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地雷さんは回れ右
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今では葛葉とのキスもセックスも大好きになったし、多分おれのほうが葛葉のことが好きだと思う。
そんな葛葉の本気で怒った顔というものを、おれはまだ一度も見たことがない。
「ねえ、くっさんって怒ることあるの?」
おれの純粋な疑問に葛葉は目を丸くした後、ふはっと楽しそうに笑う。
「そりゃあるだろ」
「え、ほんとに? こうなんていうか…叶さんのマジギレモードくらい怒ることある?」
「… … …ローレンくん。俺のトラウマを掘り起こすのはやめて?」
突然カタコトになる葛葉に今度はこちらが笑ってしまう。身に覚えがあるのだろう。
叶さんが怒った姿はおれも数回だけ見たことがある。とは言っても最近では怒りを露わにすることはなくなったため、おれが最後にそれを見たのはもう昔のことだ。おそらく葛葉もそれくらいの時に怒られたのだろう。
冗談抜きに怒りを向けられた相手が殺されるのではないか。と思わせるほどの凄みは忘れることが出来ない。端から見てても本当に怖かったのだから。
「俺もあるぜ。こいつ殺してやろうかってくらいキレたこと」
「え!? なにそれ! おれ知らない!」
「はぁ〜〜〜? 俺が誰のせいであんな..ああ、でもおまえ飛んでたもんなぁ」
「は? なんの話?」
飛んでた? どこに?
葛葉のよく分からない言葉に眉を顰めていれば、葛葉はそんなおれの眉間の皺を解くように額に指を当てて楽しそうに微笑む。
「教えてほしいか?」
葛葉の言葉に素直に頷く。葛葉がそこまで怒ることになった事件。
思い当たるものが一つだけあったけれど、おれの記憶では葛葉が本気でキレた姿は思い出せない。
「いいぜ。ただ、もう少し付き合ってもらうけどな。ローレン」
「え? …っ、あ!」
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