「パァンッ!」
あの弾は…私を狙っていない
向かう先は……
……ぁ
「中佐………っ…だメ!」
私は銃弾の軌道に自ら入っていった。
そして、そのまま銃弾は私を貫いた。
中佐がこちらに駆け寄って来る。
痛い…、この前とは違う。
あァ……
私、ここで死ぬんダ。
中佐のために死ねるんダ。
…ごめんなさイ。中佐。
あの命令、守れませんでしタ。
死ぬことは怖くなかったはずなのニ、
どうしてだろウ。
目の前が水でぼやけていル。
心は空っぽなはずなのニ、
こノ、溢れてくるものは何だろウ。
………………イヤダ………………!
…死にたくない…!
…まだ生きたい!
中佐と話したい……!
今まで感じたことの無いもノ。
悲しい
………やっとわかった。この感情が。
今ならわかる。この意味が。
私の求めていた答えだったはず。
分かりたかったはずなのに、分かりたくなかった。
今はそう思ってやまない。
「ドール!」
…さようなら。
「中佐…、ご武運を…。」
18年という短い間に、
私は何人の人を殺してきたのだろう。
人形として送ったこの人生で、
最後の一瞬ぐらいは…
心から想えたことがあった。
人間になれた。
そう思いたい。
コメント
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これで終わり!?ドール生きてー