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文化祭の賑わいの中。
「人多すぎやろ……ちょい休ませてや」
緋八マナは肩を回しながらぼやいた。
「まだ始まったばっかだよ?」
呆れたように笑うのは赤城ウェン。
「いやほんま無理やって、暑いし」
そんな軽口を叩いていた、その時だった。
「いらっしゃい!こっちどうぞー!」
明るくて、優しい声。
なんとなく視線を向けた先にいたのは——
伊波ライ。
「……っ」
一瞬で、空気が変わった気がした。
柔らかく笑うその顔に、目が離せなくなる。
——なんやこれ。
初めて見るのに、やけに目に焼き付く。
その時、ふっと目が合った。
ライが、少しだけ驚いてから、にこっと笑う。
「!」
心臓が、大きく跳ねた。
「マナ?どうした?」
ウェンの声で我に返る。
「……いや」
でも、もう遅い。
頭の中、あいつでいっぱいや。
「……あの人、誰や」
ぽつりと呟いた声に、ウェンがニヤリとする。
「珍しいね。気になるんだ?」
「別にちゃうわ!」
否定しても、無駄やった。
——これ、多分。
一目惚れや。