第三話 南大陸からの敵襲!?
酒呑童子の結界を破壊するほどの威力が人族にあるとは思えん…
「魔王様、酒呑童子の結界を破るほどの威力を放つ敵が南大陸にいるというなら一つしかありません」
ワシは今ゼニスと急いで門に向かっている…
「やはりあの称号を得たものか…」
「はい、あの者しかいません」
勇者だな…
「今回の敵はほぼ確実に勇者だ、ワシの天敵、ここでワシが殺されれば魔王の称号が消える」
「はい 」
「だから…ワシは防御に徹する」
「御意!」
ゼニスが門の方向に光の速度で走った…
「はやいのぉ」
バサッ!
「なに!?」
距離を取る…
「お主は…」
ワシの右腕が落とされた…
「ワシとゼニスにバレないほどの気配の消し方…」
「… 」
「いや…技術と言った方がいいか?」
「…」
「勇者よ…」
ワシは右腕を押さえて止血する…
「私のことを知っているのね」
勇者が中段に構えた…
「今回で勇者は八四人目かのぉ?」
「そうよ、私は勇者八十四代目クリエナ、前世の名前は高杉美鈴よ…」
前世の名前?なんじゃ、それは…
「前世?」
「あぁ、前世っていうのは今の生命の前の体の… 」
「いや、そうじゃない」
「じゃあどういうこと?」
「転生術でも使ったのか?」
「転生術?」
「転生術を知らないのか…なら別の世界の住人か…」
別世界の住人、存じている二代目前の勇者もそうだった…
じゃが、そんたことより…
こやつ今までワシが戦ってきた勇者よりもダントツで強い…
「まぁ、敵同士話し合いもないわね」
勇者がもう一つの剣を出した…
「光の剣…人族めが…」
「知ってるのね」
光の剣…光属性魔法の上級魔術「雷帝(ライトニング)」を圧縮させたもの…
人族が使える領域ではないのじゃがな、それよりどうする、ワシの右腕がなければ魔拳が使えん…
左手で打っても半分くらいの威力しか出ない、それで勝てるわけもないだろう…
なら、方法は一つじゃ!
ワシは地面を足で砕き、魔王城6階から5階へと落ちた…
「逃げる!」
ワシは全力で逃げる
「まけたか!」
光の斬撃が飛んでくる…
「危な!?」
カスった
「まずい!?」
かすり傷から光が溢れ出て大量出血する…
「ぐぁぁぁああ!?」
光属性の粒子!?
「勇者めが!」
ワシが勝つ方法は二つ魔王城地下30階層の治療室で右腕を治してもらうか…
ワシが本気で戦うか…
前者はダメだそこまで逃げきれないなら後者だが、魔王城が滅びかねん…
あ、いや大丈夫か…
魔王城地下98階の炭鉱族達にやって貰えば魔王城が壊れても2ヶ月で直る、なら!
「後者じゃ!」
「は? 」
勇者が光の剣と普通の剣両手持ちして構える…
ワシの本気…
能力の解放、ワシの能力を解放すれば「衝撃波」から…
「覇気が解放される!」
ワシの周りの重力が重くなり歪む…
「まずは小手調べからじゃ!」
左手でパンチする…
左手の衝撃波だとコンクリート50個破壊する程度だが…
「覇気は天候を変える!」
雲が開く…
魔王城の4分の1を消し飛ばし、勇者の左腕を抉った
「ぐっ!魔王!なにをした!」
狂気…勇者らしからぬ顔…
「ワシは右腕を落とされたんじゃ、左腕を抉られただけでそんなに怒るでないわ」
「ふっ」
「?」
「hahahaha」
勇者が壊れた!?
「え?」
ワシは気付けば空中にいた腹部に風穴が空いている…
「がはぁ!」
魔王城5階から吹き飛ばされて何メートルもある高さから地面に落ちた…
「何を…」
ワシは覇気を纏っていた、完全なる覇気を!
その覇気を潜り抜けて腹部を消し飛ばした…
いや違うこれは…
勇者が落ちてきたワシの顔を踏みつける…
「これは竜王の秘術だよ」
竜王の秘術…
何千年も積み重ねてきた秘術…
それをなぜ人族が!
ワシは勇者に蹴り飛ばされた
「私がなぜ竜王の秘術を使えるかというと…」
「…」
「内緒♡」
サイコパスが…
ワシは勇者の光の剣で首を切断させられた…
-ゼニス視点-
魔王様が守りに徹するなら私は攻撃に徹する、それだけ…
私は「雷蔵」で門についた
「この状況…圧倒的にこちらが有利だが…勇者の姿はないな…」
そこで魔王城5階の4分の1が崩壊する…
「!?」
魔王城5階!?あの場所は魔王様と別れた場所の一階下!?
多分魔王様は守りで地下に行こうとして下に行ったんだろうけど、そこで何かあったんだ!
いや、心配は無用か…
魔王様はポンコツでアホだが、我らが認める実力者なのだから!
私は上段に構えて剣を振り
「雷蔵!!」
光の柱ができて
敵拠点を滅ぼした…
次回 生首の魔王様!?
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