テラーノベル
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ブラック・クローバーの拠点。 重苦しい空気を切り裂くように、リンが低く呟いた。
「……またキーが復活したな」
その声に、場の緊張を一切読まない明るい声が重なる。
「ほんっとキラキラしてますよねぇ~! 可愛すぎっ!」
ミミカが両手を胸の前で組み、うっとりと目を細めた。
「……はい?」
隣にいた里香が冷ややかに視線を送る。
「……あっ、い、いえいえ! もちろん倒さねばいけませんね~!」
ミミカは慌てて手を振りながら取り繕う。
リンは溜息をつき、鋭い視線を向けた。
「くだらん雑談してる暇があったら、さっさと魔法少女を潰せ」
「おやおやおやー!? 今回はミミカの出番ですかねっ! ミミカ、参ります!」
ビシッとポーズを決め、輝くような笑顔を見せるミミカ。
その背中からは、彼女だけが感じている音楽が聞こえるかのように、
愛梨の歌を楽しそうに鼻歌で口ずさんでいた。
そんな姿を見送りながら、里香は小さく問いかける。
「……あんなのでいいのですか?」
「……あいつは役に立つ。……多分な」
リンは額を指で押さえながら、ぼそりと吐き捨てた。
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