと。俺が一番。



(俺が毎日来ていれば、明那、きっと目…覚ましてくれるよな…。)


なんとかそんなポジティブ思考を保とうとする。

病室の扉をゆっくりと開ける。







どうか、








「…あきな?」






明那は病室の真っ白なベットですうすうと寝ていた。

右腕に点滴が繋がれている。


そして、頭と足には何層も包帯が巻かれていて、頬にはガーゼが貼られていた。


「…ッ」



明那の怪我してしまっている姿を改めて目の当たりにして、思わず言葉が出なくなってしまう。


けど、ちゃんと寝ている。息もしている。

あとは明那が目覚めるのを、待つだけだよね…。






「あきな…、おはよう。俺、来たよ。

目が覚めたら、退院したら、また二人で楽しいこといーっぱいしような…!」



明那の手をぎゅっと握る。明那の手は俺より少し冷たくって、切なさがぐっと増す。



返事なんて返ってくるわけないけど、こうして語りかけているだけでも、明那が傍にいてくれている…、息をしているってだけで、心が満たされていく。



奥の机を見ると、他のライバーからのお見舞いの品が沢山置いてあった。


「ほぇー…、みんな俺より来るの早いなぁ…。あっ、かなかな来てる!ヒバくんも、エクスも、明那のマネージャーも来てる。」

きっとここからもっと来るんだろうなぁ〜…。明那、みんなから愛されている証拠だね。




「俺、明日あきにゃに花とか持ってくるよ。今度はちゃんと溶けたりしないやつ。楽しみにしててね。」

すり…と明那の頬を撫でる。

あぁ、やっぱり顔、めっちゃ可愛い。

心臓がドキドキいってんのが分かる。



…こんな痛々しい傷をつけさせた自分に、少し腹が立つ。



はやく、はやく治ってねあきな…



ごめんね…









次の日も、その次の日も、俺は明那の病室に足を踏み入れた。

たまにかなかなと会えるときもあった。



…けどまだ明那は目を覚ます様子はない。



流石に3日、4日ともなると、机がお見舞いの品でこんもりとしていた。


食べ物とかが半分を占めているので、明那が起きた時、本人がこれ全部食べるの大変だろうなぁ〜とか余計な心配をしたりもした。


メッセージカードなどに「早く目が覚めてほしい」とか「また遊ぼうね」などのあったかい言葉が沢山綴られていた。



俺やっぱ、明那がみんなから愛されてて嬉しいよ。












俺が明那のお見舞いに来て5日目。

いつも通り、病室のドアをガラッと開けた。













俺は目を疑った。






「…!?あきな…!!」

明那が体を起こして、窓の外を見つめていた。



俺は驚きが隠せなくて、暫くの間その場に馬鹿みたいに突っ立っていた。

明那がこちらを振り向く。



久しぶりに何も変わってない、あのブルーグレーの目と目が合う。




「あきな…!目、覚めたんだね…!

ほんとにっ…、本当に良かった…!俺、ごめん…!明那にいっぱい迷惑かけて…!」



もう本当に嬉しいが過ぎて、思わず目が潤んでしまう。

目が覚めるの、ずっと待ってた。俺、本当に嬉しいよ。






…ん?あれ、あきな…、なんか変…?












ようやく明那がゆっくりと口を開いた。














その予想は、的中した


















「…あ、え、っと…。ごめんなさい、誰、ですか…?」

















____へ?











____to be continued

この作品はいかがでしたか?

945

コメント

2

ユーザー

まじで😭、、泣かせに来てる!涙腺崩壊、かなかなー

ユーザー

あちなが目覚めて窓の外見てるところからまさか…と思い、やめてくれーーー!!って叫びながら読み終えました、笑 辛いけどめちゃめちゃおもろいです…泣けました、更新待ってます! かなかな良い男!!!

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