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ゴールデンウィークごろに思いついて書き溜めてたネタでした。ガチの🐸❄️を本当書きたくて…今日の夜かけるとこまで書くつもりです。
好きな人から、好きですと
告白されてしまった
…人生で初めてだ。
「シヴァさぁーんどこみてんの?」
「え、あ、ごめん何?」
「はげず、いつやるって」
ぼんやりしてたらうりが視界に入ってきた。
目の焦点あってないけど、大丈夫なの?
…なんて言われてしまう。
焦ってスマホを覗き込んだ。
「ダメな日ある?」
「あー…基本夜中だろ?大丈夫、土日なら…でもこの日は飲み会だわ」
「なに、オンナノコもくるそれ系のやつ?」
「ちっげーよ!」
あの子が好きだとはっきり自覚してから、それ系の飲みは一切いかなくなった。
まぁ行ったところで、楽しく飲んで終わるのがほぼだが。
そんな気ないのに相手にも失礼だし…あとはなんかやだな、と思って。
「なんだよー彼女欲しい欲しいって言ってたくせに…いつからか、ぱたっと言わなくなったよな」
「そういえばそうだなね、あれ、いつからなー…」
「うるさいよイケメンどもめ」
じー…
チームネジ外れのふたりが俺の表情を探ってる。
顔が無駄に整ってるふたりに見られてたじろぐ。
いいよな…イケメンはさ。…ふたりなら、あの告白にどうやって答えるんだろう。
「…シヴァさん、ここ最近ぼうっとしすぎじゃない?」
変に鋭いなおきりさんに指摘され肩が揺れてしまった。
「そ、うかなぁ」
「あの、あれ、みんなで大阪に行った後あたりから」
なおきりさんは俺の顔をさらに覗き込んできた。
俺はもう整った顔を直視したくなくて、視線を逸らす。
じーっと…なげーな。
まだ見てくるんだけど…。
そんな俺らのやりとりを、うりが横目で伺ってるのがわかった。
「確かにな」
「ね?うりりんもそう思うでしょう?」
なおきりさんの疑問にうりが相槌を打った。
やめろ、そこ結託しないでくれよ。
あの日のことを突っ込んで聞かれたら、上手く誤魔化す自信がない。
俺が黙りこくていると、なおきりさんが呆れた顔して腰に手を当てた。
「というかね、あの大阪の日。僕見ちゃったんだよ、…ねぇなんで返事しなかったの?」
「あ”見てたってアレを!?るなさんとのやつを!?ってこと!?」
わっと大きな声を出したものだから、なおきりさんが少し後ろにのけぞる。
誤魔化すどころかバレていたなんて、想定していなかった。
「ずーっと片想いしてる相手から、あんなにかわいい告白されて。…シヴァさんずっと黙ってるんだもん…僕代わりに言ってあげようかと思ったくらい」
「ちょ、まって!なんで俺の片想い知ってんの!?」
「酔った時にちょいちょい僕に話してくれてたけど、なんも覚えてないの?」
「嘘だろ!?覚えてねぇ!!」
「ほんとでーす」
はぁーあ、なおきりさんがおっきなため息をついて後ろを向いてしまった。
冷蔵庫を空けて、ごそごそと缶を三本適当に取っている。
と、いうか
さっきから暴かれる俺の秘密を、ただ黙って視線だけ送ってくるやつが
まさか
「悪ぃ…オレも知ってたんだよなぁ…」
「…なぁんでだよ!!」
「えとさんに聞いた。まぁオレもちょっとした協力者だったんだよ」
偶然二人っきりになったと思っていたのは、えとさんとうりの策略だったらしい。
そこに偶然居合わせたなおきりさんが、すべてを頭の中で合致させたらしく
三人で結託したとかしないとか。
るなさんに、大好きですと言われた。
すごく可愛かった。
見惚れてしまった。
伏し目にほおはうっすら桜色
小さな声は鈴が鳴るよう、耳元で囁かれてる感覚に陥る。
間抜けな話だが、そこでやっと告白されてることに気づいた。
「ずーっとかたまってたよね。」
「シヴァさんどうせ、るなかわいいなーとか思ってて返事忘れたんだろ」
「ちょっと黙っててくんない!?…だって信じられないだろ」
なんで、うりがいつもより低い声をだした。
「だって、俺だよ?その、るなさんて、モテるじゃん。本人はわかってないけどさ、魔性なとこあるだろ。…別に俺である意味は「すとーっぷ」
なおきりさんが俺の話を遮った。
「…るなさん信じてあげなよ。頑張って告白したんだから。あと、シヴァさんもっと自信持ちなよ」
「…ん、でも」
「でも禁止だよー、しーばーさん」
カシィ
場にそぐわない、缶をあける気持ち良い音が響いた。
「るなはシヴァさんが好き。シヴァさんだってるなが好き。それだけ考えればいいじゃん、はい乾杯」
「何をそんなに考えてるのか…まぁ、わかる気もするけど。余計な事考えないで、とりあえず気持ちちゃんと伝えなね」
きっと二人は、俺の言わんとすることがわかったのだろう。
マイナス思考に落ちるところ、手前でしっかりブレーキかけてもらってしまった。
ちゃんと、俺も伝えなきゃいけない。
シェアハウスではあんなにいつも顔を合わせていたのに…違う、後悔してる場合じゃないな。
あの子がいなくなって初めて、居ても立っても居られない衝動にかられた。