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#御曹司
鷹槻れん

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#極道
鷹槻れん

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「私が……本好きで、空想好きな女の子に育ったのは、しゅーおにいちゃんの……修太郎さんの影響なのですっ」
恐らく私にとっても、たった数時間にしか満たなかったあの時間は特別だったに違いない。
「ちょいちょい妄想の世界に旅立ってしまう困ったちゃんな私を作ったのは、まぎれもなく修太郎さんなのです。――だから……きっちり責任を取って……その、ずっと……離さないでいてくださいね?」
途中から何だか照れ臭くなってきて、しどろもどろでそう付け加えたら、修太郎さんが大きく瞳を見開いていらっしゃるから――。
(わ、私っ、何かいけないことを申し上げてしまったのでしょうか?)
修太郎さんの困ったような戸惑っているようなその表情に、私はそわそわしてしまう。
「日織さん。今のは……本心、でいらっしゃいますか?」
やがてポツリと呟かれたお声に、私は恐る恐るうなずいた。
「はい。……もちろんなのですっ」
首肯しながら声に出してそう言ったら、修太郎さんが、今にも泣き出してしまいそうな、なんとも言えないお顔になられる。
「修太郎さん」
私は努めてにっこり笑うと、修太郎さんの目を見つめて、心を込めてお礼を言った。
「私を好きになってくださって本当に有難うございます! ぼんやりしていて抜けたところだらけで申し訳ないのですけれど……私、これからもずっとずっと修太郎さんのお傍にいさせて頂きたいのですっ。――あの、構わない……ですか?」
言葉を尽くして懸命にそう告げたら、修太郎さんはとても嬉しそうに笑っていらした。
「もちろんです! ――愛しい貴女をやっと捕まえられたんだ。嫌がられても離してあげられそうにありませんからそのつもりで。覚悟していらしてくださいね?」
言いながら、ギュッと手を握られて……独占欲を隠そうとなさらない修太郎さんの強い瞳に、私の胸はドキドキと高鳴る。
本当はそのまま抱きしめていただきたかったけれど、さすがに何度も何度もお食事中に席を立つのはマナー違反だし、佳穂さんと健二さんの前だから。
私は修太郎さんに近づきたい衝動をぐっと抑えると、私の右手を包み込む彼の大きな手の上に、自らの左手を重ねてギュッと握り返した。
***
「日織さん。俺が提案した通り、外に働きに出てよかったでしょう?」
私と修太郎さんの会話が一区切り付いたと判断なさったのか、健二さんが、ほんの少し声に笑みを含ませてそうおっしゃって……私は弾かれたように修太郎さんに重ねていた手を離す。
健二さんと佳穂さんの存在を忘れていたわけではないけれど、若干二人だけの世界に入り込んでしまっていたと自覚して、途端恥ずかしくなった。
手を自分の膝のほうへ引き寄せたいのに、修太郎さんは、最初から掴んでいらしたほうの手を離しては下さらない。
仕方なく、片手を繋いだ状態のまま健二さんを見つめると、ニヤリと笑ってウインクされた。
「あの頃の日織さんが俺の言ったことや親御さんから言われたことに逆らわないのは分かっていたので……すみません。貴女の流されやすい行動を見越して少し利用させてもらいました」
言われた言葉の意味が分からなくて「え?」と声を出したら、
「兄さんがね、ことあるごとにお前の許婚は元気なのか?とか日織さんのことを気にしてくるのが正直面倒くさかったんです、俺。……で、佳穂に相談して賭けに出させてもらいました」
本来なら佳穂と付き合うようになった時点で、婚約の件は白紙に戻してもらおうと思っていたんです、とおっしゃってから、「どんな形であったにせよ、騙すような真似をしてふたりには申し訳ないことをしました」と、佳穂さんと頭を下げていらした。
「健二から修太郎の話を聞かされたとき、私、その子と再会できるようにしてみたら?って言ったの」
顔をお上げになられると、ややして佳穂さんが健二さんの言葉を引き継ぐようにそうおっしゃった。
「修太郎ってね、変なところで奥手だったりするの。だから周りからお膳立てしないと無理だなって思っちゃって」
修太郎さんにちらりと視線を流されてから、佳穂さんが困ったように微笑まれる。
コメント
2件
すごい! 健二さんがひおりちゃんを仕事に出したの、そう言う理由があったんだ。 最初はなんて横暴な婚約者なの、って思ったけど納得!
わあああ〜!!もうこの回、尊すぎて時空歪むかと思ったよ!!😭💕💕 日織ちゃんの「ずっと離さないでいてくださいね?」とか、修太郎さんの「嫌がられても離してあげられません」とか、全部がエモすぎて胸がギュンギュンするんだけど!?✨✨ 健二さんと佳穂さんの「お膳立て」の話も、全部含めてこの二人を繋ぐ大きな優しさに包まれてて、読後感がぽかぽかだよ…🌸 #修太郎さんが泣きそうな顔するシーンでこっちも泣きそうになった💦