夏合宿も最終日
今日もトレーニングが続いていた。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…」
「いいねフレイム!最終日もよく頑張ってるね!」
「ありがとうございます!ローマさんと併走出来るなんて滅多にないですから!」
憧れのローマと併走していた。
「私についてこれるかな?フィニッシュラインで待ってるよ!」
「俺が1番ですよ!!」
最後の直線で並び合う2人。一進一退の勝負、すると…
「ん?!」
突然、フレイムの背中から薄ら何かが翼が出ていた。
あの日あの時、ローマが伝説を残した有馬記念での直線で翼を広げた瞬間だった。
(フレイム、もうそこまで来てるんだ…)
そして2人はゴールインした。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
「フレイム流石だね、私と同着みたいな強さだったよ!」
「いえいえ、まだ未熟なところもあるので!」
(未熟…あれでも本気で言ってるのかな?)
フレイムの未熟はまだあるが、クラシックで活躍中の中あの現象が起きるのは凄い。
「皆おつかれ、最終日のトレーニングよく頑張ったな!」
「そうだね、暑い中トレーニングしたり、色々遊んだりしたもんね!」
「ま、私はまた1つ上の技を習得しましたわ!」
「エウレカは自信満々だな」
チーム合同練習も終わり、最終日に待っているのは…
「ローマ、夏祭り楽しみだね!」
「そうだねユリノ先輩!」
そうか、今日は夏祭りだったんだ。1度も行ったことないから分からないな。
「フレイムさん!夏祭り一緒に行こうよ!」
「キタサン、ありがとう!ダイヤ達も行くんだよな」
「そうだよ!絶対楽しいよ!」
キタサン達と一緒か…楽しみだな!!
「フレイム、夏祭りの前に帰る準備するんだよ!」
「…そっちが先か」
夏祭りまでかなり時間がある。メジロなのに片付け苦手なのか?
フレイム達の合宿部屋
「フレイムさん」
「なんだグラン?」
「その…」
「?」
「…夏祭り、一緒に行かない?」
「…いいぜ!キタサン達誘って行こうぜ!」
「ありがとう…!それと、大事な物忘れそうだったよ」
「…え?」
グランから渡されたのは、アストンマーチャンからもらったマーチャン人形だった。危うく置いていきそうだった。
「ありがとうグラン!」
「どういたしまして!」
「ちゃんと隅まで探してくれてありがとう!真面目なグラン好きだぜ!」
「う…うわぁぁぁぁ…!フレイムさん、恥ずかしいよ…!」
「ちょっと!グランになんかしたの?」
「褒めてやってただけだよクラウン!」
普段人から気にならないところでもちゃんと見てくれているグラン。気づいてくれたら相当嬉しいもんね!
「…なんか嬉しいな」
「え?」
「俺…友達と楽しむことが久々でさ、何年間も暗い顔しててさ…」
「…暗い顔?」
「フレイムさん…!」
「さて、夏祭り行くか!キタサトの2人も合流しよう!!」
夜 夏祭り
辺りには屋台が多く出揃っていた。
射的、キャラクターのお面、綿あめなどがあった。
「…凄い…これが!」
「今年も賑やかだね!」
初めてこの楽しい声が聞こえてくるの…生まれて初めて…!!
フレイムは目をキラキラしながら祭り風景を見ていた。
「フレイムさん!行こう!!」
「うん!!」
まず5人は、射的をやった。
「うーん…倒れないね」
「僕もやってみたけど、ダメだった…」
「俺、その的やってみる!!」
フレイムがキタサンとグランが倒せなかった的を当ててみた…が
「倒れねぇ…同時にやってみる?」
「そうしよう!!」
今度は、フレイム、キタサン、グランと同時に当ててみることに。
「いっせーので行くぞ!いっせーの!!」
「やった!!倒れた!!」
「やったな2人とも!!」
「倒した景品はフレイムさんに渡すよ」
「いいって!グランが元々欲しい物だったから大丈夫だって!!」
「そうだよシュヴァルちゃん!!」
「…本当に?ありがとう…!」
その景品はグランが貰うことになった。
「ねぇキタちゃん、スーパーボールすくいやらない?」
「スーパーボールすくいか…どっちが多く捕れるか勝負しようぜ!!」
「いいね!負けないよフレイムさん!!」
急遽始まったスーパーボールすくい対決。
金魚すくいとは違うが、ホースなどで会えて流れるようにしているため、金魚すくいとは違うが、重さは違う。
「それじゃあ、よ〜い…スタート!!」
「俺が7個でキタサンが6個、俺の勝ちだな!」
「うわー悔しい!!」
「初心者の割には多く取れてたなキタサン」
「フレイムさんも多く取れたね!」
勝敗の結果は、フレイムが勝った。
「そういえば…屋台に行ったあと短冊みたいなの貰うんだけど…」
「短冊?」
屋台で買ったあとにもらった星型の短冊。七夕ならもうすぎているはずだが…
「フレイム!祭り楽しんでる?」
「ローマさん!」
「皆は短冊集め全色揃った?」
「揃った?全色?」
ローマが言っているのは、おそらく星型の短冊のことだ。全色揃うと何が起こるの?
「この短冊のことですか?」
「そうそう!私挑戦してるんだよ!」
「全て揃ったことあるんですか?!」
「いや…まだなんだ」
「短冊全色揃うと何があるんですか?」
「この時期はペルセウス座流星群が活発化してるから、皆集めるのに必死で」
ローマの説明によると、短冊の色は7色ある。
赤、青、黄色、緑、水色、オレンジ、ピンクがある。しかし…全て揃う確率は0%に近いらしい。
ローマもやってみたが、6色までが限界らしく、特に赤が1番貰う確率は特に低い…
全色揃うとその願いは叶うらしい。
「ローマさんのモチーフのローマレッドなんですよね」
「そうなんだ、だから貰うのが難しいんだ…」
「…俺やってみたいです!全色揃いたいです!」
「本気で言ってるのフレイム?」
「その確率を当ててやりますよ!」
「私もやってみたい!」
確率は低くとも、挑戦するフレイムとキタサン。大丈夫かな…
「ローマ!!あっちにチョコバナナあるから食べよう!!」
「すぐ行く!!」
その後、屋台を歩いき回ったフレイム達だった…が———
「くっそぉ…赤があればコンプリートなのに!」
「私も…」
結局揃うことはなかった
「3人とも付き合ってすまない…」
「気にしないでよフレイムさん」
「何事も挑戦することは大事なんだから!」
「レースの時も…同じだよ」
「…皆、ありがとう!キタサンも付き合ってくれてありがとう!」
「いえいえ!揃わなかったのは残念だけど、フレイムさんと楽しんで良かったよ!!」
「キタサン…!」
「ねぇ!そろそろ花火大会始まるんじゃない?」
「だ…だったら、僕…綺麗に見えるところあるよ!」
「「「「え?」」」」
突然グランの花火絶景の秘密のスポットを案内された。
暗い夜の森を歩いていた。夜の森は闇が深い…
「暗いな…本当にこの先なのか?」
「だ…大丈夫だよ!もう少しで…」
「グラン…俺が先頭に行くから案内して」
「…ごめんフレイムさん」
「心配すんな、俺の心はキーブレードより強いさ!」
「キーブレードより強い?」
「初代キングダムハーツでソラが言ってたんだ、心は弱く、脆いけど…誰かのことを思ってくれているって」
「誰かのことを…?」
「大切な友達、大切な人…誰かのことを思っているから強いんだ」
(俺は最初から英才教育なんて受けてない…話すのはまだ先だな…)
「で、この道を真っ直ぐ言ってるけど、どこまで行けばいい?」
「あっ!この木を左に曲がって!」
グランの道案内に歩いていくフレイム達、すると…
「なんか開けてきた!」
「ここだよ!おすすめの場所!」
開いた場所は、崖があるが、夜空の星はかなり綺麗で見やすかった。
「夜空がくっきり見えるな!」
「綺麗!」
「シュヴァルちゃんこんな素敵なところに案内してくれたの?ありがとう!!」
「…どういたしまして」
「確かあの先に花火の発射するところがあるから…もしかすると」
もしかすると…海が鏡になっているから…?
ヒュルルルルルルルルルル…ドッカーン!!!!!
発射された花火は空高く舞い上がり、日の花が咲いた。
「綺麗だな…」
咲き誇る花火は、暗い夜空を明るくしてくれている。
まさに夏の風物詩だ!!
「なぁ、短冊ここに飾らない?」
「いいね!私たちだけの秘密の場所だね!」
5人は貰った短冊を木に掛けた。思い出を残し、忘れない夏になるように…
「…いつかさ、今年の有馬で皆と戦ってみたいな!」
「フレイムさんと走るのちょっと楽しみ!!」
「全員で上位独占しようぜ!!」
「けど、1着は渡さないよ!」
「私も!」
「絶対負けないよ!」
「ぼ…僕だって!」
「ははっ!いいぜ!今年の有馬が楽しみだ!!」
あの短冊は皆全色揃わなかったが、楽しい夏の思い出となった。
合宿所
(フレイム、もしもだけど…)
携帯を見ていたローマ。携帯の表示には…
ウマ娘ワールドチャンピオンシップと表示されていた…
「…今日の練習の日、翼が見えている…」
このカテゴリーにフレイムが知ることはまだ誰も知らなかった。
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