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「これが最後のパズルじゃ」
そう言ってじいさんが僕に渡したのは
毛玉の様な物だった。なんじゃこりゃと
思ったが、よく見ると結び目があり、どうやらこの結び目を一つ一つほどいていくらしい
隙間に無理やり指を入れると、ちょっとだけ
結び目がゆるくなった。なるほどね
そして、僕はいつもの様に解き始め
案外、あっさりほどけたのだった
「早いな」じいさんは嬉しそうに言った
「そりゃ、毎日解いてますから!」
僕は自慢げだった。だって嬉しいんだもん
「やれやれ、修行が上手く行って良かったわ」
「修行?」
「気づかないか?今までやって来たことを思い返してみい」
「今までやって来たこと…」
僕はじいさんに助けられてから、ここに連れてこられてひたすらパズルを解いて解いて解きまくって…今日もパズルを解いて
「あのパズルが修行?!」
「そう、なんせお前さん1時間しか居られんからな。ワシも苦労したわい」
じいさんは右腕を退屈そうにぐるぐる回した
確かにパズルはやたら重かったり、大きかったり、難しかったり色々あったけどまさかあれが修行だったなんて…
「それで今日は念願の魔法を使う日ってわけよ。喜びな存分に」
「え?!マジですか」
久しぶりにぱあっと笑った気がした。
あの日からすっかり忘れていたが、そういや
魔法が使いたくてこのじいさんについていったんだっけ
「で、どうやってその魔法ってのを使えば?」
「胸に手を当ててみい、その中に答えはある」
「胸に…?」
僕はそっと心臓がある辺りに手のひらを当ててみた、すると…
何故か真っ白な空間に来てしまった
「じいさん、じいさん」と呼んでみたが、
反応は無かった。
しかし、ここは何なんだろう
紐でぐるぐる巻きにされた球体がどこかしこ
に浮かんでいる
<ほどけそうなのをほどきなさい>
声…?じいさんじゃない、女性みたいな
声だ。ほどけそうなの…あった
少し前に歩いたとこに紐がほぼ無くなっている球体があった、これを引っ張れば
ぺたっ
「あぁああっっぢゅああ!!?」
球体はとっっても熱かった
何なんだろうこれ、引っ張ってみるか
そうして、球体は丸裸となった
すると、気温がさっきよりずっと高い
これは、ヤバい
真夏ってレベルじゃない、ストーブ10台ぐらいで周りを囲まれた様な
逃げなきゃ、逃げなきゃヤバい
とにかく逃げ…
あ、あれ?
気づけば、僕はあの空間から元の場所にいた
「じいさん、僕は今までどこに…?」
「心の中じゃよ。それより身体が熱くてたまらなくなって来ないか?」
「熱い?!」
じいさんはにやりと笑った。まるで子供みたいにだ。僕は汗が止まらなくなってきた
熱い、果てしなく熱い、倒れてしまいそうだ
「だったら解放してしまえばいい。手を広げてみい」
「あ、うん…」
言われるままに両の手のひらを空に向けてみると、なんと手のひらから炎が吹き出した
感じる、身体の内側から血の様に手のひらへ
昇ってくる熱を、力を
「これが…この世界の魔法」
僕は歓喜のあまり、そこら辺を走り回ると
大きな岩石を殴って、殴って破壊した
<ゲームの制限時間に達しました>