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「ただいま~」
萌音が家に帰ってきた。私はソファに座りながら、軽く手を振る。
「おかえり!遅かったね」
「う、うん…ちょっとね」
萌音の表情が少し曇っているのが気になったけど、それよりも今は…
「ねえねえ、大和って千奈ちゃんのこと好きなの?」
突然、有紗が大和に向かってニヤリと笑いながら言った。
私は思わず「えっ!」と声を上げる。
「は!?な、なんで千奈の話になるんだよ!」
大和がめちゃくちゃ焦ってる。これは確定では…!?
「だってさ~、最近様子が怪しいし!」
有紗がスマホをいじりながら言うと、私はすぐに乗っかった。
「千奈ちゃんって可愛いよね~!どうなの、大和?」
「……別に」
あっ、これは確定だ。弟よ、隠せてないぞ。
「え!?ちょっと待って、今の言い方怪しすぎない!?もしかして、もう好きとか!?」
有紗が勢いよく詰め寄る。
「な、なんでそうなるんだよ!!」
「いやいや、焦りすぎだから!」
私は笑いながら、大和の肩をポンポンと叩いた。
「おー、こりゃ本格的だねぇ~」
「やめろって!」
大和が真っ赤になって、クッションを抱え込む。
いや、可愛すぎるか。弟の初恋、めちゃくちゃ応援したい。
でも、大和は恋愛に対してめちゃくちゃ不器用だし、どうなることやら…。
「ねえ、大和は千奈ちゃんと話したことあるの?」
「い、一応な…」
「おお、意外と進展してる!」
「でも、なんか…よくわかんねぇんだよ…」
ぽつりと呟く大和。
「よくわかんない?」
「…なんか、どう接したらいいのかわかんねぇ」
うわー、こりゃ重症かも。
「ふむふむ、つまり…カップルっぽくなれないのが悩み?」
「……うん」
大和がぼそっと呟いた。
なんか可愛いな。これは姉として全力でサポートしなければ。
「よし!それなら、まずは自然に話せるようにするところからだね!」
「え、どうすんの?」
「ふふふ、それはね……」
こうして、家族全員で大和の初恋を大調査することになった。
でも、私は気づいていなかった。
自分自身もまた、恋に悩むことになるなんて──。