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揚いなり
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紫赤 でも 赤紫 でも 。
死ネタです 。
ただの 心中 ネタ です 。
「 貴方の 手で 終わらせて 」
「 ねぇ いるま 、? 」
先程 迄 口を 閉ざしていた なつ
が 徐に 口を 開いた 。
「 夢十夜 って 知ってる ? 」
ある程度 なら 知っている 。
「 夏目漱石 の やつ だよな ? 」
と 、確認を 取るように 聞き返す 。
「 そう 。 それの 第1夜 の 話 。 」
そこまでは 詳しくなく 、詳細を 聞く 。
「 第1夜 は 死 と 愛 の 話 、 」
言葉 が 詰まったように 、なつ は 目を伏せる 。
長いまつげに 露が 見えて 、
窓 から 差し込む 月光に 照らされていて 、
ああ 、 泣いてるんだ 。
直感的に そう思った 。
「 なつ 、 おいで 、 」
とびきり 甘い声で 恋人の 名前を 呼ぶ 。
なあ そんなに 泣くなって 、
やや 過呼吸気味に なった なつ を 抱きしめてやって 、
「 なつ 大丈夫 だよ 、 」
と 優しく 声を かける 。
失いたくない 、 離れられたくない 、 捨てられたくない 、
なつ は この事 ばかり を 考えている 。
離れるのは いつか 分からないから 、と
自分から 命を 絶とうとした 日も 、
御前が 先に 死ぬのが 嫌 、と 言って
俺に 包丁を 突き立ててきた 日も 、
全部 全部 確かな 俺らの 愛のカタチで 、
「 なつ 、なつ 、 」
ぽん ぽん 、と 同じテンポで 、
「 なつ もう 寝る ? 」
呼吸が 落ち着いたのを 確認し 、 なつ に 問う 。
「 寝たら 死ぬよ 俺 、 」
微かに 震える 恋人 を 抱きしめる 。
「 俺が 死んだら 100年 待ってくれる 、? 」
100年 、人間の 1生涯 が 終わる 位 。
俺は この命を なつ に 捧げると 決めた 日 から 、
どんな 犠牲を 払っても 、どんな 苦難が あろうと 、
なつ に 添い遂げると 決めた から 、
「 100年 でも 200年 でも 待ち続ける 」
これは 約束で 、契約で 、呪いで 、
一方的に 放棄 する事は 出来なくて 、
「 なつが 居ない 人生 なんて いらねぇ から 」
「 … でも 、ね 、 」
なつ が 震えた声 で 言う 、
「 二人で 死んでも 、 俺は 地獄だよ 、 」
なつの 涙が 俺の 肩を 濡らす 、
なつ は 天国 には 行けない 、
でも それなら 俺も 同罪だ 。
「 なつが 地獄 なら 俺も 地獄だよ 」
「 俺が 天国でも 、 なつが 居ないなら 地獄 。 」
なつの 嗚咽が 聞こえる 、
なつ 、 御前が 1人に ならないように 、 御前が 幸せに なれるように
俺は 御前のためなら なんだって する 。
なつを 苦しませる奴 は 全員 消した 。
なつの 幸せの ためなら 俺の 人生なんて いらない 。
なつ 、 なつ 、 気づけよ 、
泣いてないで 俺の 名前を 呼べよ 。
「 なつ 、 」
微かに 体が 震え 、 潤んだ 紅の 瞳が 俺を 見つめる 。
「 一緒に 死のうか 、 」
最大で 最上級 の 愛の言葉 。
なつ なら 受け入れてくれる はず 。
「 いるま 、 殺して 、 」
消え入りそうな 声 で 囁く 恋人を 、 抱きしめて 、
「 … いいよ 、 」
溢れる 涙 を 雑に 拭って 、 震える 声 は 唇を 噛み締めて 、
「 なつ 、 」
1度 、 軽く 口付ける 。
キッチン へ 向かう 、
握った 金属 は 命 を 絶つ には 軽かった 。
2人は 終わりじゃない 、
これから 始まるから 、
「 なつ 。 」
もう一度 名前を 呼ぶ
なつ は 今までに ないくらいの 笑顔で 、
「 いるま 、 」
こちらへ 手を 広げる 。
これで やっと 始まるんだ 、
抱きしめるように 、
ぐ 、と 力を 込める 。
生暖かい もの が 伝ってくる 。
なつ の 呼吸が 浅くなる 。
「 い 、るま … 」
そっと 唇が 重なる 。
唾液 に 血液が 含まれて いく 。
ふ 、と 口が 離される 。
先に いってるね 、 と
掠れた 声が 聞こえた 気がした 。
なつ は 凄く 綺麗 だった 。
赤く 染まった 金属 を
自身の 胸に 突き立てる 。
震える 手 も 止まらない 汗 も 、
なつ の ためだ 、と 言い聞かせる 。
既に 熱が 消えた 最愛 の 人 を 抱きしめ ながら 、
愛おしい 赤 が 、
体内 に 入っていくのを 感じた 。
力を 込めるほど 苦しくなる 、
激しい 痛感 に 叫びたくなる 。
ただ ただ 最愛 の 人の 名前を 呼び 続ける 。
「 、 なつ … なつ 、 なつ … 」
最後 、 それが 声に なっていたかは
分からなかった 。
しかし 、 暗くなる 視界 は 、最後 、
確かに 、最愛の 人を 映していた 。
100年後 は 二人で 幸せに 生きような 。
愛してるよ 、 なつ 。
コメント
2件
半分 寝ながら 書いたので 誤字脱字 話の 脈絡 謎です すみません 。
うわ… これは重い…。冒頭の「夢十夜」の引用から、もう空気が違いますよね。死と愛の話だって自覚的に作り込んでて、でも読んでるこっちは息が詰まるような感覚でした。 なつもいるまも「相手がいなければ意味がない」ってところまで赦し合ってるのが、読んでいて痛いほど伝わってくる。特に「なつが地獄なら俺も地獄だよ」の台詞、あれが全てだなと思いました。 最後の「100年後は二人で幸せに生きような」が、単なる約束じゃなくて契約で呪いなんだっていう重みがすごい。短いのに静かに深く沈んでいくような作品でした。Lqaさん、切なくて美しい話をありがとうございます。