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『休学って事は、元は、そのがくしゃーってところに通っていたのか?』
「は、はい‥…‥と、友達も、いいい、いっぱいいました!い、いっぱい!」
こーんなに、こーんなに、と左腕だけを大きく広げて友達の多さをアピールするイリス。
右腕まで広げないのは、俺への配慮だろうな。嬉しい。
『どんな子達だった?やっぱ、お貴族様?お姫様だし。』
「わ、私の事を‥…‥た、頼りにしてくれる‥…‥子達です‥…‥き、貴族ではありません‥…‥」
へぇー。平民と仲良しのお姫様とか、なんだか小説みたいだ。
「お、お金をよ、よくねだる子達でして‥…‥お、お金の事がだ、だいすきなんです‥…‥」
『え?』
「で、でも、お金をあげたら、な、何故か、いつも消えちゃって……」
不思議ですねー、と心配そうに笑うイリス。
お前の方が心配だ……
『………………その子達以外に友達はいるか?』
「い、いませんけど…………あ!一人います。」
大事な思い出でもあったのか、パーッと笑顔になったイリス。
『お、誰?』
「こ、校舎裏のミャーちゃんです!」
『…………ミャーちゃん?』
「ミャーちゃん!」
『猫さん?』
「猫さん!」
………………頭を抱えることが出来ないが、頭を抱えたくなった…………
この子、意外と、いや、メチャクチャ可哀想な子じゃない?
もっと優しくした方が良さそうだな…………
「あ、後……その‥…‥きゅ、休学ですけど…………わ、私、み、三日後に学舎に戻るんですよね?」
『そっか…………』
「それで、さ、再試験ってのをう、受けなくちゃならなくて…………」
『そっか…………』
「でも、ぜ、全然勉強できてなくて……」
『…………ヤバくない?それヤバくない?!』
受けられなかったらどうなるの?!
イリス、王族でしょ?!風評被害ヤバい事になるよ?!
この国にちゃんとしたメディア媒体があるか分からないが、王族が試験に落ちたと伝わったらヤバい。
俺みたいになる。俺は三次試験まで落ち、中卒になった男‥…‥山田トゥインクルスター綺羅々。
俺みたいにならないよう、俺が全力でカバーしなくちゃなりませんな。
年に世界中から数万人の人が集まり、その門を叩く。
受け入れらる者もいれば、あっさり返される者もいる。
世界有数の教育機関。
学舎ハデシス。
かの広い校舎の一室で、ある女の子が口を開けた。
「あの子、休学明けるって。どうすんの?」
その隣に座っている女の子が答えた。
「どうすんの?って、言われてもね‥…‥」
貢がせるだけ貢がせたし‥…‥と、無造作に頭を掻いた。
「そーだね‥…‥踊らせるのも面白そうじゃない?」
ニチャァ、と気色悪い笑みを見せるのであった。
元々、前回のやつと今回のやつを合わせて一つだったんですが、私の体調がとってもよくないので、分割払いをさせてもらいました。
分量が減っていく一方ですが、増やせるように頑張ります。
よろしくお願いいたします。
コメント、お待ちしております。労いの言葉だと嬉しいです。