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「ほんとに、嶋村さん、かわいいって思ってました。中学生のときから」
森田くんは、まっすぐわたしを見て言った。
「ごめん……いきなりこんなこと言われても、迷惑ですよね」
「え、あ……いや……」
言葉が、うまく出てこない。
中学生の頃、何度も想像していた場面に、今、実際に立ち会っている。
「わ、わたしも……森田くんのこと……か、かっこいいって思ってました」
――言ってしまった。
森田くんの目が、さらに大きく見開かれる。
自分でも分かる。頬が熱くて、顔が真っ赤になっている。
「え……?ほんとに?」
森田くんの顔を見られなくて、わたしは視線を逸らしたまま、小さく頷いた。
「あー……そうだったんだ……」
「うれしい……」
「本当に……?」
「なんで、もっと早く言わなかったんだろう」
森田くんは、胸の奥に溜め込んでいたものが一気に溢れ出したみたいに呟いて、その場にしゃがみ込んだ。
それから、ゆっくりと顔を上げて、わたしのほうを見る。
安心したような、少し照れたような笑顔。
――中学を卒業してからの三年間、ずっと忘れられなかった。
その笑顔は、あの頃と何も変わっていなかった。
「……好きです。付き合ってください」
森田くんは一度小さく息を吸ってから、まっすぐに言った。
「……はい。お願いします」
胸がいっぱいで、声が震えそうになるのをこらえながら、わたしはそう答えた。