〜side赤城〜
バイトを始めて1ヶ月
大分仕事にも慣れた
これでロウをバイト先に呼べる
やっぱり好きな人には俺のカッコいいトコ見せたいじゃん?
とうとう今日はロウがお店に来る日
一段と身嗜みを整えてロウを待った
「へぇ、ギャルソン似合うな」
「へへっ、そうだろ?」
「孫にも衣装だな」
「絶対ロウなら言うと思った!それよりメニュー何にする?」
「おすすめは?」
「じゃあオリジナルと‥‥ロウが好きな洋梨のタルトは?」
「それにするよ」
カウンターに戻るとマスターが話しかけてきた
「ウェン君のお友達?だったら今日はお店暇だから休憩がてら、一緒に食べて来ても良いよ」
「本当ですか?ありがとうございます!」
「2階席空いてるからそこ使って話しておいで」
「はい!お言葉に甘えて」
俺は自分の分のカフェラテとケーキを取り分け、ロウを2階席に案内する
「店の雰囲気も良いし、マスターも優しそうだな。見た目はダンディだし」
「え‥‥浮気‥‥?」
「な訳ないだろ」
「でもマジでナイスミドルだよな」
「今時誰もナイスミドルなんか使わんけどな」
「いいだろ、博識なんだよ俺は」
「フフッ、いいから食べようぜ。マジで美味しそう」
「そうでしょ?マスターの奥さんが作ってるんだ。で、コーヒーはマスターが淹れてるの。買い付けもマスター達で行ってるんだって。こだわってるよね」
「タルトもコーヒーも美味いな。俺酸っぱい系はあんまり得意じゃないからこのコーヒーめちゃくちゃ合うわ」
「良かった!こっちのケーキも食べてみてよ。ピスタチオのケーキだよ」
「さっきケースの中見たけど、ここのケーキって見た目が芸術的だよな。それで美味いんだから凄いよな」
「そうだね。今日は天気が悪いから客足悪いけど、いつもは結構混んでるしね。しかも土日はランチも出してるから大忙しなの。だから俺も頑張って土日出れる時は来てるんだ。ここのナポリタンもおすすめだよ」
「へぇ、そうなんだ。こんないい店よく見つけたな」
「ここの前通りがかったら張り紙してあったの。時間帯が夕方なのと土日って書いてあったから、俺にピッタリじゃんって思ってさ」
「良かったな」
一頻り喋りながら食べ終わるとロウが時計を見る
「ウェンも長く休んだら悪いだろ?俺そろそろ帰るよ」
「ん?そうだな。また遊びに来てよ」
ロウがマフラーを首に巻きながら立ち上がろうとする
その時バタバタと物凄い足音が階段から聞こえた
「マスター?どうかしましたか?」
「良かった‥‥まだ居てくれて‥‥」
「‥‥‥‥?」
俺達の元まで来て息を整えるマスター
俺たち‥‥って言うかロウを見てる?
ロウもそれに気付きマスターを見ている
「えっと‥‥どうかしましたか?」
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コメント
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kpニキこや 思い~ ? どうしたんだ? 続き楽しみにしてます!