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お花のようなあざ、、ねぇ、、、普通に可愛いし欲しいな
痣ってなんか……エロいね 想像するだけで鼻から血出てきた (実話)
リョウカ様が可愛くて美しくて…🫠もう毎回これしか言えない! ヒロトが1番純粋が故に3人の関係に拘りがあるというか思いが強いというか…(他2人が無いのではなく立場もあって受け入れてるのかなと)もうそれが切ないですね。 でもセンシティブ楽しみにしてます笑(モトキとヒロトの違いもじっくり見ようと思います🤭)
寝所に着き、これまでは決して触れることの無かった御簾を手で避けて、ヒロトは中へと入った。身を清めている間に、昼間の着衣は、侍女によって帽子やマントまで全て綺麗に掛けられていた。
白い長襦袢だけの自分に、あまり慣れない。襦袢を着て睡眠を取るなど、長い間した事がない。毎晩、寝所の前に立ち、リョウカ様を守ってきた。睡眠などは、昼間にその辺の木陰などで眠る程度だった。
リョウカ様が眠れない時など、端無いと従者に叱られながらも、御簾の中から話しかけてくるリョウカ様の話し相手になった事もあった。
あんなに、幼い頃よりずっと一緒にいたのに、リョウカ様が女である事にすら気付いていなかった。ましてや、自分が夜伽の相手になるなど…。
餓鬼の頃は、何も分からず、リョウカ様をただ好いていた。結婚するとも言っていた。だが、成長するにつれ、リョウカ様は帝で、自分はただの護衛である事、それが嫌という程に理解出来た。理解出来た途端に、俺はリョウカ様への気持ちに蓋をしたんだ。なのに、その蓋を、まさか無理矢理抉じ開けられるなんて思いもしなかった。
ヒロトは、寝所の中から御簾の方を向いて胡座をかき、月を見上げる。外では、パチパチと松明が弾け、護衛の者が遠くに立っているのが判る。
誰だか知らんが、俺に気を遣ってか、あんなに離れやがって。ちゃんと寝所を護衛しろってんだ。
後ろから、襖が開く音がした。ヒロトの心臓が跳ね上がる。ひたひたと歩く音がして、衣擦れの音と共に、布団に座る音がした。一つ一つの音が、酷く耳につく。己の心臓の音も、厭に煩く感じた。
「…ヒロト…。」
愛しい声が自分を呼ぶ。ヒロトは、リョウカに先に声を掛けさせて、気を遣わせてしまった事を悔いながらも、未だ振り向くことが出来なかった。
「…申し訳、ありません。俺から、行くべきなのに…。」
「…ううん。」
「…もう暫く、落ち着く時間を頂けませんか。」
「…うん。」
これまで、リョウカ様の寝所の中を見る事すら、叶わなかった。それが、いきなり夜伽の相手をしろ、なんて、そんな無茶な。出来るのだろうか、自分に。なんだ俺。情けない。カッコ悪ぃ。
「…ヒロト、無理しなくても、いいんだよ。」
リョウカの言葉に、思わず勢いよく振り向く。
「無理なんて…!!」
ヒロトの目に、襦袢を纏っただけのリョウカの姿が飛び込んで来た。
なんと…美しい…。
ヒロトは、ゆっくりと立ち上がって、布団の横で正座をする。
「無理しないでっていうか…なんか、お話でもしよっか、って。」
リョウカが、いつもの優しい笑顔を向けて言う。ヒロトは、両拳を床に着いて、頭を下げる。
「布団、上がって。」
リョウカに言われ、暫く頭を垂れた後、そっと布団に手を着いて、正座のまま移動する。
「…寝所の護衛はもう出来ないけど、昼間は、これまで通り、傍にいて欲しいな。」
「…はい、勿論でございます。…これまで、持ち場を離れてしまい、申し訳ありませんでした。」
「うん…。…ねえ、ヒロト。昔から、言葉遣い、崩してくれないよね。」
「…は…。」
「遊戯の時とか、二人の時は、いいよって言ってるのに。」
「…う…。」
「ね、リョウカって呼んでみてよ。」
「え!!む、無理です…。」
「いいじゃん、ほら。まずは名前から。」
「…名前が一番難しいのでは…?」
「そう?」
「…リ…リョ…」
「がんばれ。」
「…勘弁してください…。」
「え〜。もぉ…。」
ヒロトは泣きそうな顔になって、リョウカは少しむくれて下を向く。
「じゃあ、同じ事言ってね。」
「…同じ事?」
「『やあ、元気?』、はい。」
「…や、やあ、元気…?」
「おー、いいね。じゃあ…『俺、すげー強ーんだぜ!』、はい。」
「俺、すげー強ーんだぜ?」
「おお〜、じゃーあ〜」
「ま、待ってください、これなんですか?」
「…『待って、これなに?』、はい。」
「…待って、これなに?」
「『話す練習してんの。』、はい。」
「話す練習してんの。」
「『もう敬語使わないから。』、はい。」
「もう敬語、使わないから。」
「『リョウカ』、はい。」
「…リョウカ…。 」
「あ、出来た。」
リョウカがパチパチと拍手をする。ヒロトは、その手を片手で掴む。昔は、三人の中で一番大きかったリョウカの手は、ヒロトの手ともう全くその大きさに違いは無かった。
「…リョウカ。」
「…はい。」
「リョウカ。」
「…ヒロト? 」
「リョウカ、好きだ…。」
リョウカの目が、見開かれる。ヒロトは、涙を零していた。
「リョウカ、好き。大好き。ちっちゃい頃から、ずっと好き。………ごめんね。」
「…謝らないで、ヒロト。」
「リョウカ、だいすき。」
泣きながら、子どもみたいに言い続けるヒロトに、リョウカはふふ、と笑う。
「なんか、五つの時に戻ったみたい。」
「…もう、十七だよ。」
ヒロトの言葉に、リョウカが止まった。ヒロトの顔が近付いてきて、リョウカにそっと口付ける。
ヒロトが優しく唇を付けたまま、リョウカの肩を支えてゆっくりと押し倒す。
緩やかに顔を離すと、頬を赤く染め、潤んだ瞳のリョウカの顔が、すぐ近くにある。
ヒロトが、膝で立ち、自分の襦袢の上半身をガバッと脱いだ。腰紐から垂れ下がる襦袢が下半身を覆っているだけになった。
日々の鍛錬や、都の警邏の際にできたものだろう、傷だらけだが、鍛え上げられた逞しい身体が、リョウカに覆い被さる。
リョウカが、そっとヒロトの右腕を触る。
「ヒロト、これ…なに?」
そこには、赤茶の痣。
「これは、力を使った証です。恐らくは」
リョウカが人差し指でヒロトの口を塞ぐ。
「言葉遣い。」
「あ…、ご、ごめん…。」
「ふふ。」
「…これ、力を使うと、身体に痣ができるみたいなんだ。たぶん、リョウカ…の何処かにも、あるよ。」
「あ、たぶん、これかな。」
リョウカが、自身の襦袢の襟を開いて、鎖骨の下辺りを見せる。あの、花の様な痣がある処だ。
「ほら、ここ、これでしょ?」
リョウカが指で示して、笑顔でヒロトを見上げると、ヒロトは眼光鋭く、リョウカの胸元を見ていた。そして、リョウカの瞳に視線を移す。
「…リョウカ、態とやってる?」
「え…?」
そう言うと、襟を持つリョウカの両手ごとヒロトが上から手を被せ、襦袢を大きく開く。リョウカの胸元が、露わになった。
「あ…。」
「…だめだよ、リョウカ、俺を舐め過ぎ。」
「ち、ちが…っ!」
そのまま両手をリョウカの顔の横に押さえつける様に握り、ヒロトが唇に噛み付く。
「んん…!んぅ…っ!!」
リョウカに言葉を発する事もさせず、ヒロトは激しく口腔内を侵す。リョウカは、必死で口を開けて空気を求めるが、すぐにヒロトの唇で塞がれ、息を吸う事も許されない。
何度か顔の角度を変えてリョウカの唇を貪った後、ヒロトは、流石に空気を吸わせようと、口を開けて、大きく出した舌だけをリョウカの中に捩じ込む。にちゃにちゃと大きな音がして、二人の唾液が混ざり合う。
つう、と糸を引いて、ヒロトの舌がようやく離された。リョウカは、はぁはぁと激しく肩で息をして、惚けた表情をして、力が抜けている。
「…ま、…まっ…て…。」
息も絶え絶えに、リョウカが懇願する。
ヒロトは、胸元の花の痣をベロ、と舐めると、上からリョウカを見下ろした。
「…これまで、充分待ったんだ…。もう、手加減できないよ。」
深い夜に似た暗く青い瞳で、ヒロトは獲物を捉えた様に、リョウカを見た。