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胸に走ったかすかな痛みはそれ以上強くはならなかった。ロメは知らず知らずの間に入っていた体の力をゆるゆると抜いた。
電話口のルチオは黙り込んでいる。少し荒い息遣いが電話越しにかすかに聞こえてきた。
「……あ、あの」
「切るぞ」
早口で短く言い放たれ、続けようとした舌がこわばった。
(――怒ってる?)
とたんに、ロメの脳裏に一ヶ月前の別れ際が鮮明に蘇った。
散々面倒を見てもらい、恋人役まで引き受けてくれようとしたのに、全身で拒絶してしまった自分。
(うんざりされても、仕方ない――けど)
諦めと裏腹に、今にも電話が切られそうになっていることに焦る。
「じゃあ……」
「――い、妹さんの話、聞き**********
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