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「さきいてて」

幼馴染の**こう**とはいつも自転車で一緒に登校している。朝に弱いこうは寝坊すると俺によくテキトーに打たれたメッセージを送信してくる。ハンドボール部に所属している俺たちは今日朝練がある。まだ5月だというのに蝉の鳴き声が聞こえてきそうなくらい蒸し暑い。俺はため息をつきペダルを漕ぎ始めた。

部活はかなりブラックで、OFFは月曜日だけ。高校に入って初めてハンドボールをしたが体が硬すぎて柔軟な動きが出来ないと悟り、身長を活かしてキーパーをすることにした。部活は特別強くは無かったが先輩達が面白く、楽しい日々を送ることが出来ている。クラスでの居場所が無い分、自分の中で大きな存在になっていた。

ゆっくり自転車を漕いでいると後ろから猛スピードで変な奴がきた、こうだ。

「朝まじ無理、なんで朝練なんてあんだよ、くそ」

寝起きはいつも不機嫌だ。だが今日は珍しくクラスの話をしてきた。俺は1組で、こうは3組。2人ともかなりの一途でずっと依存のような状態だった。

「いがークラス慣れた?良い人いた?」

「全然慣れてないから半分くらい顔分からない」

俺にはハンド部があるし小学生からの好きな人がいるから仲良くする必要が無いのだ。(この時中3で一度メールを通して告白し、振られていることは忘れてしまっている)

「こうはどうなんだよ」

「男子は当たり、女子はだめ、**白石**には勝てない」

白石はこうがずっと思いを寄せてる人だ。何度か両思いになっていた期間があるらしい。この後、たくさん過去の話(黒歴史を含む)をしたが、そこは名誉を守るために省略させて頂こう。

2人の好きな人は学校が違いながらも、メールでやり取りをして、うまくいけば遊びに行き、うまくいけば付き合いたいと思っていた。そんな希望に満ち溢れていた春だった。





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