❤️「やっぱり」
🩷「あの…」
❤️「友だちだと思ってたのは、俺だけだったんだね」
その一言と沈痛な面持ちに胸を抉られた。
なんでこんなに胸が痛いんだろう。
🩷「あの、違くて、俺」
❤️「聞きたくない」
涼太は返す言葉もなく立ち尽くす俺を置いてリムジンに乗り込み、帰ってしまった。
他に誰も帰って来ない家の、自分の部屋に電気をつけて理由もわからず泣いた。
彼に電話したら出てくれたけど、『お坊ちゃんに嫌われたかも』と正直に話すとすげなく切られてしまった。
あの場面を見ている人はいなかったけど、俺が翌日から涼太に近づかなかったから周囲は『宮舘くん、佐久間のヤバさに気付いたんだね』という同情的な空気になっていた。
更に次の日から、俺は学校を丸3日休んだ。
身体より心が重くて行けなかった。
今まで誰に何を言われても平気だったのに、涼太を悲しませた事だけは棘が刺さったまま抜けないような感覚でずっと痛くて、それが俺を動けなくさせていた。
メッセージの通知が鳴った。
彼がGPSを入れてるから、学校に行っていない事を突っ込まれるのかと思いながら開くと
🩷「…うそ」
涼太だった。
時間は昼休み。スマホいじってるとこなんて見たことなかったのに、メッセージをくれた事に驚く。
❤️『体調悪いの?』
❤️『もし、俺のせいならごめん』
❤️『申し訳ないけど家の決まりで友だちも身辺調査をしないといけなくて、佐久間の事を調べた』
それで俺の素性を知ったのか、じゃあ絶縁確定じゃんと思いながら、次々来るメッセージを重い気持ちで読み進める。
❤️『もし、佐久間が今迷ったり困ったりしてるなら、力になる』
❤️『そうじゃなければ止めない』
❤️『でも佐久間の彼、他にも何人も同じような子を囲ってる。だから心配してる』
目を疑った。
そんな、そんな訳ない。
会えた時はいつも俺にお金を使ってくれて、たくさん愛してくれて……
でも、
何か買ってくれたり、美味しいものを食べに連れてってくれるのはいつも俺が余分に稼いだご褒美の時だけ。
愛してくれるのはお客さんがいない夜だけ。
ベッドが狭いから広々寝なと言われ気遣いだと喜んでソファで寝てたけど、一緒に寝た事もない。
🩷「え?あれ…」
愛に飢えていたが故に何も考えずについて行っていた彼の、愛情だと思っていたものに俺は初めて疑問を感じた。
それくらい、涼太の言葉はスッと入ってくる。
そして、周りが佐久間の彼氏ヤバいと話していた事ももしかしてそういう事なのか?と思えてくる。
社会人彼氏がいるステータスと、心配してくれる友だち。
俺の大切なものって、俺が大切にしたいものって、なんだろう。
スマホの画面を消してしばらく考えて、気付けば家を飛び出していた。
コメント
12件
舘様ありがとうございます‼️この言葉でさっくんが愛情だと思っていたものが違うってわかったはずこれで別れるきっかけになるはず‼️さっくんを救ってくれてありがとうございます‼️🙏🏻✨
この時点だと、舘様の気持ちがわからない🤔🤔🤔
❤️🩷いい感じになってくれ🥹✨