テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
スーパーに入り、かごを片手に並んで歩く。
夕方のざわめきの中、隣にいる悠真の存在がやけに大きく感じられた。
――聞きたい。けど、聞いたら変に思われるかも……。
迷いながらも、気づけば口が動いていた。
「……悠真さんって、今、彼女とかいないんですか?」
言った瞬間、心臓が跳ねて顔が熱くなる。
悠真が少し驚いたように目を見開き、それからふっと笑った。
「なんだよ、急に。……いないよ」
その答えに、胸の奥がじんわりと熱くなった。
――本当にいないんだ。
安堵と戸惑いが入り混じって、咲は視線を下げた。