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12×20の 不思議な話
5才になってしまった智さん(とも)と 藍くんの話です
塁くんと恋人のはずきさんカップルも 登場します😂
朝のやわらかい光を感じながら 布団の中 胸の中にいる智さんを 抱きしめる
かわいいなぁ……ともさん…
夜中に『寒い』と言って くっついてきた智さんに腕枕をして 愛おしい温もりを感じながら眠っていた
なんか 智さん 小さくない?
小柄だけど いつもと違う気が……
うっすら目を開けて 胸元の智さんを見る
…………ん?
と!ともさん!?じゃないやん!
そこにいたのは すやすやと眠る 智さんの服を着た 子供
な………なんで?何がおきたん?これ 夢やんな?
いや……でも… いるやんな?
はぁ?意味わからん!
動揺しまくっていると 眠っていた子供が 目をごしごししながら起き上がる
「ん〜〜〜」
と伸びをして 周りをキョロキョロしている
落ち着け オレ!
まずはやな……
「にいに?」
ん? にいに?って俺のこと?
可愛らしい男の子が 寝ぼけた顔で こちらを向いている
「おれ?にいにって?」
当たり前だけど 部屋にはこの子と俺しかいない
「おっきい にいに」
この子 なんか…初めて見る子じゃないんだよなぁ
智さんの服を着てるから?
着ているというか 大人サイズだから だぶだぶで 服に埋もれている
まてよ?
智さんの服を着てるってことは……
「え?智さん!?」
そういえば 面影あるし…
そうだ 首にあるほくろ
智さんにしかない いつもキスマーク付けていい場所
首筋を覗くと……
ある
ハートの形のほくろ
智さんだ………
「名前 言える?」
たぶん 5歳ぐらい 名前は言えるよな?
「やぁまもと とぉもひろ」
はぁ??何がおきたん?
智さん ちっちゃくなるとか 漫画かアニメじゃん
しかし どう考えても 現実に
5歳の智さんが 目の前にいる
「にぃに?…とぉと?…かぁか?…」
たぶん 家族を探しているんだろう
「智さん 俺 わかる?」
幼い智さんに 話かける
「うっぅ……にぃに…とぉと…かぁか…どこ?」
質問どころじゃない
半べそで 今にも溢れそうな涙をためている
「うっ……ひっ……く」
あらら…泣き始めたわ…
「ほら おいで」
小さい智さんを 抱き抱えて膝に乗せる
智さんも 落ち込んでいる時 膝に呼んで 抱きしめると 安心する…と言ってたな
「み んなっ……いな いよぉ…」
たぶん この子は小さい頃の智さん
なんでここにいるんかわからんけど
そりゃ急に家族おらんかったら 泣くわな…
「泣かんでええ おっきいにぃにがおるからな?」
智さんを抱きしめるように 優しく抱きしめる
「おっきい…にぃに…どこにもいかない?」
えづきながら しがみついて こっちに訴えてくる
「行かへんよ 大丈夫や」
頭をなでて 背中をとんとんする
「にぃに あったかい…」
しばらく泣きじゃくって 落ち着いたのか 身体を預けてうとうとし始めた
まだ小さいから 泣いて疲れちゃったかな…
「眠くなった?」
「ん……にぃにの抱っこ…好き…」
目を瞑って 寝言のように『にぃに…』と繰り返す
そのうちに すやすや寝息をたて始めた
智さん……かわいい
そっと抱き上げ ベッドに寝かせる 俺の服を握っている小さな手をそっと外して 布団をかけると 大人しく眠ってくれた
寝室をそっと出て リビングのソファに座る
しかし……どうしたもんかなぁ……
まずは…
智さんの服 着ているものが 全部だぶだぶで たぶん下着?とかも これじゃあ まず生活できない
他にも わからんことばっかや……
あーーーー どうしよ!
小さい子どものこと 世話できる人って 誰や?
おかんには言えんし おばちゃんは忙しい言うてたしなぁ…
あ!そうや!現役の保育士さんがいるやん!
急いで 塁に連絡する
「塁!まだ出かけてない?」
「いきなり何?もしもしぐらい言えや!」
「そんなん ええねん!こっちは急いどんや!」
「何かあったんか?」
「今日 はずきさんと出かけるやんな?」
はずきさんは 塁と付き合ってる彼氏さん 現役の保育士さんで むっちゃ優しい 塁にはもったいない綺麗な人
「せやけど はずきに用事?」
「それが………」
信じてもらえないと思うけど 智さんが5歳児になってしまい 困っていることを説明する
「はずきさんやったら 5歳児の服とかわかるんやないかと… そんで買ってきて欲しいねん!」
「そら はずきなら断らないとは思うけど ホンマなん?」
確かに にわかには 信じがたいわな
「今 泣き疲れて寝ててん 写真送るわ」
さっき 眠ってしまってから 撮った写真を送る
「わ!ホンマや 智さんが幼くなった感じやん!」
「やろ?めっちゃかわいいんよ……じゃなくて!
デートの邪魔する分は また穴埋めするから 頼む!!」
「しゃーない わかったわ はずきに話してみる」
「マジ 助かります!お兄ちゃんありがとう!」
「今日の穴埋め 楽しみにさせてもらいますわ〜」
数時間後
「こんにちは」
「あ!いらっしゃい 今日はありがとう!」
塁が はずきさんに事情を話すと 協力できるなら と子供服や必要なものを購入してきてくれた
それを 早速うちまで持って来てくれたのだ
「保育園で 子どもたちが着てるのを 何となく思い出して買ってきたんだけど 気に入ってくれるかな…?」
「全然!ある意味 裸の状態だから 着られればオッケーっす!」
はずきさん マジ神やわ!
「で?智さんは?」
「ん……ぼちぼち起こさんとやな 昼ごはんだし」
塁とはずきさんに ソファ座ってて!と言って 寝室の智さんを起こしにいく
「不思議なことが 起こるんだね……」
「せやな……
はずき ありがとな せっかくの休みに」
「いいよ 藍くん相当慌ててたし 力になれれば
塁も一緒に 服選んでくれて僕は 楽しかったよ」
「今の子どもは おしゃれなんやな びっくりしたわ」
「だね?あ…靴のサイズ 合うといいんだけど…」
「合わなかったら 交換できるから 後で行けばええやろ?」
「そうだね こんな機会ないから分からなかったけど 親子さんは大変だなぁ…」
「ホンマ 親に感謝やわ」
そんな話をしていると 寝室から だるだるのTシャツ一枚で 藍に抱っこされた 幼い智さんが現れた
「わあ…かわいい…」
寝起きでぐずっていて 藍にくっついて離れない
「ほら にいにと約束したやろ?着替えしたら 好きなご飯食べさしたるって」
顔をひたすら見せない
「………にいにと着替える…」
「わかった…ほら ちゃんと顔を見せな!」
くるっと背中をむけて ふたりに顔をみせる
「とも
るい と はずきさんや カッコいい服買ってきてくれたんやで 見てみ?」
「………こわく…ない?」
「大丈夫 にいにのお兄ちゃんやし 保育園の先生や
ほら 降りてごらん」
藍から離れたくないけど 興味をもったのか ふたりの前にTシャツをひきずりながら 近寄る
「おはよう ともくん 良く起きたね」
さすがはずきさん ソファから降りて 目線の高さを合わせる
「……せんせ…い?」
「うん はーちゃんせんせいだよ はーちゃんでいいからね?」
「はーちゃん」
「そう よろしくね ともくん」
「……おにいちゃん?」
塁を見て ん?と首をかしげている
「らん……じゃなくて
にぃにより大きい おにいちゃんや」
「ら………ん?」
藍の方を振り向く
「にぃにの名前や ら ん」
「にぃに らぁん」
「よう言えた! 賢いな」
塁が頭をなでると へへっと笑顔を見せた
「さあ にぃにと着替えするぞ?」
「うん らぁんとお着替えする!」
うまく言えないけど 小さいながら 名前を覚えようとしている
「はは らんはちょっと難しいから にぃにでいいよ?」
「らぁん にぃに!」
「うん さあ 服着替えるよ ほら おいで!」
「あ〜〜い」
すっかり機嫌が良くなった智さんは はずきさんに服を選んでもらい 手伝ってもらいながら パンツから全部 新しい服を着て 可愛らしい5歳児の智さんの完成
「うん ともくん 似合ってるよ」
はずきさんは 満足そうだ
「ぼく あかいろ すき!」
キャラクターが書いてある 赤いTシャツが気に入ったらしい
「よし ちゃんと着替えできたからな ご褒美は 何が食べたい?」
「ハンバーグ!」
元気いっぱいに 手をあげる
「じゃ ファミレス行くか?」
「うん!とも おもちゃ欲しい」
「ごはん ちゃんと良いこで食べれたらな?」
「うん!」
微笑ましい兄弟のようなやり取りに はずきさんと塁は笑っている
「お昼 塁たちは……」
「藍と智さん2人じゃ ちょっと心配だしなぁ…」
塁とはずきさんは 顔をあわせる
「藍くんが良ければ 一緒に良いかな?」
「いいっすか?助かります!ちっちゃい子は 慣れなくて…」
「仕方ないよ 僕も仕事とはいえ うまくいかないこと あるんだから…」
はずきさんが はしゃぐ智さんを捕まえる
「ともくん くつした 自分で履ける?」
Tシャツと同じキャラクターのくつした
「うん……おそくて おこられる」
ちょっとしょんぼりしている 苦手なんだ…くつした
「自分で 頑張って履いたら この靴 履けるよ?はーちゃん待ってるから やってみよ
?」
「おこらない?」
「うん だーれも怒らない ね?やくそく!」
「らぁんにぃに いい?」
「いいよ これ カッコいい靴やん!それを履いて ハンバーグ食べにいくぞ!」
「うん がんばる!」
みんなに見守られて 少し手間取ったけど 準備は無事に完了
近くのファミレスで 智さんのご希望通りのハンバーグのお子さまランチを 美味しく食べて 車のおもちゃを片手に 藍と手をつないで 帰る
「なんか こうなった原因みたいなんは ないん?」
ぴょんぴょんしたり キョロキョロしたり ひたすらかわいい智さん
「まあ……なんか 思いあたるのは…ある」
「あるんですか?」
昨夜 ふたりでスポーツ選手の特集を見ていて バレーを始めた頃の話になった
お互い小学低学年から始めて ずっとバレーボールをやってきた
まだ バレーボール知らない歳って いくつだったんだろう?
そして お互いに 5歳はまだバレーボールを知らないね
という話になった
「5歳にもどったら なにするんだろ?」
戻れたら 面白いな!
そんな 冗談混じりの話で まさか本当に5歳に戻るだなんて 誰も思わない
ゆえに 元に戻るヒントもわからない
「とりあえずは 智さんを1人にはできひんからなぁ…
」
「それは 俺が面倒見るつもりだし」
小さな手が 一生懸命 俺の手を握っている 智さんがどうなっても 大事な人に変わりはない
「藍くん 無理しないでね
うちの保育園で 短期間なら預かるから 声かけて!」
「はずきさん ありがとう ホントに助かります」
マンションまで着くと 塁とはずきさんと別れ 部屋に帰る
「はぁ……」
ソファに ため息まじりに座る
さすがに 疲れたなぁ…
ファミレスで貰った車のおもちゃを俺に何度もみせて にこにこして遊ぶ 小さな智さん
正直 まだ戸惑ってる
これから どうなってしまうんだろう
智さんは 元に戻れるのか?
そして 恋人の俺を 覚えていてくれるのだろうか…
「らぁんにぃに?」
智さんが 不思議そうに顔を見上げている
「智さ……いや とも」
「ん?」
「らんにぃに 好きか?」
俺……何聞いてるんだろ…
「うん!にぃに すきぃ!!」
ソファをよいしょっと登って 慣れたように膝にちょこんと座る
「にぃに カッコいいし やさしいし……」
胸にぴたっと頬をくっつける
「ここ あったかい…」
あ……この感じ……
智さんだ
「にぃには どこにもいかないよね?」
不安な顔をする とも
そうだよな とも も不安だよな…
「行かないよ とも」
俺がしっかりしなきゃ…
「にぃにも ひとりなの?」
小さいのに 俺の心配してる
ホント 智さんだな
「ん……大事な人が いなくなっちゃったんだ…」
「だいじ…ないの?」
「うん……でも 帰って来てくれるはずだから 待つことにしたんだ」
智さんは きっと 元に戻ってくれる
「とも も 必ずおうちに帰れるからな?それまで ふたりで頑張ろうな」
「うん にぃにと がんばる!」
俺を見つめる眼は 智さんそのものだ
どんな姿でも あなたがいれば 大丈夫!
「さあ!はずきさんに買ってきてもらったもの お片付けするぞ」
「うん!とも がんばる!」
こうして 小さな智さんとの生活は始まった
コメント
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わあ、めっちゃ面白かったです!藍くんが朝起きたら大人の智さんが5歳児になってて、もう「え!?」ってなりました。でもすぐに「智さんだ」って気づいて、泣き出す幼い智さんを優しく抱きしめてあげるところ、じんわり来ました…。 塁とはずきさんが助けに来てくれる展開も温かくて好きです。はずきさんの保育士スキル、さすがすぎる。そして「らぁんにぃに」呼びがもう可愛すぎてやばいです。 最後の「どんな姿でもあなたがいれば大丈夫」って藍くんのセリフ、構成として綺麗に伏線回収してますね。原因が「5歳に戻ったら?」っていう冗談だったっていうのも、妙に納得感があって好きです。 続きが気になります。智さん、元に戻れるのかな…。
Haru
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Haru
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