テラーノベル
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⚠注意喚起⚠
nmmn
年齢・関係性・二人称など全て捏造
こちらは完全二次創作のためご本人様には一切関係ございません
全てhsrb視点で約4000字
受け攻めは決まってません
大学生hsrbとクレープ屋店員akgのお話
以下伏字なし↓
暖かい春の日差しがだんだんと強くなってくる5月終わりの金曜日。大学生活にはある程度慣れてきたが、今日は1つだけ見慣れないものがあった。
「クレープ…?」
はためくのぼりに書かれた色鮮やかな文字を何となく声に出してみる。テーマーパークでしか見たことのないようなキッチンカーが1台、大学から駅へと続く道に停まっていた。でも甘い物があまり得意じゃない俺には縁のないお店だなぁと思い、通り過ぎようとした時だった。
「はい!ご注文のチョコバナナクレープでーす!」
すっと耳に入ってくる聞き馴染みのいい爽やかな声。なんとなく気になってちらりとキッチンカーの方へと目をやった。声の主であろう店員さんを己の目が捉えた瞬間、心臓が大きくどくりと脈打つのを感じる。
薄いピンクの髪にところどころ黒いメッシュの入った髪。人懐っこい笑顔で細められた瞳は透き通るように青い。髪より濃いピンクの帽子とスカーフが真っ白な制服によく映えている。
俗に言う”一目惚れ”だった。自分が男性も恋愛対象だったなんて初めて知ったが嫌悪感なんてまるでない。それよりもむしろ、ドキドキと高鳴っていく胸の音が心地良いくらいだ。
通り過ぎるつもりだった足を無理やり方向転換して、できる限りの自然を装ってクレープ屋の列へと並ぶ。後から気付いたが並んでいるのは俺以外、近くにある高校の女子生徒だった。……まぁそうだよな。女子高生ってクレープとか好きそうだもんな、なんて偏見を肯定しながら列が進むのを心待ちにする。
そしてやっと俺の番がきた。店員さんは近くで見るとより一層愛らしい顔をしていて、治まったはずの胸の鼓動がまた再熱してしまう。
「いらっしゃいませ〜。ご注文は何にしますか?」
「あ、えと……。」
顔に見惚れててそんなこと一切考えていなかった。慌ててメニューへと視線を落とすが優柔不断な俺はすぐに決められそうもない。後ろにまだ人が並んでいるため、ずっと悩むわけにもいかなかった俺は……。
「オススメとかありますか…?」
きょとんとした顔の店員さんにやってしまった!と心のなかで大焦りする。冷静に考えればそりゃそうだ。こんなとこでオススメを聞くやつなんてそうそう居ないだろうに…!!
「……オススメ?んー…あ!このいちごホイップクレープですかね!」
しかもすごく甘そうなやつをオススメされてしまった。視界端のメニューにおかずクレープというのを見つけたのは一足遅くて、俺は「それでお願いします。」なんて弱々しく言うことしかできなかった。
「はい!ご注文のいちごホイップクレープです!」
「ありがとうございます…!」
クレープはいかにも甘そうで見るだけで胃もたれしてくる。でも渡してくれた時の店員さんの笑顔が可愛すぎてそんなネガティブな気持ちは一瞬で吹き飛んだ。
店前の席には女子高生がたくさんいて、さすがにそこに混じってクレープを食べる勇気はなかったので道の向かい側の公園のベンチで1人もくもくと食べることにした。
「んー…やっぱ甘ぁ……。」
口に含むたびに甘さが広がり、思わず眉をしかめそうになって何とか耐える。ここで嫌そうな顔をしてクレープを食べていたらお店の営業妨害になってしまうだろう。それに…やっぱり甘いものは苦手だが、あの店員さんが作ってくれたというだけで本来よりはかなり美味しく感じる。……さすがに単純すぎじゃないか自分。
ちまちまと食べ進めていけば1時間くらいかけてやっと食べ終わった。最後の方はクリームが少なかったので比較的食べやすかったのがせめてもの救いだった。
ちらりとキッチンカーの方へ目をやると「ゴミはこちらへ!」と書かれた袋があるのが目に入った。持ち帰ってもな……と思ったので、巻紙を畳みながらそこへ近づく。
「ねーねーお兄さん。」
忘れるわけもない爽やかな声にびくりと身体が跳ねる。驚いて視線を上げれば、締め作業に入っていたであろう店員さんが頬杖をつきながら俺に笑いかけていた。
「僕のオススメクレープ美味しかった?」
「はい…!とても美味しかったですよ。」
彼の質問に対し、俺は自然にこう答えた。誇れることではないが、俺は嘘や軽い冗談をさも本当のことのように言うのが得意だ。だからこれも多分バレてないはず。
「…そっか!良かったぁ。急にオススメ聞かれてテンパっちゃったからさ、僕も食べたことないやつオススメしちゃったんだよねー。」
接客モードではないのかタメ口で、それがまたさっきとは違ったギャップを生んでいる。というか急に聞いた俺がもちろん悪いのだが……食べたことないやつオススメしてきたの…?
「次はちゃんとオススメメニュー考えとくから。良かったらまた来てね〜!」
「……はい!」
“また”。その言葉でさっきまでひどかった胸焼けが一気に楽になった。もう次の月曜にでも行っちゃおうかな、なんて思いながら俺は自宅へと帰った。
「……あの人は!」
思わずこぼれた安堵の声が想像より大きくてはっとする。周りに誰もいなくてよかった……。
あのクレープを食べた日の次の週。月曜から木曜まで毎日クレープ屋の近くを通ったが、あの店員さんがいることはなかった。どうやら日替わり当番制らしく、月曜日は金髪の人、火曜はオレンジ髪の人、水曜は多分定休日、木曜は黒髪っぽい人、というように人が変わっていたのだ。そしてピンク髪のあの店員さんはどうやら金曜日が当番らしい。現に金曜日であるこの前と、今日はここにいるのだから。
この前と比べて来た時間が遅かったからか、今日は店前の席には大学生らしき人がまばらにしかいなかった。並んでいる人もいなくてキッチンカーに近付けば、あの人好きするような笑顔を浮かべた店員さんがこちらに手を振ってくれる。
「あ!お兄さん来てくれたんだ!今日のオススメは……これ。キャラメルカスタードです!」
俺を覚えててくれたこともオススメを考えてきてくれたことも全てが嬉しかった。今回も彼が言ってくれたオススメを注文することにして、クレープが出来上がるのを待つ。
「お兄さんも〇〇大学の学生さんですか?」
「えっ……あ、はい!そうです…!」
後ろに並ぶ人が居ないからか、店員さんは他愛ない話をしながらクレープを作ってくれた。しばらくそうして過ごしていれば香ばしいキャラメルの匂いが漂ってくる。
「はい!ご注文のキャラメルカスタードです!」
「ありがとうございます。」
渡されたクレープはやはり甘そうだが、この前よりはだいぶ食べやすそうに見える。店前の空いてる席へ腰を下ろし、俺はゆっくりとクレープを食べ始めた。
(あ、甘い…!!)
あれからかなりの時間が経ったが、俺の手元にはあと3分の1ほどクレープが残っていた。食べ始めた時は良かったものの、今回のクレープは最後までカスタードたっぷりで詰め込むことができそうになかったのだ。
「お兄さーん?」
喉につっかえそうになったクレープを何とか飲み込み、声がした方へと顔を向ける。いつのまにか辺りは仄暗くなっていて、ぼんやりと街灯に照らされた定員さんが俺の前に立っていた。
手には袋を持っていて、きっと食べ終わった巻紙を回収しようとしてくれたのだろう。……まぁ俺の手にはまだ食べかけのクレープが残っているのだが。
「あ……紙は自分で持ち帰るので大丈夫ですよ…!」
俺の返事を聞いた店員さんは「そーですか。」なんて言って、くるりと踵を返しキッチンカーへと戻っていった。……と思ったらまたこちらへ方向転換し、俺の右隣の空いてる席へと腰を下ろした。
「お隣、座ってもいい?」
……かわいい。もう座ってますけど?というツッコミは置いといて、こてんと首を傾げる仕草があまりにも可愛らしい…!!
「ど、どうぞ!」
「やったぁー。」
店員さんはそのままクレープを受け取る前のように自然な風に世間話を始めた。そんな予想外の展開に心臓がどきどきと高鳴っていく。なんで!?なんで店員さんが俺の隣に…?
「……ねぇお兄さん、話聞いてる?」
「ッえ!?聞いてますよ……唐揚げを揚げるコツのお話でしたよね…?」
俺の答えを聞いた店員さんは「聞いてるのか…」なんて言って神妙な顔をした。そして何かに気づいたように目を開いてから、申し訳なさそうに俺の方を向いた。
「お兄さんさっきからずっと上の空だから……もしかして僕、お邪魔だった?」
「いや全然そんなことはないんですけど……。」
あなたに一目惚れしたからです!とは流石に言えなくて、なんとかそれらしい言い訳を考える。
「その…店員さんと俺が世間話してるのが不思議だな…とか、なんで俺に話しかけてくれたのかな…とか思ったり…?」
そんな何を言ってるか自分でも曖昧な言葉を呟いたが、肝心の店員さんからの返答がなかなか返ってこない。恐る恐る横を見れば、さっきまでの顔から一変した真剣な顔の店員さんがいて……
「お兄さんすごく綺麗だから、良ければ仲良くなりたくて。」
「…………へ!?」
想定してない返答に今年一、大きな声を出した。思わずクレープを落としそうになってしまった俺に、店員さんはいたずらっぽく笑う。
「んもぉー冗談だよ!お兄さん面白いね。」
けらけらと笑う彼を横目に、熱くなった頬をごまかすようにクレープを口に運んだ。やっと全部食べ終わったので巻紙を店員さんの持つ袋へ捨てさせてもらい、帰る準備を始める。店員さんもそのままキッチンカーの方へと戻るようだった。
……と思ったらくるりとこちらを振り向いた。
「ねぇねぇ、さっき冗談って言ったけど……お兄さんと仲良くなりたいって思ってるのはホントだよ?」
「じゃあ、また”来週”…ね!」
駆け足で去っていく店員さん。逆光で顔は見えなかったが、声色的にまた太陽みたいに笑っていたのだろうとわかる。彼から言われた言葉を心の内で反芻した俺は、先ほどより熱くなった頬へ手を当てながら力なくその場にしゃがみ込む。
「今のは……ずるいでしょ。」
あまりの衝撃にふわふわと覚束ない足取りのまま家に帰った。その間ずっと頭にあるのはもちろん店員さんの言葉で……。俺の店員さんへの思いはより一層深まるばかりだった。
スクロールありがとうございました。
大学近くにクレープのキッチンカーが来るのは実体験です。
アイドルパロや妖怪万化パロのような感じのRなし小説を書くのも好きなので思い切って新しく作りました。
これからはこちらの『めちゃつえー単話集③』でRなしの捏造小説をあげていきます。Rありは『めちゃつえー単話集②』で引き続きあげます。
どちらも楽しんで読んでいただければ幸いです🙇♀
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