この作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは一切関係ありません
なんかあんま…もやっとした終わりかたになりました、笑
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深澤side
『…あ深澤さん!』
「よぉ目黒!元気してたかー?」
久々に会いに来た目黒はビックリするくらいかっこよくなっていた。髪切って毎日風呂入ってまともな服着せて貰ってる。多分ただそれだけなんだろうけど、見違えるほど良い男になっていた。でもあの頃と変わらない笑顔で駆け寄ってきてくれて、なんか大型犬みたいだなーなんて、わら
『元気でしたよ、深澤さんも元気そうでよかった』
「俺はそりゃ~元気よ。でも、……やっぱなんでもねえ」
『え何ですか』
お前らがいなくなって寂しい、とか言ったら引かれるかな。あくまで看守と収容者の関係だし、別に俺たちの間に特別な何かがあったわけじゃないし。でもやっぱり彼らを見送るのは辛かった。自分が売れなかったからというのもあるのかもしれないが
「…大人の事情ってやつよ、わら」
『…言いたくないなら聞かないっす。てかどっか行きません?』
「え、いいけど俺免許持ってないよ?」
『そのために、照くんがいるんです』
【そのためについてきたひかるくんでーす。】
あ、あのときのマッチョだ。どうもお世話になります。免許なし深澤、集ります
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『ここのケーキが美味しくて』
【蓮が好きだからよく来るんすよ】
「へぇ~確かに旨そうだし好きそう。これとかめっちゃ桃乗ってて凄くね?」
『え、美味しそう。俺それにしようかな』
【フルーツ大丈夫?】
『…大丈夫じゃない』
【じゃあ俺これ頼むから1口あげる】
「おい目の前でいちゃつくな」
『じゃあ俺いつものやつにする。俺も1口あげるね』
「だからいちゃつ」
【蓮は優しいねぇ。あ深澤さんはどうする?】
「…ぶどうのやつで」
【おっけ。…はい、頼んだ】
今時スマホから注文できるようになってるんだ、すげえ世の中だな。俺があの施設に囚われている間にも、世間は目まぐるしく変わっていっている。それに対応できる目の前の二人と知る術もない俺の間には大きな隔たりがあるように感じた。
【…さん、?深澤さん、】
「?!あ、はい何?ですか?」
『だから、深澤さんは施設から出る気ないのかって話』
「え?いや出れるなら出たいけど…まあ規約で無理だし、施設で働いてれば何不自由なくくらせるしなあ」
【…あのさ、】
“お待たせしました~”
彼らが何を言いたいのかわからないまま、ケーキを食べた。美味しかったけどなんだか少し味は薄い気がして、あまり食べた気にはならなかった。彼らは俺の現状を聞いて、どうしようと思っていたのだろうか
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「んじゃそろそろ俺が時間やべーから」
『あ、えと、もうちょっとだけ話したいことがあって』
「え?」
【あ俺からなんだけど】
「ん?何々、怖いんだけど」
【施設のトップが変わったって話聞いた?】
「あぁはい、聞きました。前の人よりホワイトになったって俺の上司は喜んでましたけど」
え、まさかの俺解雇?なんかその新しい人と繋がるパイプ持ってるんならその説全然あるぞ、しんど。もしここ追い出されたら何しようか、とか考えてたら彼から耳を疑うような発言が出た
【それ俺。】
「…は?」
【買収したの、俺】
「…え?えマジで?」
【マジ。あ深澤さん施設の方は解雇ね。うち来て貰うから】
「えっ…どゆこと?」
『なんか俺が深澤さんの話ばっか照くんにしてたら、家連れてくればよくね?ってなっちゃって』
「…いやいやいやどういう、」
『嫌ですか、?』
二人の表情をみる限り、一切ふざけてはいないようだ。あぁ、後はもう俺次第ってことね…そんなの答えは一つしかない。看守になってから、こんなチャンスが巡ってくるなんて思いもしなかったな
「嫌じゃない、から…」
柄じゃないのはわかっているけれど、けじめはつけなければ。真っ直ぐに彼らを見詰めて、頭を下げて真っ直ぐな返事をする
「よろしくお願いします」
顔を上げたその先には、初めて出来た家族の笑顔があった
コメント
6件
続き楽しみにしてます!
えーーー最高じゃん🤭💛🖤💜
あっ……(歓喜)ありがとうございます死んできます…