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白玉くん
103
碧
117
#らんいる
くらげ
55,576
あの港での戦いから、三週間。
ニュースでは組織の摘発が大きく報じられ、長く街を支配していた闇は少しずつ姿を消していった。
いるまとらんも、ようやく追われることのない日々を迎えていた。
二人が暮らしているのは、小さなアパート。
窓から朝日が差し込み、静かな時間が流れている。
🎼🌸「おはよう。」
キッチンから朝食の香りが漂う。
🎼📢「……もう朝か。」
眠そうに起きてきたいるまを見て、らんは思わず笑う。
🎼🌸「今日は寝坊だね。」
🎼📢「平和だと気が抜ける。」
以前なら考えられなかった、何気ない会話。
それが今は、とても大切だった。
🎼🌸「はい、朝ごはん。」
🎼📢「うまそう。」
食卓を囲みながら、らんが一枚の紙を取り出す。
🎼🌸「今日、学校に行ってくる。」
いるまは少し驚いたように顔を上げた。
🎼📢「……決めたのか。」
🎼🌸「うん。」
少しだけ緊張した笑顔。
🎼🌸「怖くないって言ったら嘘になる。」
🎼🌸「でも、逃げたままじゃ前に進めないから。」
いるまは静かにうなずく。
🎼📢「らしい答えだな。」
🎼🌸「いるまが教えてくれたんだよ。」
🎼📢「俺?」
🎼🌸「“生きることを諦めるな”って。」
その言葉に、いるまは照れくさそうに笑った。
🎼📢「……覚えてたのか。」
🎼🌸「忘れるわけないよ。」
その日の午後。
らんは制服を着て高校へ向かった。
校門の前で深呼吸をする。
🎼🌸(大丈夫。)
一歩。
また一歩。
教室の扉を開けると、担任の先生が優しく迎えてくれた。
「おかえり。」
短いその言葉だけで、らんの胸が熱くなる。
🎼🌸「……ただいま、です。」
放課後。
アパートへ戻ると、部屋からいい香りがしてきた。
🎼📢「おかえり。」
エプロン姿のいるまが立っている。
🎼🌸「えっ……料理?」
🎼📢「挑戦してみた。」
テーブルには少し形が不揃いなオムライス。
🎼🌸「ふふっ。」
🎼📢「笑うな。」
🎼🌸「ごめん。でも、すごく嬉しい。」
一口食べる。
🎼🌸「……おいしい。」
🎼📢「ほんとか?」
🎼🌸「うん。」
その笑顔を見て、いるまも自然と笑みを浮かべた。
食後、ベランダへ出る。
夕焼けに染まる街並みを眺めながら、二人は並んで立っていた。
🎼🌸「ねぇ。」
🎼📢「ん?」
🎼🌸「普通の日って、こんなに幸せなんだね。」
いるまは静かに空を見上げる。
🎼📢「昔は知らなかった。」
🎼📢「でも今は分かる。」
🎼📢「お前といる、この時間が一番大事だ。」
らんは少し照れながら笑った。
🎼🌸「俺も。」
夕焼けの空に、一番星が輝き始める。
戦いは終わった。
けれど、二人の物語はまだ続いていく。
今度は、穏やかな毎日という新しい物語が。
コメント
1件
ああ、このエピソード……すごくじんわりきました。戦いが終わって、普通の朝が来て、らんちゃんが「学校に行く」って決意するところ、胸が熱くなりましたね。「おかえり」の一言で泣きそうになる気持ち、分かります。いるまの不格好なオムライスに「おいしい」って笑うシーンも、何だかぎゅっとなる温かさで……。普通の幸せって、本当に尊いんだなって思わせてくれるお話でした🌷