三階の南東・・・元々古川たちが居た二階の事件現場からすぐだった。古川「誰か!大丈夫ですか!」
声をあげても向こうから返事はなし。
津田「そこ左です!」
古川「よしっ!」
「だいじょうぶですk・・・」
そこにあったのは、二人目の白雪姫役候補、「美奈川 橤」(みながわ はな)の死体だった。
古川「遅かった・・・ということか・・!」
悔しそうに言葉を吐いた。
上野「しかし、どういうことでしょう・・・。」
上野が不思議そうに言葉を吐いた。
津田「しかしって、どういうことですか?」
上野「もし仮に、犯人がこの場で殺害したのなら、逃げ道は、僕らが来た方向しかありません。」
「しかし、僕らは誰にも会わずにここへ来た。では、犯人はどこへ・・?」
全員が思った。確かにそうだ。
南東の角部屋なのだから、逃げるための通路を確保するには、
少なくとも曲がり角を曲がらなければならない。
殺してすぐに階段を使ったのはまず可能性としてない。
我々が階段を使ってきたのだから。
エレベーターはもっと無理だ。僕らがエレベーターの位置を見た時、地下一階にあったのだから。
ここまで登っている間に、我々が到着しているはず・・・
上野「これで、残りは二人になってしまった・・・のか。」
山田「そうだ・・お二人は!」
山田は勢いよく〔休憩室〕の扉を開ける。
部屋の中には、怯えながら震えていた「影山 巴奈」(かげやま はな)と
「美濃部 椿」(みのべ つばき)がいた。
古川「美奈川さんは、なぜ外に?」
影山「お腹が痛いって言い出して・・10分前ぐらいに・・。」
津田「つまり、トイレから帰っている途中に・・?」
美濃部「時間が経って、私もトイレに行こうとしたら、見てみたら・・・」
思い出したくないのは分かる。
上野「たぶん、美奈川さんはトイレに行く〔前〕に殺されたのだと思いますよ。」
全員が驚いた。
古川「行く前?ですか?」
上野「ええ。」
上野は口を開く。
上野「トイレに行った〔後〕の場合、顔を見られる場合があります。タイミングがわからない限りね。」
「なら、ドアを出てすぐに殺したと判断できます。」
古川「しかし、なぜ部屋を出るタイミングがわかったんですか?」
上野「これです。」
上野が指を指したものは、「ベンチ」だった。
津田「ベンチ?これがなんだっていうんですか?」
古川「ベンチ・・あ、そういうことか!」
上野「勘がいいですね。古川警部補。」
上野は称賛しながら続けた。
上野「犯人は、このベンチで身を隠し、次の獲物が出るのを待っていた。ということです。」
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