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ギギギ……
誰も触れていないのに。
『人類の未来』の箱が少しずつ開いていた。
封印庫の職員たちは青ざめる。
「閉じろ!」
「閉じない!」
「封印術式は!?」
「効いてない!」
次々と報告が飛び交う。
箱の隙間から漏れる光は青色だった。
暖かい。
優しい。
それなのに。
見ているだけで胸が苦しくなる。
まるで何か大切なものを思い出しそうになる光だった。
その頃。
未来管理室へ緊急連絡が届く。
『封印対象A-000001』
『開封率12%』
全員が固まった。
🍍「十二!?」
なつが叫ぶ。
🍍「さっきまで閉じてたぞ!?」
いるまも顔をしかめる。
📢「勝手に開いてるのか」
🍵「うん」
すちが端末を見つめる。
表情は穏やか。
でも。
こさめは気づいていた。
本当に焦っている時のすちは静かになる。
🌸「……」
らんも珍しく黙っていた。
すると。
こさめが小さく手を挙げる。
🦈「はい」
📢「学校じゃないぞ」
いるまが即座に突っ込む。
🦈「聞きたいことある」
🍵「なに?」
すちが優しく聞く。
こさめは少し迷ってから言った。
🦈「未来って」
全員を見る。
🦈「敵なの?」
静寂。
誰も予想していなかった質問だった。
しばらくして。
らんが苦笑する。
🌸「違うよ」
🦈「違うの?」
🍵「うん」
すちも頷いた。
🍵「未来は敵じゃない」
🦈「じゃあなんで封印してるの?」
こさめの疑問はもっともだった。
すると。
今度はすちが答える。
🍵「暴走してるから」
🦈「暴走?」
🍵「未来そのものが不安定になってる」
🦈「でも」
こさめは首を傾げる。
🦈「未来って悪い子じゃなさそうだった」
その言葉に。
すちとらんが同時に目を見開いた。
🌸「……見たの?」
らんが聞く。
🦈「うん」
🌸「何を」
🦈「未来」
こさめは素直に答える。
🦈「泣いてた」
部屋が静まり返る。
🍍「泣いてた?」
なつが聞き返す。
🦈「うん」
こさめは少し考える。
どう説明すればいいのか。
🦈「箱じゃなくて」
🦈「もっと大きくて」
🦈「寂しそうで」
🦈「迷子みたいだった」
誰も喋らない。
その様子を見て。
こさめは不安になった。
🦈「違った?」
すると。
すちがゆっくり首を振った。
🍵「違わない」
小さな声だった。
🍵「たぶん」
その目はどこか遠くを見ていた。
昔の記憶を。
ドクン。
その瞬間。
こさめの頭にまた記憶が流れ込む。
未来の光。
巨大な青い球体。
今までより鮮明だった。
その光は震えている。
泣いているように。
怯えているように。
?『怖い』
声が聞こえる。
幼い声。
男でも女でもない。
?『消えたくない』
光が震える。
?『みんなを守りたい』
過去のこさめが優しく手を伸ばす。
🦈『大丈夫』
?『ほんと?』
🦈『うん』
?『信じていい?』
🦈『いいよ』
そして。
過去のこさめは笑った。
🦈『俺が守るから』
🦈「っ!」
記憶が終わる。
こさめは思わず胸を押さえた。
涙が出そうになる。
理由は分からない。
でも。
苦しい。
とても。
🍵「こさめちゃん?」
すちが心配そうに覗き込む。
こさめは震える声で言った。
🦈「こさめ、また思い出した」
🍵「何を」
🦈「未来と約束した」
静寂。
らんの瞳が揺れる。
いるまもなつも固まる。
🦈「守るって言った」
こさめは呟く。
🦈「未来を」
その瞬間。
未来管理室の鏡が激しく光った。
数字が変化する。
84%
85%
86%
87%
『記憶同期加速』
警告音が鳴る。
だが。
それ以上に驚くことが起きた。
管理室の扉が勝手に開いたのだ。
ギィ……
廊下の向こう。
誰かが立っている。
職員ではない。
監査局でもない。
見たことのない少女だった。
白い髪。
青い瞳。
裸足。
年齢は十歳くらい。
その子は真っ直ぐこさめを見つめている。
そして。
泣きそうな顔で笑った。
?「やっと見つけた」
優しい声。
懐かしい声。
こさめの心臓が大きく鳴る。
少女は一歩前へ出た。
そして。
誰もが息を呑む中。
こう言った。
?「ねぇこさめ」
?「迎えに来たよ」
その瞬間。
らんとすちの顔色が同時に変わった。
まるで。
絶対に会わせてはいけない相手が現れたかのように。
コメント
12件
なんか幽霊みたi((((殴 え、これってハピエンやんな? そうであってほしいよ??? この連載終わりに近づいてそうでまだ続く感あって嬉しい(*´˘`*)
こさめちゃん,,,
わあ……第17話、すごく好きな回でした。 「未来って敵なの?」ってこさめが訊くところ、すごく胸にきました。彼女はずっと封印されてるものを見て、誰とも違う言葉で“泣いてた”“迷子みたい”って伝えるんですよね。その感覚の純粋さに、大人の管理室メンバーが静まる場面、すごく丁寧に描かれてたなあ。 それに、白い髪の少女が突然現れて「迎えに来たよ」──もう鳥肌でした。らんもすちも凍りつくラスト、めちゃくちゃ続きが気になります……!