「はあ……はあ……」
ベッドにすがりついて助けを求めてもシャーロットも侍女達も誰も来ない……どうして……?
熱が……辛い……苦しい……助けて……誰か……私を……助けて……
誰か……誰か……!!このままじゃ……死んじゃいそう……
叫んでも泣き喚いても誰も来なかった。ただ一人ぼっちでモゾモゾモゾモゾ悶えているだけ。
――私を……誰も……助けてくれない……――
跳ねるようにと起き上がった。なぜだか嫌な予感がしたから
幸いアレは夢だった。でも……夢の1部は現実にもなった。
「はあ……はあ……夢だけど……現実でもある……」
私はレーン王国の公爵令嬢のキララ・アメーシャ。6歳。生まれつき病弱でお仕事でお忙しいお父様やお母様よりもほとんど傍で看病している主治医のシャーロット・ルエルばかり見て育ってきた
「起きましたか。お嬢様。熱がありますね。横になって安静にしていてください。」
「……お肉食べたい……」
横になって息を切らせつつシャーロットにお願いしてみる。
「いけません。脂っこいものは避けた方が良いです。果物をお持ちします。」
「……」
シャーロットが部屋を出るとウトウトしていたのか眠ってしまった。
キララが目覚めたのは2日後のことだった。
「あ……寝ちゃってた……果物……」
周りを見ても果物はない……シャーロットもいない。お父様に報告に行っているのかな……
「……お腹すいたな……ケホッ……コホッコホッ……」
ベッドの近くには五本の赤い薔薇が咲き乱れている
「……花でさえあんなに元気なのに……赤い薔薇の花瓶……誰がおいたんだろう……」
ベッドから立って部屋の扉を開け、数歩出た瞬間キララはバランスを崩して倒れた。
「うぅっ……痛い……ゲホッゲホッ……」
そこに偶然通りかかってキララを見つけた侍女が走って向かってくるのが分かる……
「大丈夫ですか!?お嬢様!!」
「……シャーロット……は……?」
喉が……痛い……声が……
「先生は数時間前に買い物に出掛けられました。」
キララは涙が溢れそうになった。今まで親同然のシャーロットが居ないのだから。
「じゃあ……お水と食事を持ってきて……」
「承知致しました。」
はぁ……あまり動いちゃダメだし……早く……戻らないとな……シャーロットに見つかったら怒られちゃうかも……
やっとの事で部屋に付き、ベッドに戻ると急に体調が悪化してきた。熱でもない……こんなに重い症状が重なることは今まで無かった
「うぅ……おえっ……ゲホッ……ゲホッゲホッ……ゲホッ……ゲホッ……」
……はぁ……喉が……口全体が……酸っぱい……
その時小さな音を立てて誰かが入ってきた
「……お嬢様。大丈夫ですか。」
入ってきたのはシャーロットだった。キララは安心したような今にも泣き出しそうな声で言った
「シャーロット……」
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