テラーノベル
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「――まだ、ルードの分マタタビ貰ってないよ?」
耳元で、アリスが囁く。
「あっ!」
忘れてた。私は急いでポケットからマタタビ棒を引っ張りだし、アリスに渡す。
「受け取り完了!」
クックッと笑いながら、アリスはマタタビを持って離れていった。
心臓が爆発してしまうんじゃないかというくらいドキドキしている。
「あっ! そうだ」
アリスがまた戻ってきたぁぁ!し、心臓が、心臓が持ちません!
「おやすみのちゅー」
そう言って、アリスはおでこに軽くキスをした。
「おやすみ」
でこちゅー……。アリスの唇が触れた場所が熱い。私は手の平をそっと確かめるようにおでこにあてた。
アリスはベッドに潜り込み、はやくも寝息をたてはじめていた。
もー、また……。あぁー、もー。
頭の中がぐるぐるぐるぐる。メリーゴーランドに乗っているみたい。お話しもしたかったのになぁ。
私は、のろのろとベッドに潜り込み、今日はアリスの方を向いて目を閉じた。
「おやすみなさい、アリスちゃん」
小さく呟くと、返事があった。
「おやすみ、リサちゃん」
目を閉じたままだったので、その時のアリスの様子は私にはわからなかった。
ーーー
ピチュンピチュン ピッピッピッピ
二匹が元気に鳴いている。
目を覚ますと、アリスはもういなかった。私はモソモソと朝の支度を始める。
「おはようございます」
宿の食堂を兼ねているダイニングルームを覗くと、マルの家族四人とルードが朝食をとっていた。
「リサ様、おはようございます」
「リサさんおはよう、よく眠れましたか?」
「はい、とても」
ふかふかのベッドはたしかによく眠れた。とてもいい仕事をしています。
「あの、アリスちゃんは?」
「リサ様と一緒だったのでは?」
ボッと赤くなる。聞いてて、あれですがやっぱり同室って、あれでそれでわーっ!
頭で色々と考えていたことは横に置いておいて、
「それが起きたらいなくて」
冷静を装って、私は続ける。
「あぁ、アリスト君なら、夜中に少し散歩に行くと言って出ていったけれど――」
ドンドンドン
玄関の扉を叩く音が響く。誰だろう?
大きな声が外から聞こえてきた。
「クラブ! お前も手伝え。街の北東の畑にトレントが数匹でて暴れているらしい! アリスト達が足止めしてくれてるが、火が足りない! 薪を松明にして持っていこう!」
それを聞いたマルのお父さんが、ガタリと立ち上がり朝食を置いて玄関へと急いで向かった。
えーっと、アリスがいない理由がわかったけれど、どうしたらいいの、コレ!?
要 九十九
9,900
耀聖(ようせい)
244
耀聖(ようせい)
549
#最強主人公
コメント
1件
おでこちゅー、やばかったです……! アリスが「おやすみのちゅー」ってさらっと言ってきて、リサちゃんの心臓バクバクがこっちまで伝わってきました。朝起きたらアリスがいなくて、冷静装ってるけど内心焦ってるリサちゃん可愛い。そしてまさかトレント騒動でアリスが足止めしてるとは……。どうしたらいいのコレ!? 続きが気になりすぎます!