突然の宣告に、俺は困惑した
想い人と同じ家、同じ部屋、同じベッドで寝ろだなんて、新手の拷問かと思った
思考を巡らせ、気を紛らわそうとする俺を横目にナチは、俺が不快に感じたと誤解したのか
「布団が無くてな、どっちかが床で寝るわけにもいかない。受け入れろ」
そういうことではないと思いつつ、疲れ切った身体は睡眠を欲していたようだ
音が鳴るくらい大袈裟にベッドへ潜り込む
それから数分と経たずに、俺は浅い眠りへと落ちていった
目を覚ました時には既に2時を回っていた
喉が渇いたため起き上がろうとする…
動けない…?
ちらりと後ろを見る、ナチが俺にくっついたまま可愛らしい寝息を立てていた
ふと腹部あたりに圧迫感を感じた
そちらに目線を向けると、ナチの細い腕が俺の身体を抱きしめていることに気づく
起きたばかりでまだ眠気のある俺は、何を思ったのかナチの方を向いて抱き締め返していた
子供のように温かいナチの体をそっと包む
ここで俺の頭は一瞬で冴え始め、恥ずかしさと嬉しさで感情がごちゃ混ぜになっていた
それと同時にやってはいけないであろうことも頭に浮かんできた
どうすればいいか悩んでいると、なんとナチが起きてしまった
「…んんっ…って…お前っ…なにしてっ…!?」
焦っている顔も可愛いなどと呑気なことを考えつつ
「なにって…お前が先に抱きついてきたんだろう?」
と、意地の悪い言葉で返した
どういう返事が来るのか待っていると
「わ…私が…?はっ…?」
元々赤い顔をさらに赤く染め、言葉につまる様子はなんとも言えない満足感で可愛いと思うのと同時に、無意識で抱きついていたのか…という驚きも相まって
「…好きだなぁ」
と、言葉を漏らすという失態を犯した
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