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“きもち予報”
「もうやだっ、ぷりちゃんなんて、大っ嫌いっ」
「ちぐっ、待ってやっ、!」
「はぁ、」
やっちまったぁ、
いつもなら、俺が何をやらかしても笑って許してくれる君。
だけど、今回ばかりはそんな穏やかな君も限界だったみたいだ。
まぁ自分でもやらかしたという自覚はある。
早く、君に謝らないと。
それにさ、今さら君のいない暮らしになんて、戻れないしね。
しかし、謝りに行くと言ってもどこへ行ったらいいのだろう。
数ヶ月前までは君の家に直接向かえばよかったが、今はそうは行かない。
だからといって、むやみに探しに行くとすれ違いかねない。
さて、どうするべきか。
とりあえず、君がいつ帰ってきてもいいように、その準備だけしておこうかな。
だって、ここは俺たちの家なんだから。
「よし、できたっ!」
机の上を埋めつくしている真っ白な皿。
その上には、君の好きなものばかり。
少し大変だったけど、君がこれで笑顔になってくれるなら安いもんだ。
そうして、君のことを探しに行こう、そう思ったとき、玄関から音がした。
―がちゃ、―
慌ててそこへ向かえば、遠慮がちな君の顔。
「ぷりちゃん、」
「ちぐ…!」
「「ごめんなさい!!」」
重なった二人の言葉がおかしくて、ふっと笑いが込み上げてくる。
ひとしきり笑うと、君はビニール袋を差し出した。
「あのさ、これ、」
「なんやこれ、?俺に??」
「うん、」
―がさっ、―
袋の中から出てきたものは、全部俺の好きなもので。
こんなところまで考えてること同じなんだなって、なんだかおかしくて、嬉しくて。
思わずまた笑ってしまった俺を、君は心配そうに見つめてきた。
「気に入らなかったとかそんなんじゃないで。ただ、俺らってやっぱ似てるなって思っただけや。」
そう伝えると、君は小首を傾げ、またこちらを見つめる。
そんな君が可愛くて、ずっと見ていたかったけど、笑顔だって見たいしね。
「こっち、きてや」
秘密のディナーに、お姫様をご招待。
君は、笑ってくれるかな?
先程まで白い皿の上を彩っていたはずの料理たちは、綺麗さっぱり消え失せ、今は君のお腹の中。
幸せそうにテレビを見る君の横顔。
ずっと見つめていたいなって、ずっと隣にいたいなって、そう思う。
「はぁ、」
ため息をつく君。
どうしたんやろ、
そんな俺の視線に気づいてか、君は口を開く。
「疲れちゃった、」
「疲れたん?寒いのに外おったんやろ?早く寝たほうがええで、」
「んーん、そういうことじゃなくて、さっきまで怒ってたのに、今は逆に幸せすぎてさ。いっぱい色んなこと考えて、疲れちゃったの。」
「へぇー、」
「そそ、だからさぁ、」
と、君は続ける。
「気持ちの天気予報もあればいいのにね。そう、思っただけ。」
なるほどな、気持ちの天気予報かぁ、ならさ、
「俺が、ちぐのてるてる坊主になるから、」
「へ、??」
目を丸くして、君は戸惑う。
「俺がさ、ちぐの心を晴れにする。」
そう、俺が君の心を晴れにするから。
二人でずっと一緒で、雨が降っても一瞬で晴れに変えちゃうんだ。
暖かい雨を降らして、たくさん晴れさせて、そんなふうにしよう。
ずーっと晴れでもいいけどさ、そしたら心の地面が乾いちゃうからな。
だから、二人で暖かい雨も降らせて、十分降ったなって思ったらさ、俺が晴れに変えちゃうの。
あ、一番最初にもう一個てるてる坊主をぶら下げないとね。
―もう冷たい雨が降りませんように。
って。
俺と君の心は全然別のものだから、君の心が雨模様の時、俺の心は晴模様かもしれないけど。
それでも、二人の心に、もう二度と冷たい雨が降ることはないから。
おーわりっ!!
あのね!!1500文字くらい書いたのっ!!
めっちゃ頑張ったっ✨️✨️
りぅのこと褒めろっ!!(*´ ˘ `*)
4/1修正
コメント
11件
最高〜!! 1500字書いたの!?凄すぎでしょ!
じぬ゙ぅぅぅぅ〜!最後の締め方好きすぎる!!結構長めのお話だし、りう凄い!