テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
キルアの告白
戦いから、数日後。
一行は、湖のそばの町に滞在していた。
平和で、静かで。
久しぶりに、安心できる場所。
夕方。
×××は、湖を眺めていた。
水面が、オレンジ色に染まる。
そこへ――
「……ここにいたか」
キルア。
少し緊張した声。
「……うん」
隣に座る。
沈黙。
長い。
重い。
キルアは、何度も口を開いては閉じる。
(……言え……俺……)
×××は、横顔を見る。
「……なにか、言いたい?」
「……っ」
図星。
キルアは、深呼吸。
「……俺さ」
拳を握る。
「……ずっと……」
「×××のこと……」
心臓がうるさい。
「……好きだ」
小さく。
でも、はっきり。
「仲間とかじゃなくて」
「……特別に」
×××の目が、揺れる。
「……キルア……」
胸が、ざわざわする。
温かい。
苦しい。
落ち着かない。
(……これが……?)
(……好き……?)
わからない。
知らない感情。
「……ごめん」
×××は、正直に言う。
「……私……」
「“好き”って……よく、わからない」
キルアの顔が、強張る。
でも、黙って聞く。
「……今まで……」
「生きるだけで必死で」
「誰かを……そんなふうに想う余裕……なかった」
視線を落とす。
「……キルアのこと……」
「大事」
「一緒にいたい」
「失いたくない」
「……でも……」
言葉を探す。
「……それが……恋なのか……わからない」
沈黙。
風が吹く。
キルアは、しばらく黙って――
そして、ゆっくり笑った。
「……そっか」
「……正直で、ありがとな」
×××は驚く。
「……怒らないの?」
「怒るわけねーだろ」
少し照れながら。
「……むしろ……」
「ちゃんと考えてくれてんの、嬉しい」
×××は、ほっとする。
「……だから……」
「……少し……時間……ほしい」
「……いい?」
キルアは、迷わず頷く。
「いい」
「いくらでも待つ」
即答。
「……逃げないで言ってくれたのが……」
「一番、嬉しい」
胸が、きゅっとなる。
×××は、小さく微笑む。
「……ありがとう……」
その帰り道。
自然に、手が触れる。
……離さなかった。
夜。
布団の中。
×××は、目を閉じて考える。
キルアの声。
笑顔。
心配そうな顔。
泣いた顔。
(……全部……大切)
(……考えるだけで……胸が……)
ぎゅっとなる。
「……これが……?」
まだ、答えは出ない。
でも。
確実に――
もう、戻れない場所に来ていた。
to be continued…