「なぁ、イタリア」
「お前も」
「こっちに着かないか?」
ほんの少しの風が通り抜ける森の中。
隣り合わせの敗北に抗う2分の1。
「なんで?」
「なんで、”ioに”それを。」
イタ王の含みのある言い方が、既に凍った様な空気を更に冷たいものにする。
イギリスは依然、英国紳士の顔は崩さない。
「2人を裏切れ、って事だ。」
韓国が鋭く言い放つ。
イタ王の眼はカッと開かれ、拳は強く握られていた。揺れる瞳が、その動揺を露わにする。
北朝鮮はただこちらに眼光を向けて目を細め、まるで疑う様な表情を浮かべていた。
「提案をするなら、当然メリット、デメリット、概要は包み隠さず話してもらうけど。」
呆れたような、探るような言葉を自然と使っていた。
何もわからず、知らされず、問答無用でそうする他なかったあの時の何時までも消えない後悔を宿して高鳴るその胸に、どんな感情が隠されているのか、3人には分かり得ない事だろう。
一見、冷静冷酷で狂気を含んで見えるイタ王の瞳、表情。イギリスには、気のせいかその瞳に薄らと涙が写って見えた。
その傍ら北朝鮮には、口元が少し微笑んでいるような恐怖を与えた。
「随分警戒されているようですね、」
イギリスが、僅かに鼻で笑う様な、舐め切った態度で話す。その姿勢にイタ王は少々腹を立ててしまったようだ。
「…ふざけるなよ」
イタ王のいつもとは全く違った、高圧的で強い口調がその場の緊迫感に拍車をかける。
「余裕が無いのはそっちじゃん?お前らは殺られる側なの。」
韓国も鋭い言葉遣いで言い返すも、イタ王には響かない。
「ioが…、今までどんな思いで生きてきたか。」
「何も分かっていない癖にッ!」
イタ王の声と同時に銃声が響いた。
感情的に乱発されたと思われた弾丸は、いつの間にか韓国の胸のあたりを貫通していた。
韓国は、状況が飲めずカッと目を開いたまま数秒突っ立っていたが、すぐに倒れ込んだ。韓国の瞳に、汚い地面の色が映りこむ。
「馬鹿ッ…、! 」
北朝鮮が咄嗟に駆け寄ろうと動くものの、その危険を察知したかの様にゆっくりと警戒しつつの行動に出る。
北朝鮮の手に握られているものを、イタ王は知らかった。だとしても小型で、ただ、爆薬が詰められていて明らかに威力は高いであろうこと。それさえ分かれば問題は無い。
もうさっきと同じ様な手は使えない。真っ向で勝負するしか無かった。
先に始末するべきなのはイギリスでは無い。北朝鮮の方だ。イギリスは、偉そうに少し離れた場所で対して警戒もせずこちらを見ているのだ。二国の勝敗など、興味は無いらしい。
流石、ブリカスさんってだけある。
イタ王はゆっくりと銃口を上げる。
向けるのは、既にダウンしたようなものである、韓国。
彼はもう動けないだろう。
イタ王は彼ら二国の、奥深くの絆を見ていた。羨ましくもあった。
だからそれを利用する。
「ッ、!?」
北朝鮮が息を飲む微かな音が聞こえる。動いたら、即撃たれる事がわかっている為何も出来無い。
イタ王はわざと段階を踏んで、動きを自然に大きくとって撃つ体制に入った。明らかな演技だが十分である。
適当に標準を合わせて、
引き金を引いた。
北朝鮮が、見た事も無いような速さで庇いに入るが、距離がありすぎたため意味を成さない。
イタ王の本命の射撃はこっちではない。
2発目だ。
一瞬で銃口は北朝鮮へ向けられる。
絶対に外さない、
確信の一撃。
銃弾は、北朝鮮の持っていた火薬をぶち抜く。
大きな破裂音と炎が広がった
〜本日の犠牲者〜
韓国
北朝鮮
〜残り 生存者〜
イギリス
アメリカ
カナダ
中国
ロシア
国連
国盟
日帝
イタ王
ナチス
パラオ
コメント
7件
あ好き
おぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…ぁ
朝鮮兄弟がぁぁぁぁぁぁぁ!