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すいません、自分身バレが酷いんでね、アカウント変えます。初見のフリして後日話しかけに来ますm(_ _)m
ん〜メドゥーサやばくね?
──────いえもん視点──────
俺はそいつに対して剣を振るう。しかし、そいつは軽々しくそれを飛んで返しする。逃がさない、その殺意を込めて、銃を1発、2発と打つ。1発、1発確実に当たるように狙いを定めて。
しかし、そいつはなにか魔法陣を書いたかと思うと弾は魔法陣によって弾かれる。
「チッ」
思わず舌打ちがこぼれる。さすがは魔族の種族長、とでも言うべきか銃ではビクともしない。俺の得意分野で攻め落とすことは不可能のようだ。…しかし、その先入観は足元をすくう。魔族相手には光属性が効く。こんなものは常識中の常識だ。俺は素早く銃の中の弾を地に捨て、素早く弾を入れ替える。そして、詠唱を行う。俺だって、人間なりに戦う術をめめさんに叩き込められているんだ。それに、今まで色んな人の戦闘場面に遭遇しているのだ。多少の見よう見まねはできるはず。付け焼き刃だが多少は役に立つはず。
「光よ。我々を照らし、未来へと参じよ。闇を照らし、我ら軟弱者の希望となれ!!」
俺の足元に光り輝く魔法陣が浮かぶ。体が少し軽くなったのを感じる。頭がふわっとした感覚に包まれると同時に何か失ったかのようにどっと体に重りがつけられる。魔力を消費して魔法へと変える。普通の人間ならばこれには体に負荷が掛かる。そう、それは俺も例外ではない。心臓に重りをつけられたかのような痛みと重みが俺にのしかかる。
しかし、それと同時に撃たれた銃弾は魔法の効果を受け、光り輝く光線とかす。そいつの魔法陣が一撃、二激と当たる度に魔法陣にはヒビができていく。そいつはたまらず回避に切り替えるが俺の思うつぼだ。重力魔法をそいつに放つ。回避に専念しているのだからこれは必中と言っても過言ではない。そいつはバランスを崩す。俺は風魔法の詠唱を短く唱え、空中へと舞い上がる。それと同時に剣を心臓部に突き刺しながら落下攻撃を与える。
「ガハッ」
そいつは血を吐き、口元を汚す。仕留めた。それと同時にそいつはすぐに回復する。人外とはこれほどまでに回復が早いのか、なんて感想は今更抱かない。そもそも、それなのにそいつは動こうとしないのだ。逃げようとも、戦おうともしない。不気味ささえ感じる。
「──────なぜ逃げない…?」
思わず話しかけてしまう。そいつはにこりと笑う。それは屈託のない笑みだった。なぜ、敵にこんな笑みを浮かべるのか、そんな疑問を思い浮かべる。思考を読み取ったかのようにそいつは俺の疑問に対する答えを言う。
「…茶川…いや、いえ君、私は君と話がしたい。君は勘違いをしている。魔族に対する偏見を払拭したいのだ。」
そいつの熱弁に無い心を揺るがされる。自然と手は震える。俺の知りたい真実を、そいつは、こいつは知っているというのだろうか?俺の、俺の知っている知識は間違っているのか?そんな疑問が俺の思考によぎる。
「…俺の、俺の何が間違っているんだ?」
「話を聞いてくれるのか?」
「…遺言としてなら。」
「ははは…それでも構わないよ。話を聞いてくれるなら…さぁ。」
そう言って、そいつは目を瞑る。俺は少しだけ、剣を持つ手が緩む。
「確かに、確かにいえ君が言ったのは事実だ。しかし、それはあまりにも…人間側に都合がよく改変されているのだ。」
そいつは俺の目を見て訴えてくる。自然と俺の息が荒くなる。緊張と疑心暗鬼が入り交じり、訳が分からなくなってくる。
「だって、そうだとは思わないか?人間ばかり都合の悪いことが起きているならば、人間は激怒し、私達との大々的な戦争が起きているだろう?何か、ひとつでも人間側が何かを失えば。」
「それが勇者と魔王の戦いだろ?」
そいつはゆっくりと首を横に振る。どうやら違うようだ。
「違う。そうだったとしたらなぜそこだけで争う?全員を巻き込んだ方が人間側はいいだろう?人間の方が強かったと言うならば、その力を我々にふるえばいい。」
「何が言いたい?」
「あー…要するに、歴史は改変されている。そして改変できるのはただ1人。」
「人間、とでも言いたいのか?」
「違う。勝者だ。」
その瞬間先程でのしんみりとした雰囲気が一転、威圧感の溢れる、ピリピリとした雰囲気へと変わる。これが魔族だと物語っているようにも見える。
「勝者だけがッ!!歴史に干渉し、全ての出来事を思うがままに操作する…ッ!!!」
──────カァァァン
そいつが剣と銃を強風で蹴散らす。完全に油断していた。今は話し合う時間、とばかり勝手に勘違いをして。手を緩めきっていた。そこにこの一撃。話している間、ずっと貯めていたのだろう。
そう、それが、そいつの本性だったのかもしれない。人型だった姿から手は肥大化し、黒く、鋭い爪が僅かに光る。手は日本のままだが、見た目はいかつく、刺々しいものに変わっている。足も肥大化し、腫れたかのように先程の数倍の大きさを誇る。靴は押しつぶされ、ズボンを履いていたのか、布がはち切れる。上半身は一瞬にして筋肉がつき、数倍の大きさへと変化する。口は大きく、人を丸呑みにできるほどの大きさへと変化する。目はギョロリとこちらを捕える。縦長の瞳孔は変わらないが目に光がなく、敵意だけが渦巻いている。また、瞳は3つへと増え、額にもうひとつの目が開眼する。角は麒麟のように長く、雄々しく、自らの存在を放つ。胸部には大きな宝石のようなものがはめ込まれており、それが種族長の証である、と物語る。新たにしっぽが生え、それには非常に硬そうな鱗が所狭しと敷き詰められていた。悪魔のような翼を悠々と開き、まるで魔王のようだ。
「人の子よ。貴様は優しすぎた。貴様も知っているように我々は魔族。」
ザッザッと土を大人数でふむ音を耳が捕える。木々をかき分け出てきたのは鬼、ウィッチ、獣人、メドゥーサ、スライム…などの様々な魔族が俺を囲う。…先程の話は時間稼ぎであることを今、自覚する。
「もちろん。貴様らのように1体1なんて正々堂々はしない。むしろズルや卑怯を好む。」
良く考えれば当たり前で、あそこで話す意味など何も、何も無かった。意図がない限り。俺は数刻前の自分を恨む。
「生半可な親切心や優しさはその身を滅ぼすんだよ。」
はははッとたか笑をしてその長い爪を俺の顎の下に置き、俺の顔を上げる。そして、俺と目が会った瞬間目を三日月形に変え、嘲笑う。死神、そう言おうとしたが既に対策されていたようで、何十人にも囲まれ、魔法の檻に入れられている。今はただの魂だ。それほどの力がない、ということを瞬時に理解したようだった。さすが長年生きているとでも言うべきか、知恵や、経験は俺たち人間に勝っているようだ。
「さらばだ。勇者になれなかったもの。」
そう言って、その長い爪は俺を切りさこうとする。魔法──────ダメだ、詠唱を行う時間は既にない。剣や銃──────これもダメ。今から取りに行ける距離ではない。重力──────既に見せてしまった。対策されているはず。聖水──────魔族の種族長に効くのか?効いたとしてもそのあとの大量にいる魔族相手に勝つことは不可能だ。他に…魂──────捉えられている。今から助けるのは不可能だ。それに加え俺は基礎能力は人間なのだ。瞬発的な力を出せるはずもない。
これが詰み。単独で、強気に出た結果がこれ。見方も、武器も、何も無い。そう、大人しく死を受け入れることしか──────。
その時、ふと、ノイズの言葉が脳内によぎる。
──────覚悟。そう、覚悟が必要なのだ。今から、打開策を。諦めては行けない。最期まで足掻かなければ。俺は、わんちゃんにかける。そいつと戦った時、光属性の弾と入れ替える時に落としたあの銃の弾。あれを、重力操作で打つ。幸い、ここはちょうど銃弾を落とした場所だ。まさか奥の手を使う羽目になるとは…。最期までッ足掻け──────。
ここで切ります!今回は!早めに書き始めたので結構長めになりました!通常2000文字なんですけど、今回は3000文字です!途中で切れませんでした…。いい所だったんです…。ちなみに、種族長の話しは信じるか信じないかはお任せします。本意としては時間稼ぎがメインでしたので。いえもんさん的には自身に対する自信のなさが今回の不意打ちに繋がったんですよねー。自信を持つことは大切なんですけど…。まあ、最期まで足掻いてもらいましょう!先に行っておきましょう。私は主人公でも場合によれば平気で殺しますので。主人公補正はほぼゼロに等しいはずですので。更新は明後日(明日は番外編をあげる予定)の予定ですので。それでは!お楽しみに。
おつ🌸!!