テラーノベル
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上から覆い被さり、まるで獲物を捉えるかの様な鋭いヒロトの眼光に、リョウカが少し不安の表情を見せた。頬を染めて、浅く呼吸を繰り返している。
「…だから、それも、煽ってるんだって…!」
両の手でリョウカのわずかな胸の膨らみを揉みしだく。指で二つの蕾を挟んで弄る。う、と声を漏らすリョウカを一瞥して、またその両手を押さえつけたヒロトは、片の蕾を口に含んだ。口の中で、舌で激しく玩弄する。
「ん…!あぁ…っ!」
リョウカは身を捩ってなんとか快感を逃がそうとするが、両手をヒロトに押さえつけられているため、それが叶わない。口を塞ぐことも出来ず、唇を噤んで必死に声を我慢する。
リョウカの目から、一筋涙が零れると、ヒロトは押さえつけている手をそっと離した。
「…ごめん。」
「…ヒロト。」
リョウカが、自由になった両手でヒロトの顔を包み、そっと自分の方に引き寄せ、胸元にその頭を抱く。
「大丈夫、私はどこにも逃げないよ…。ちゃんと、ヒロトのものだから…。」
ヒロトは、涙を零して、リョウカにしがみつく。暫しリョウカの胸で心音に耳を傾けた後、ヒロトは、ちゅ、ちゅ、と身体に口付けを繰り返しながら、リョウカの下腹部、その淫華へと顔を寄せた。
まずは、ヒロトの小指程の大きさのリョウカのモノを口に含む。リョウカの身体がピクッと跳ね、感じているのがわかる。しばらく舌で転がした後、ちゅ、と唇を落として顔を離す。
「…こんなので、よく『をのこ』だなんて言ってたな。」
「や…だって、知らなかった…だも…。みんな、この…くらいだと…思って…。」
「…これくらいだよ。」
ヒロトはリョウカの手を取り、自分のモノを触らせる。熱く反り立つそれは、リョウカのモノより遥かに大きい。リョウカは顔を真っ赤にして、ヒロトを見つめた。
「…全然…違う…。」
「…怖い?」
「…ううん、ヒロトだから、大丈夫…。」
ガバッとヒロトが抱きつくと、でも!と急いでリョウカが付け加えた。
「あの…出来るだけ、優しく…お願いします…。」
「…うん、善処…する。」
クスッと笑い合って、二人はゆっくりと、優しい口付けを交わした。
その後、またヒロトが、顔をリョウカの淫華に近づける。今度は、優しく、舌を使ってその溝に沿わせる。
「ん…。」
リョウカの口から、甘い声が漏れる。ヒロトはその声を以てして、より舌を激しく動かす。リョウカのモノを口に含んで舌で転がすように舐めたり、淫孔の中へ舌をねじ込んだりして、そこを充分に潤わせる。
「ん…ふ……ぁ……。」
リョウカの口から、淫靡な声が漏れ、ヒロトはさらに指を孔へと入れた。口では突起を弄び、中を指でぐちぐちと解していく。中からは、どんどんと蜜液が溢れ出てくる。
「あ…!ん…ぁ…ヒ、ヒロ…ト…!」
リョウカが、ヒロトに向かって両手を広げる。ヒロトがそれに従って、身体をリョウカへとくっつける。
「はぁ…ヒロト…。」
「…ん?」
「…愛してる…。」
「…え?」
「…今、気付いた…私は、ヒロトを愛してるんだ…。」
「…え、ど、どう…。」
「…私の身体が、違う…。…前の…時と、全然…違うみたい…。」
ヒロトは、リョウカの言葉の意味を汲み取った。モトキと目合った時と、今、自分と目合っている時とで、リョウカの身体の反応が違う、と言いたいのだろう。
「…ヒロトは、心が切なくなる…。でも、身体が、全部が、ヒロトを欲しがってる…。私…私は…っ。」
ヒロトが堪らず口付けた。リョウカが、涙を零しながら、ヒロトに縋り付く。ヒロトも、強く、強く、抱きしめ返す。
「こんな…こんな事になってから気付くなんて…。」
「リョウカ…!」
「ごめん…っ、愛してるよ、ヒロト…!」
二人で涙を流しながら熱く口付けを交わし、ヒロトがゆっくりと自身をリョウカの孔の中に沈めていく。
「あぁ…っ!」
リョウカが、ヒロトにしがみつきながら、甘い嬌声をあげた。
二人は、やっと通じ合った心を抱きしめ合う様に、慈しむ様に、そして、この運命を心の隅で呪いながら、熱く情交した。
体力の許す限り愛し合った二人は、布団の中でしっかりと抱きしめ合う。
「…ヒロト、大老達に言われた時だけでなく、毎晩、ここに、私の元へ通って欲しい。…夜伽じゃなくても。」
「うん、もちろん。逢いに来るよ。」
「あ…モ、モトキの時は…来ないで…ね。…ごめん。」
「…うん、大丈夫、分かってるから。」
「…うん…。」
ヒロトが、リョウカの顔を覗き込む。
「…その時は、この外で寝所番、しとこうか?」
「…っ!い、じわる!!」
顔を真っ赤にして、リョウカがヒロトの胸元を叩いた。
ヒロトが、リョウカのお腹に手を当てる。
「…俺の子どもだと良いな。」
「…うん、私も…。」
二人で、ゆっくりと口付けを交わして、夜の帳へと意識を沈めた。
そんな二人の願いも虚しく、リョウカには月のモノが訪れた。それはまだ、この歪な関係が続く事を示すに他ならなかった。
定例集会として、御所に各者が集められた。
モトキは、年老いて引退した父の代わりに、陰陽寮の大頭として、その先頭に座していた。モトキの頭には、父から譲り受けた立烏帽子があった。
大老達は、リョウカに子を成すことが出来ないモトキへ苦々しく視線を向け、ヒソヒソと囁き合う。
ジャラリ、と音がして、玉座にリョウカが登壇する。
モトキは、その姿に驚愕の目を向けた。
リョウカのその頭を、白い大きな三角形の様な飾りが包み込んでいた。両端からは朱色の飾りが垂れ下がり、歩く度に、ゆらゆらと振れた。真珠や華美な布で美しく飾られ、一見すると、帝を神々しく飾り立てる物に見える。
リョウカは、涼しい顔をして皆を見渡し、扇をあおいでニコリと微笑む。皆は、美しいその姿に、ほう、と恍惚のため息を吐いた。
が、モトキには、それが、女性器を表す物であることが理解できた。子宮と、卵巣。女性にとって、子を成す為に必要なモノだ。
大老達が、リョウカの姿を見て、ニヤニヤと嫌な笑みを浮かべ、またそれぞれに耳打ちをしている。あれは、あの大老達が、リョウカに被る様、用意したのだ。早く子を成せと、大老達からのリョウカへの圧である、とモトキは感じた。
あの、醜悪な老人共、どこまでリョウカを好き勝手に弄るつもりなのだ。
怒りに満ちた表情を浮かべるモトキに、リョウカが視線を送る。
『だめだよ、そんな眼で人を睨んじゃ。』
目を細めて、そんな風に語りかける様に、諭す様に、リョウカが微笑む。子どもじみた憤りを表す事しか出来ない自分を、モトキは心から恥じた。
リョウカの隣に佇むヒロトに視線を送ると、無表情でモトキを見遣る。そして、打って変わって、ヒロトは蕩ける様な優しい笑顔で、リョウカと視線を交わしていた。
モトキの身体の中に、黒い色が少しずつ広がっていった。
モトキは、大老に示される日に限り、リョウカの寝所を訪れた。一方、ヒロトはその日以外の全てに、寝所を訪れていると、風の噂で耳にした。帝の寵愛を受けたのが、護衛隊長となったヒロトであったことは、皆の意の外にあるものであった。
だが、モトキは、一人、腑に落ちていた。元々、あの二人の世界だったのだ。そこに自分が入り込んだだけ、初めから分かっていたことだ。
陽の光が嫌というほど降り注ぐ昼に、御所の広間へとモトキが足を運ぶ。
そこは、かつて三人で楽しく音を重ねていた場所。今は、二人の姿はモトキの傍には、無い。右手に握り込んだ時計が、音を立てて軋んだ。
コメント
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ううん、、またまた話がすっぽ抜けちゃいました、、寝てないからでしょうか、、寝たら読み直します素敵なお話ってことはわかっているので😴
💙💛だ〜!……まぁ時には痛めつけることも必要ですよね、仲間です 『夏の影』っ!! 七瀬さんのインスピレーション待ってます
💙💛なんだ!と驚きながらも、そこは七瀬さんのМっけなのですね🤣笑 そしてそして、嬉しすぎるお知らせが🎐 夏の影!!! 楽しみすぎて、そわそわします。笑