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「で?もう一回会いたいんでしょ」
数日後。
ウェンに言われて、マナは観念したようにため息をつく。
「……まあ、せやけど」
「なら紹介してもらえばいいじゃん」
名前が出たのは——
小柳ロウ。
⸻
そして。
「ライー」
ロウに呼ばれて振り向いたその人は、すぐに気づいた。
「あ、文化祭の時の人」
覚えていた。
それだけで、胸が熱くなる。
「……また来たんや」
思わず口に出る。
「来てくれて嬉しいよ」
変わらない、優しい笑顔。
——あかん、好きや。
⸻
それから、自然と会う回数が増えていった。
「マナってさ、結構来てくれるよね」
「……まあな」
「嬉しい」
ストレートに言われると弱い。
ほんま、ずるい。
⸻
ある日。
「ねえマナ、ちょっといい?」
「ん?」
「勉強、教えてほしい」
差し出されたノート。
「俺、教えるの好きだから」
「……ええん?」
「もちろん」
隣に座るライ。
距離が近い。
でも、不思議と落ち着く。
「ここはね、こうやって考えるとわかりやすいよ」
「……ほんまや」
「でしょ?」
嬉しそうに笑う。
その横顔を、つい見てしまう。
「……なあ」
「うん?」
「なんでそんな優しいん」
「え?」
「いや、普通ここまでせえへんやろ」
少し考えてから、ライはふっと笑った。
「マナだからかな」
「……っ」
それ、あかんやつや。
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