気がついて、起きたら朝になっていた 。
窓から、朝日が差し込まれ眠気が覚める。
欠伸をし乍、広いベットから起き上がり、窓を開ける。もう乾燥しているようなコーンが多く並んでいる畑を眺めていると、聞いたことのある声が聞こえる。
ゼノ「やぁ、千星。昨日はよく眠れたかな?」
千星「 お陰様で。クイーンのベットは広すぎたけど 、 」
クスッと笑っては外から、扉の前にいるゼノに視線を変える 。一瞬 陽の光で自身がつけているネックレスが反射し、綺麗に輝く、
ゼノ「つけてくれているじゃないか。ちゃんと僕のマークがついているだろう? 」
嬉しそうにゼノが微笑む。 私より歳は上のはずなのに、この笑顔にはやはり可愛らしさがあるなと感じる。
千星「うん。このネックレスにもなにか意味があるんだろ、 ? 」
ゼノ「 分 かってるね 流石だ。 一応そこには無線が埋め込まれているよ。試しに、小さいボタンがついているだろう、押してみるといいさ。」
…この人は何処まで過保護なんだ、なんて思っては、首にかけているネックレスを見る。
昨日は気づかなかったが、小さいボタンがついていた。試しに押してみると、そこから
” ザッ、ザー “ と機械音がなっている。
ゼノ「 ” どうだい?そこから僕の声が聞こえてくるだろう?” 」
と、ゼノが無線機越しで話しかけてきた。
千星「” 聞こえる、 凄いな、” 」
このネックレスに驚き乍、自分もネックレスに着いている無線機越しにゼノに話をする。
そうした後、ゼノは無線機の電源を切り、こちらに近づいてきた。
ゼノは顔に片手を置き乍、私の身体を見つめる、まるで最初で出会った時のように。
千星「 ゼ、ゼノ? この寝巻き何か変か? 」
ずっと見つめていたゼノに、思わずそう声をかけてしまった。
ゼノ「ふむ、…別に変では無いが、僕が思っていたより君に似合っていると思ってね、」
…スタンリーもそうだが、こいつらは何故こうも簡単に人を褒めることが出来るのか、いや、ただ単に自分が用意した服を褒めているのか?
分からないが、ひとまず話を続ける、
千星「 それはいいから、前も言ったけど人の身体を見つめるのはやめろ、…」
つい無意識に、頬を朱色に染める、
その様子を見ては、子供が悪巧みをしているかのような顔をする、
ゼノ「 おぉ、すまない 、! また見つめてしまったようだね 。」
なんて、心のこもってないような謝り方をしては、ゼノの光沢あるつけ爪が私の頬へピタリと当たる。
金属出てきているからか、つけ爪は冷たく、
「ひゃっ、」と普段は言わないような少し高めの声を漏らす、
ゼノ「…君はいい実験対象になりそうだね 。」
なんてゼノが呟いたので、背筋がゾッとした。
千星「 実験対象とは、…? 」
つい好奇心でそう聞いてしまった 。
ゼノ「 聞こえてしまっていたか !別に、大したことをしようとしている訳では無い。安心したまえ、」
…いや安心はできないだろ 。マッドサイエンティストみたいなこといいやがって。
と心の中で1人 ツッコミを 入れていたら、またドアの方に聞き覚えのある声がする、
スタンリー「なにやってんの?あんたら、」
煙草をふかし乍、スタンリーもこちらに近づいてくる。朝日を浴びる彼は金色の髪が輝き、より一層 光って見える。
ゼノ「おぉ、スタン。 今は一応 千星の健康観察と言った所だね。」
…健康観察なんてしたか? と考えていたら、スタンリーが口を開く、
スタンリー「へぇ、俺は昨日射撃のやり方教えてやるって約束したかんね、迎えに来た。 」
そう言うスタンリーと、それを聞くゼノは淡々としていて至って普通に見えるが、私には何処かお互い火花を散らしあっているように見えた。
千星「とりあえず 着替えさせてくれ 、!!」
と、少しだけ声を粗げてみる。その声に2人は驚いた表情を一瞬見せるが、流石は幼馴染と言うように言葉がハモる
『 別に構わないよ / 別に構わないけどな 』
千星「 わ、た、し、が気にすんだ よ!! とりあえずいいよって言うまで入ってくるなッ!! 」
と、2人を外に追いやってはドアを思いっきり閉める。なんか朝だけで疲れた…そう思って、早速着替え始めようとした時、ネックレスからまたもや “ ザッ、” という機械音がする。
ゼノ「 “ 折角 部屋にベット、寝巻きだって用意してあげたのに、あの追い出し用は酷くないかい?千星、” 」
スタンリー「 “ 射撃のやり方、教えてやんねぇよ? ” 」
そうだ、…完全に忘れてた、無線機があることを。 私は自分に呆れ乍、無線機越しで2人に話しかける、
千星「 “ あ”~ 、悪かったって… 次はあんな追い出し方しないから、” 」
そう言っては、素早く着替えを終わらせ、手櫛で簡単に髪をとかしては、身なりを整え、無線機越しに “ いいよ ” と声をかける、
すると、ドアが開き、なんか怒ってそうな2人の姿が見える、
いや、2:8 くらいで、どう考えても女の着替え見ようとしてる のが悪いよね!? なんて考えていたら、2人がこちらに近づいてくる、
私は 思わず、後ずさりしてしまう、
ゼノ「エレガント ッ!! 君も日本ではモテるほうなのではないか?身なりを整えた君は 更に素晴らしい、」
スタンリー「へ ぇ、可愛いじゃん 。」
…怒ってる訳では無いらしい。ひとまず良かったとほっとしていたら、ゼノに腕を掴まれる、
ゼノ「もう朝食ができている、早くないと冷めてしまうからね、とりあえず来てくれ。」
そう言って、引きずられるように部屋から出される、その様子を後ろからスタンリーが見つめているので、口パクで助けを求める
少しスタンリーが近づいて来たので助けてくれるのか!と内心 嬉しそうにした…
が、そのまま煙草の煙を私の顔に吹きかけニヤッと笑った。
私は思わず、
千星「ん”んっ 、スタンリー・スナイダー!! 」
と、咳き込みながら彼の名前を本名で叫ぶ。
そしたら、笑い乍、
スタンリー「俺の名前覚えてくれてんじゃん、やんね。 」
と言って気分がいいようにゼノと私の後ろを歩く、くっそ と思ったがそれよりも腹が減った私は大人しくゼノにつられ、朝食を食べに行こうと自分から歩き出した。
煙草の煙を顔にかける意味など私には分からなかったが、このことを今後後悔することになる。