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【attention】
🇳🇴🇸🇪です。
ヤンデレです。
多少ですが猟奇的な描写アリ。
🇳🇴視点です。
スウェーデンは、ずっと僕のそばに居てくれた。デンマークに理不尽に怒られた時、彼は必ず僕のことを庇ってくれた。
そんな彼が大好きだった。大好き…いや、きっと、信仰の域だったのかもしれない。それくらい、彼は僕にとって大きく、そして憧れの存在だった。
そんな彼が僕から離れていった。
カルマル同盟、僕とデンマーク、そしてスウェーデンの三国で結成された同盟。盟主はデンマークで、僕達は半ば強制的に参加させられた。
当時の僕達は弱く、とてもじゃないが、デンマークには逆らえなかった。
スウェーデンは、僕を置いてカルマル同盟から出ていった。僕を置いて出ていってしまった。
「待って」と、どれだけ声を荒らげて、彼の方へ手を伸ばしても、彼は振り返ることなく出ていってしまった。
…僕の心の中の、大事な大事な何かが、壊れてしまった。とても大切なもの。
彼は、僕の生きる糧だった。スウェーデンが居たから、辛い出来事も頑張ろうと思えた。
彼は間違いなく、僕の「心臓」だったのだ。
それに気づいた時には、もう何もかも遅かった。どこにも行かないで欲しい。できることなら、ずっとずっとそばにいて欲しい。
お前は僕の心臓なんだと、必死に呼びかけても、彼は軽くあしらうだけだ。本心なのに、冗談だと受け取られてしまうのだ。
だったら……
「…こうするしかないじゃん。」
彼が僕から離れてしまうなら、また捕まえれば良い。捕まえて、もう二度とこちらから離れられないようにしてしまえば良いのだ。
こうするしかないんだ。
僕の心臓なんだから、僕の近くにいないと。
また彼が、あの部屋から逃げようとしていた。
何故?何故だ?何故彼は僕から離れようとする?
…あんなに優しくしているのに、彼は僕に好意を向けるどころか、冷たく、化け物でも見ているかのような視線を浴びせてくる。
なんで逃げようとするんだ?…意味が分からない。こんなにも大切にしているのに。
武力なんて捨てて、弱りきった瀕死の猫同然の彼に手を差し伸べてくれる国なんて、他に居ないはず。
…誰かいるのか?彼にとっての「心臓」が。
それなら、そいつは消さないといけない。
…目星はついている。僕の心臓に近づく、クソみたいな腫瘍の正体。善は急げだ!明日にでもあいつ…フィンランドを殺してやる。あいつは僕とスウェーデンの間にいちゃいけない。
机の上にあったハサミを奪い取るように持ち、ギュッと握りしめた。殺意を抑えるために必死に必死に脳内であいつを殺すシュミレーションを行う。
……大丈夫。殺せる。殺してやる。
次の瞬間、この家の出口付近から「ガタン」という音がした。物が何かがぶつかり、崩れるような音。嫌な予感が蛇のように背中を這う。
ただゆっくり、嫌な予感で暴れ狂う心臓を抑えながら、僕は1階に降りていく。
…悲しいことに、嫌な予感は的中していた。
「…また、逃げようとしたの?」
そこには、出口のパスワードを入力しているスウェーデンの姿があった。近くにはゴミ箱が転がっており、紙くずが散乱している。
僕は、後ろから優しく彼を抱きしめた。決して心境が穏やかなわけではない。…分からないのだ。分からない。なぜ彼は僕から逃げようとするんだ?
「僕以上に君を大切にしてくれる国はこの世に居ない。」
「…スウェーデン、なぜ僕から逃げようとする?」
「次逃げようとしたら、切っちゃうからね。ここ。」
彼の足を軽くつつく。スウェーデンは、何も言わずに、ドアノブに手をかけていた右手をそっと落とした。酷く震えた、冷たい手。
…次逃げたら、スウェーデンの足を切り落とす。そうしないと、彼は僕から離れてしまうから。君には僕しかいなくて、そして僕にも君しかいない。それをしっかり彼に教え込まなければ。
「愛してるんだよ、スウェーデン。」
自分でも気味が悪いと感じてしまうほど優しい声でそう呟く。スウェーデンは何も言わずに、その酷く怯えた手で、僕を抱き返してくれた。「はぁ、はぁ」と、彼は妙に呼吸を荒らげている。
「…僕から逃げようとする君が悪いんだよ、スウェーデン。」
そうだ。君が悪いんだ。僕の優しさを無下にする君が全部全部悪いんだ。
いつしか泣き出してしまいそうな雰囲気の君をギュッと抱きしめる。僕の加虐心が酷くうずく。少しでも力を加えれば、すぐ壊れてしまいそうな、ガラス細工のような彼が愛おしい。
「もう逃げないでね、スウェーデン。」
こんなにも君を愛している。
君は僕の「心臓」なんだ。生きる糧なんだ。僕も君にとっての「心臓」になれるように頑張るから、君も僕にとっての「心臓」になってくれ。
これからも愛してるよ。
だから、お願いね。
コメント
2件
うわぁぁぁ…めっっちゃ好きです…🥹見ててゾワゾワしました🫶(?)切実に足切られてほしい、その足保管してそうだな…堂々と額縁に飾ってそう(?)