「っは…?」
気付いた時にはナチに聞かれてしまっていた
必死に誤魔化そうと言い訳を考えては見るものの、パニックで頭が回らずまともに言葉も出てこない
ナチの可愛らしい小さい手が俺の服を力なく掴む
下の方に視線を向けると恥ずかしそうに俺の胸に顔を埋めるナチが
「ば…ばか…」
と小さく呟いていた
あまりの愛おしさに壊れそうな程強く抱きしめる
暖かい
まだナチは俺のことが好きだと決まった訳では無いのに
この気持ちを受け入れてくれたような気がしただけだと言うのに
どうしてもこの気持ちを抑え切ることが出来ない
すると背中を小さく暖かいもので包まれたような気がした
ナチが抱き締め返してくれた…?
腕の中を見ると恥じらいながらもこちらに視線を返すナチがいた
「え…えっと…その…」
言葉に詰まりながらなにか言いたげなナチに
「…なんだ?」
と在り来りな言葉で返した
「わ…私も…好きだ…」
返事は予想だにしなかった言葉だった
嬉しさと羞恥心で感情がまぜこぜになり、ついには涙が出てしまった
俺の瞳からボロボロとこぼれ落ちる涙をナチが手で拭う
その日の夜は泣き疲れたのかそのまま寝てしまった
コメント
1件
両想い…心臓が持たないくらいに良いですね