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_一月十九日

17歳の誕生日を迎えてから七ヶ月経った。

今日はとてもつまらない一日だった。

任務の敵も雑魚だらけで僕の相手にもならないし中也だって今は出張中でいつもみたいに会話ができない。織田作にも会えなかった。森さんだってエリスちゃんばっかりだし。

僕はみんなといる時間が【楽しい】と思えてるって事かな?

やっぱり駄目だね。一人で居ると色々考えちゃう。考えない様にって思っているのにどんどん深く考え込んじゃう。

…昔の事もね

早く中也帰ってこないかな。帰ってきたら沢山悪戯しよう。

明日には死ねると良いな










_二月十九日

17歳の誕生日を迎えてから八ヶ月経った。

あと四ヶ月経ったら18歳になってしまうという現実を未だに受け入れられていない。

中也がやっと帰ってきたから悪戯を死ぬほどやってやった。帽子の中に虫入れたり中也の車に時限爆弾仕掛けたり中也の上着を隠したりいきなりナイフを投げつけたり色々やった。予想通り中也は怒り狂っていた。

やっぱり中也は【面白い】。

中也のおかげで今日はあんまり考え込まなかった。だけど、最近の僕はちょっと可笑しいと思う。森さんにも言われた。やっぱり可笑しいのかな?まぁいっか。

今日も織田作には会えなかった。いつ会えるのかな?明日は会えると良いな。沢山話したい事があるんだ。数え切れない程ね。

明日には死ねます様に










_三月十九日

17歳の誕生日を迎えてから九ヶ月経った。

今日の僕は可笑しかった。

任務に集中出来ない。余計な考えが出てくるんだ。今までそんな事なかったのに。

最近、[殺し]について考える事が増えた。殺したところで何の意味があるのかわからなかった。世間対的には[殺しは犯罪]だ。だけど僕達にとって殺しは[日常茶飯事]だ。その違いについて考える事が増えた。何故僕達は人を殺さなければいけないのか。よくわからなかった。だから織田作に聞いてみようと思う。僕にもわからない事は大抵織田作が教えてくれる。きっとこの事も教えてくれるに違いない。

僕らしくないね。こんな事考えるなんて。

やっぱり僕は可笑しいのかもしれない。早くこの【感情】がなくなれば良いと思う。

今日も死ねなかったな

明日もう一度自殺をしよう。

明日こそ死ねると良いな










_四月十九日

17歳の誕生日を迎えてから十ヶ月経った。

今日は一日中自殺をしていたけど結局死ぬ事は出来なかった。入水に首吊り、毒キノコに薬、色々試したけどどれもしゅっぱいに終わった。薬は苦しかったね。息が出来なかったよ。中也がそんな僕を見つけて森さんが大慌てで来たのを覚えている。

でも、僕らしくない。自殺だって今までは苦しいのや痛いのは避けてきたのに最近はもう、どうでも良いんだ。死ねればなんでも良い。森さんも心配してた。[最近可笑しいんじゃないのかい]とまで言われてしまった。仕事だって最近は昔みたいにスムーズに進まなくなった。作戦立案だって今までは数時間あれば足りたのに今じゃ一日は必要だ。何故こんな風になってしまったのかは自分でもわからない。あの中也でさえ、僕に心配な言葉をかけるんだ。[最近大丈夫か]と。

駄目だね、僕って。どんなに可笑しくてもいつも通りを偽らないと。

最近、織田作に会えていない。何でかはわからない。電話をしようか迷うが要件も無いのに電話を掛けるのは申し訳ないから掛けていない。本当は掛けたい所だけど。織田作と沢山話したいな。今、何処に居るんだろう。

今日も結局死ねなかった

良い加減死にたい

明日は死ねます様に










_五月十九日

最近、ボーとする事が多い気がする。森さんの話も一度聞き返さないと理解できなくなった。任務で失敗する事も多くなった。軽症なんて日常茶飯事。最近は重症を負うこともある。気をつけていても気づいたらボーとしている。自分でもどうしたら良いかわからない。

あと、悪夢を見る事が多くなった。

そのおかげで不眠症気味になっている。目の下にクマもできた。立ちくらみもすごくする。何でこんな事になったのかな。わからないや。

幹部から外されたらどうしよう。必要ないって言われたらどうしよう。また昔みたいになるのかな?嫌だ。早く役に立たないと。中也みたいに僕は前線で戦う人材じゃないから裏で作戦を立案するくらいしか役に立てないから。

それができなくなったら僕は欠陥品だ。幹部だって外される。どうしよう、どうしよう。わからない。幾ら考えても。この気持ちを【感情】で表すなら何だろうか。それすらわからない。やっぱり僕は駄目だね。幾ら頑張っても僕は欠陥品のままなんだ。

…昔のままなんだ。

織田作に会いたい。会って話がしたい。教えて欲しい。どうすれば良いのか。この【感情】は何なのか。教えて。欠陥品の僕に。

早く死んでしまいたい










_六月十九日

17歳の誕生日を迎えてから一年経った。

織田作が昨日死んだ。

僕の目の前で。最初は理解で追いつかなかった。織田作が死ぬなんて想像もしなかった。どんどん冷たくなる体と表情を失っていく顔に【焦り】を覚えた。周りの事なんてどうでも良かった。ただ、織田作が生きてさえいれば良かった。だけど、織田作は死んだ。僕のせいだ。僕がちゃんと予測しなかったから。だから織田作が死んだ。ごめん。ごめんなさい。

織田作が死ぬ前に僕に言った。

[お前の孤独を埋めるものはこの世の何処にも無い。お前は永遠に闇の中を彷徨う]と。

僕は聞いた。

[僕はどうすれば良い]と。

織田作は言った。

[人を救う側になれ]と。

僕は何も答えなかった。

織田作が言った。

[弱者を救い孤児を守れ]と。

僕は何も答えなかった。

織田作は言った。

[その方が幾分が素敵だ]と。

僕は聞いた。

[何故わかる]と。

織田作は言った。

[お前の友達だから]と。

僕は答えた。

[わかった]と。

織田作は安心した様な顔をした。

でも、正直良くわからないんだ。僕はこれからどうすれば良いのか。

もう織田作に聞くことはできない。自分で考えるしかない。でも、それでもわからない。僕はどうすれば良いの。なんかね、鼻がツンとするんだ。目が熱くて視界が歪むんだ。これは。これが【涙】っていうものなのかな。

胸が【痛い】。息が【苦しい】。【つらい】。【泣きたい】。

やっとわかったよ。織田作。【感情】とはどういうものなのか。【感情】ってこういうものなのだね。

織田作、もう少し考えても良いかな。僕、ちゃんと自分で考えるから。だから、一寸待っててよ。

本当は死にたかったな










_◯月◯日

織田作が死んで二週間が経った。

織田作、僕は決めたよ。

僕は[人を救う側]になるよ。織田作が言った様に僕もその方が幾分が素敵だと思ったから。

それに、[光の人間]になれている自分を想像すると胸が苦しくなくなるんだ。息がしやすくなるんだ。

人殺しの僕が今更良い人間になんてなれる訳がない。そんなのは自分でもわかっているさ。それでも、僕は織田作が最後に伝えてくれた、託してくれたものを次に繋ごうと思う。

これで良いよね?織田作。僕は正解がわからない。【感情】が良くわからない僕が人を救えるのか不安でしかないよ。

でも、やってみるね。織田作がしてきた様に僕も人を救ってみるね。できるかわからないけど僕も織田作の様に誰かを【救いたい】と思えたんだ。

横で見守っててよ。僕が。私がちゃんと人を救うところを。

ありがとう、織田作。

私に【感情】というものを教えてくれて。

ありがとう、織田作。

私に人生の道標を与えてくれて。

君には本当に感謝してる。

最後の最後まで私は君に救われた。

安心してね。

もう、大丈夫だから。

【死にたい】って

思う気持ちは変わらないけど、

少しは

【生きてみたい】って

思えたから。

だから安心して。

織田作、最後までありがとう。

そしてごめんなさい。

本当は君ともっと【生きたかった】。

君ともっと【話したかった】。

いつか織田作に会えた時、

胸を張れる様に頑張ってくるね。

だから織田作。

会えた時は

笑顔で抱きしめて_






























































どうでしたか?

短い物語でしたね💦

でも、結構頑張った方なんです…!

❤️1000超えたら嬉しいな…なんてw

ここまで見てくださりありがとうございました!みなさんのおかげで完結させることができました!

また、新ストーリーを投稿するのでそちらも見てくれると嬉しいです!

❤️・フォローお願いします!

では、また会いましょう!

この作品はいかがでしたか?

2,727

コメント

10

ユーザー

本当に泣いちゃった、いいねしたいけど、もう夜なので、私いいねしたら音出るので できませんね、織田作の事中也の事、森さんの自由とかいっぱいあって太宰さんだなと思いました! 最近雲☁️さんの小説全部見てるんですよ、全部文章力ありすぎです!これからも頑張って下さい! 後これからも尊敬します!

ユーザー

マジで太宰さんが書いてる錯覚に陥って、涙目で読んでました………( ≧Д≦) 文章力ありすぎて尊敬します!✨連載お疲れさまでした!(人 •͈ᴗ•͈)

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